第8話
十五時にレストランに着くと美雪は、
「ぴったりね、幸之助さんのところへいきましょ」
例の保温器を持っている。
車で病院に着くと八百三号室へ上がる、ドアをノックし入る。
「祐介から電話があってからずっと待っておった、まあ座りたまえ。今日もいい匂いじゃ昼飯も食わんと我慢しておった」
「親父さん事務所の件ですが」
「あれはただのプレゼントじゃ、取り壊しが決まっておる場所だったからのう、気にするな、堅い話は抜きじゃ、早速食べさせてもらおう」
「今日はご指定のハンバーグとカルボナーラです、このカルボナーラは山口さんの好物ですのよ、お口に合えばいいんですが」
幸之助は迷ってからハンバーグを一口食べた。
「久しぶりじゃ、この旨さが堪らんのう」
今度はカルボナーラを食べ始める、
「レストランでスパゲティを頼んだ事はないが、こんな美味いスパゲティまであったんじゃな。山口め隠しておったな」
それからは病人とは思えない速さで完食した。
「実に美味かった礼を言うぞ」
「そんな、お礼を言うのはこちら側ですわ、ねえあなた」
「そうですよ」
手で制された
「堅い話は抜きじゃと言ったろう、人の好意には素直に甘えるのが一番じゃて」
何かを取り出してくる。
「神崎君、目を瞑って手を出したまえ」
言われた通り目を閉じ右手を差し出す。
ガサガサと物音がする、美雪が笑っている声も聞こえる、親指に何か当たった、その指を紙の様なものに押さえつける。
「目を開けても良いぞ」
目を開き親指を見る、赤い。拭き取った。
「成功じゃ」
と言って紙をちらつかせている。渡されたので読んでみる、『水谷グループ契約書』細かいところは飛ばし俺の指紋の付いた場所を見る、俺の名前や住所などはすでに書き込まれていた。
「何の契約書ですか? 俺は何の説明も受けてないし名前や住所も書いた覚えがない、無効ですよ」
「本人が書かんでも家族や親族が書いた物なら契約は成立する、なあ美雪さん?」
美雪はまだ笑いが止まらないようだ、
「そうですね、幸之助さんのやり方が子供っぽくておかしくて」
「これに記入したのは美雪なのか?」
「ええ、そうよ婚約者でも契約は成立するって先日祐介君が持って来たの」
「親父さん、まだ把握しきれてません。説明して下さい」
「これは水谷グループの傘下に入ると言う契約書じゃ、わしの誘いを突っぱねた唯一の男じゃ、他の者は金を出してまで押したがる契約書じゃ、それを突っぱねたとなるとこうするしか方法はないと思ってな、何、心配はいらん、他の者にはああしろこうしろと指図するが、神崎君は好きなようにやりたまえ、デメリットはまずない、寧ろ困ったときに水谷グループの者だと言えばメリットの方が大きいじゃろうな」
「天野の入れ知恵ですね?」
「そうじゃよ、法的にも問題ないらしい」
「これまで通り好きにやらせてもらう、これが俺の条件です」
「条件まで付けてくるとは面白い。山口にも教えてやろう。そうじゃいい事を考えたぞ、君には特別にわしや山口や祐介の名前を自由に使わせてやろうじゃないか、何かの時に幸之助の命令だとか言えば聞かない奴はおらんはずじゃ。愉快じゃ、長生きはするもんじゃのう」
「わかりましたよ、根負けしました」
「あなたが頑固だからこうするしかなかったの、黙っててごめんなさい、でもこうするのがあなたのためだと思ってやった事よ」
「じゃあ、何かの時は本当に名前使わせて貰いますよ」
「構わんよ」
「親父さんの名前はヤクザに通じますか?」
「ある程度ならな、ビビらせる事くらいはできるじゃろ、最後に一つだけ頼みがある」
「何でもどうぞ」
「人殺しだけはするんじゃないぞ」
「わかってます、俺の昔話を天野から聞いてますね?」
「ああ、聞いた。だから忠告しておく」
「懲りてますからね」
「よし、今日はお開きじゃ。美雪さん今度はまた私が注文した事のない物を頼んでもいいかね?」
「ええ、お持ちしますわ」
「山口と祐介が待っておるんじゃろ? もう行っても良いぞ」
「じゃあ、失礼しますよ」
「また来ますわ」
エレベーターで下に降りる間も美雪は笑っていた。
「そんなにおかしいか?」
「おかしいわよ、幸之助さんにあそこまでさせた人間はあなた一人よ、まるで子供ね」
レストランに戻ると十八時になる頃だった。
美雪は最高のおもてなしをするわ、と言って奥へ消えた。朱肉の色が残っている、昔の殺人未遂の記憶が甦る、天野のお陰で正当防衛になって無罪になったのだ。
ドアが開き祐介が入ってくる俺の隣二つは予約席と出ている。祐介はその予約席に一つ間を開け座る、真ん中が山口の席だと言っているようだ。すぐに山口も入ってきた。どうぞと言い席を勧める。
奥から美雪が出てくる。俺が話す
「事務所の件ありがとうございます」
「山口さん私からもお礼を申し上げます」
「ああ、気にしないで下さい。どちらにせよ取り壊す予定でしたから、逆に気を使わせてしまったかな?」
「とんでもない、お礼の言葉が見つかりませんよ」
美雪がハンバーグとカルボナーラを三人前並べる。
「美雪さん、私の好きなカルボナーラを覚えてたのですか?」
「もちろんですわ、ハンバーグは幸之助さんと祐介君の好物です、今日は私が腕を振るいましたの、どうぞ」
山口はカルボナーラを一口食べ、
「何度食べてもここのスパゲティは絶品ですね」
「山口さん僕の好きなハンバーグも負けてませんよ」
「本当だ肉汁が滴っていて溶けるような感触だ」
祐介もカルボナーラを美味そうに食べる。
「会長から面白い話が聞けましたよ」
「俺もです」
「やはり筒抜けだったのか、情報が早い」
「会長に騙されて拇印を押した後で、条件まで出したそうじゃないですか、会長も私もこんな方は初めてですよ」
美雪は戻らずに三人の話を聞いている
「普通なら傘下に入れて欲しいと金を積んだり泣き落としで頼んで来る会社を調査し会議に会議を重ね十社来たとすると一社に絞り判を押すんですが、神崎さんは坊っちゃんの頼みも会長からの頼みも、考えとくよで済ませた、会長も私も初めての経験だった、私から見ても面白い人だと思いました」
祐介はしてやったりという顔をしている。「あの会長から傘下に入ってくれと頼んだ姿は忘れられませんね、後にも先にもこれが最後でしょう。後、会長や私や坊っちゃんの名前も好きに使ってもらって結構です、これも異例の事ですが坊っちゃんもいいですね?」
「もちろんです」
「会長が一つ言い忘れたと言った事を美雪さんもいらっしゃるので伝えます。神崎さんが傘下に入った以上こちらのトライアングルも自動的に傘下に入ったと思って下さい、お二人が婚約しているので当然の結果です。異論はありますか?」
「俺は構いませんがここも自由にやらせて貰えるなら」
美雪は泣いていた。
「おい、嫌だったら断ってもいいんだぞ」
「違うわ嬉しくて泣いているの、これが普通の人の反応なのよ、あなたが異端なだけよ、どれほど名誉な事かわかったでしょ?」
「ああ、普段涙を見せないお前が泣くほど喜ぶって事で、ちょっとはわかったよ」
「水谷グループとしては異例ですがこちらのレストランも自由に経営してもらって結構です、さて堅い話は止めて、食後のコーヒーを頂きましょうか?
「すぐにお持ちします」
「ところで山口さん、俺も親父さんを会長と呼んだ方がいいのかな?
「今まで通り親父さんで構わないでしょう、会長もあなたに親父さんと呼ばれるのを気に入ってましたよ」
コーヒーが運ばれてくる。
「ここはコーヒーも美味しくて落ち着きますね」
「僕もここのコーヒーだけはブラックで飲めるんですよ」
「ああ、そうだ大事な事を忘れるところでした、お二人にこれを」
と言ってカバンを開けて封筒を差し出してきた。
書類かと思ったが出てきたのは六法星の形のバッジが二つ、金色で表には水谷グループと彫ってある、裏には名前が刻まれていた。美雪の分を渡してやる。
美雪はバッジをエプロンに付け胸を張り奥に入っていったが声が聴こえる
「みんな見てちょうだい」
「えっ、嘘、水谷グループのバッジじゃないですか」
「やったー、いつ貰ったんですか」
「今よ」
足音が近づいてくるスタッフのほとんどが集まり美雪が山口を紹介する。
「ありがとうございます」
皆が声を揃えて言う。
「こちらのお二人と会長さんが来られたら、全てサービスをお願いね」
「はい」
「いやいやお恥ずかしい、食べた分の料金はちゃんと払いますよ。皆さん持ち場へ戻って下さい、注目の的にされてしまいます」
皆活気づいていた。
「俺は普段スーツとか来ないんですがどこに付けましょう」
「どこでも構いませんよ、上着なりズボンなり、着用は義務ではないのでポケットの中でもいいかと思います」
「ズボンにさせてもらいますよ、必要な時だけ見せれますしね」
「さて、そろそろ帰らせてもらいましょう」
財布を出して来たのを止める。
「今日はお礼に誘ったんです、気にしないで下さい。
「では、お言葉に甘えるとしましょう。普段はこちらの名刺は渡さないのですが、渡しておきましょう、ごちそうさま」
美雪が入り口まで見送る。名刺には大きく山口久と書いてあり直通電話番号と携帯番号まで載っていた。
祐介が覗き込み、
「この名刺を渡してるところ初めて見ましたよ、山口さんにまで気に入られましたね」
「そんなに貴重な物なのか?」
「父の名刺とこのバッジと同じくらい貴重ですね、落としたら駄目ですよ」
「ああ、携帯に打ち込んだら家に保管しておく事にするよ」
美雪も貰ったらしく大事そうにカードケースに入れていた。こっちにやってくると、
「祐介君のお陰だわ、ありがとう」
「いや、俺だけの意見でここまではなりませんよ、神崎さんの人柄でしょう。でないと父も山口さんもあそこまでしませんよ。
「私は男を見る目は持っているつもりだったけど、これで証明されたわね。帰る準備をするわ」
「俺達も帰ろうか」
「そうしましょう、楽しい食事会でした」
朝目覚めると、鼻歌交じりの美雪の声がする。覗くと料理を作っていた。
「おはよう、何かいい事でもあったのか?」
「昨日あったじゃない、バッジと名刺よ」
「ああ、そうだったな」
「あなたは通常運転ね、私は幸之助さんの特別な名刺は数年前に頂いたけど、何年もかかってようやく山口さんの特別な名刺とバッジを頂いたわ。あなたはそれら全部をたった数日で手に入れたのよ、もっと喜ぶべきよ」
「俺は成り行きで手に入れただけさ」
「成り行きであの二人の特別な方の名刺なんて手に入らないわ、それと貴重なあのバッジもよ」
「実感が湧かないんだ」
「例えるならこの街の総理大臣と副総理大臣の携帯番号と天下御免のお墨付きの証明書を渡されたって言えば少しは実感あるかしら」
「それは大袈裟すぎないか?」
「いいえ、それくらい価値のあるものなの、そのうちわかってくるわ、しかも名前まで自由に使っていいだなんて実質あなたはこの街のナンバーフォーってくらいまで登り付いたのよ」
「やっぱりよくわからないな」
「まあいいわ、全部あなたのお陰」
と言って抱き付いてくる。
「朝から抱きつくなんて珍しいな」
「また更に惚れ直したんですもの」
「バッジに目がくらんで惚れたんなら止めてくれ」
「そんなチンケな理由じゃないわ」
「ならいいが、権力や金にうるさい女は嫌いだぞ」
「私がそんな女に見える?」
「いや、そんな女じゃないから俺も好きになったんだ」
「嬉しい、私も好きよ」
「料理が焦げるぞ」
「じゃあ、一緒に食べましょ
二人で朝食を食べる、食べながら話す。
「親父さんにはあのバッジは、ある程度ヤクザにも効果があるとは聞いたが、警察に対してはどうなんだ?」
「効果抜群よ、警察どころか地方議員にまで影響力があるわ、特にあなたみたいなお仕事だと余計ね」
「そうか、少し実感が湧いてきた、仕事がやりやすくなるな」
「その通りよ、気付くのが遅いわ」
コーヒーを飲みながら昨日買っておいた週刊誌に目を通す、新井組のとこだけ読む、この前俺が武器庫と覚せい剤を暴いた事で、早くも新井組が衰退していっている、ピンチとチャンスが頭をよぎる。立て直すために祐介が更に危なくなる予感と、新井組を潰すのなら今だという確信。両方同時に片付けたいが体は一つしかない、祐介の様子を聞いてから動くしかない。
「あなた、怖い顔付きになってるわよ」
「済まない、考え事に夢中になっていた」
「いよいよ新井組を潰すの?」
「それと祐介のピンチが同時にやってきた」
「話せるなら話して、私ももう部外者じゃないのよ」
週刊誌を見せながら考えていた事を話す。
「祐介君の隠れ家はまだ見つかっていないんでしょ? だったら新井組を潰した方がいいんじゃないの? 残された義母一人じゃ何も出来なくなるわ」
「確かにその方が確実なんだが、何か引っ掛けるんだ」
「探偵の勘って奴ね」
「このまま押し進めていいのか、祐介を別の安全地帯に匿ってからの方がいいのか。それとも義母を拐って来て無理やり止めさせるべきか、物事には順序が必要だ。今動くかまだ待った方がいいのかも選択肢に入っている」
「難しいわね」
「とりあえず事務所に行って考える、時間は残り少ないが待つと言う選択肢もあるしな」
「わかったわ」
事務所の地下に車を止める。この事務所に移ってからの初仕事だ、成功させなくては。
エレベーターで上がり事務所へ入る。
ファクスがかなりの数入っている。ほとんどどれも企業からだった、水谷グループへ入ったせいだろう。丸めて捨てる事はせず、
一軒ずつ断りの電話を入れる、
「神崎探偵事務所です」
「水谷グループの瀬川です、新しく水谷グループに入られた探偵の神崎さんですね?」
「ああ、無理やり入れられましたがね」
「無理やりとは羨ましい、余程優秀な探偵さんなのでしょうね、依頼なんですが」
幸之助の名前を試してみるチャンスだ。
「それなんですが、先約がありまして」
「じゃあ、こちらは倍払いましょう」
「こちらは幸之助氏直々の依頼でしてね」
急に態度が変わる。
「それは失礼しました、また今度お願いしますよ」
電話を切った効果絶大だった。
他のところもこの方法で断りの連絡を入れる。どこも幸之助の名前を出した途端に態度が変わる、一般企業には更に影響が大きい。
電話を終えると、個人からのは順に捨てていく。真知子からのも一通。
「指が更に二本切り落とされた、もう全て諦めます助けて下さい」
ようやく真知子は諦める決心をしたようだが、判断が遅すぎるし、罠かもしれない。
真知子の携帯に非通知で掛けてみる。
「はい、どちらさまですか?」
声が震えている。
「神崎だが、今ファックス見たよ」
「遅いわよ、もう指を三本も落とされたわ、こんな事になるなら最初から大人しくしておけば良かった、助けてちょうだい」
「ずいぶんと都合のいい話しですね、祐介を探せだの殺せだの言っていたのは誰です? それに幸之助氏を裏切った」
「あの時はお金に目がくらんだのよ、今は反省しているわ」
「今更ですね、離婚届に判を押すと言うのであれば考えましょう」
「離婚はいやよ、一文無しになるじゃない」
「じゃあ、手切れ金をあなたが生活出来る程度にいくらか出させましょうか?」
「私は幸之助の妻よ、あの人が死んだら財産を半分受け継ぐ権利があるわ」
「残念だが幸之助氏は死なない、奇跡的にガンが小さくなって余命宣告も取り消された、退院も出来る。とことん強欲ですね。俺はそんな女が大嫌いなんだ」
「余命三年じゃないの? 助かるの? 私の誤算だったわ。もうなんでもいいから助けてちょうだい」
「俺は今から仕事でね、結果的にあなたを助ける事になるかもしれないが、あてにしないでくれ」
電話を切る、すぐに事務所の電話がなる。真知子の携帯だ、留守電と録音機能の付いた電話を買ってよかった、電話番号まで表示されている。留守電に切り替わった。
「私よ真知子よとにかく助けてちょうだい」
それで電話は切れた。
幸之助の携帯に電話をする。電話に出た幸之助は俺の知っている声色じゃなかった、かなり警戒している。
「誰だ何故この番号を知っている」
威厳のある喋り方だ。
「俺ですよ神崎です」
幸之助はため息を付き、普段の温和な喋り方に戻った。
「神崎君か、そう言えば特別な方の名刺を渡していたな、どうかしたのかね?」
「今まで言っていませんでしたが、俺は真知子さんの所在を知っています、今電話もしました。
「真知子の所在を知っていて、何故今頃話す気になったんじゃ?」
「事件が動きそうになったというか俺が引っかき回そうと思いましてね」
「その様子じゃ、真知子を無理やり連れ出して判を押させるのは難しいみたいじゃのう」
「察しが良くて助かります。一つ確認しておきたい」
「何でも言ってくれたまえ」
「真知子さんが殺されても、水谷グループ的に構わないですかね?」
「構わん、祐介を殺そうとした罰だ、だが前にも言ったが、神崎君あんたは人殺しはするんじゃないぞ」
「俺が殺すわけじゃありません、新井組に殺されるかもしれないと言う事です」
「新井組が一枚かんでいるのは知っておったのか?」
「ええ、かなり早い段階で、寒川組の時からです」
「流石に優秀じゃのう、うちの興信所でも探しきれんかった事を始めから知っていたなんて、暴力だけじゃなく情報も早いし頭の回転も早い。祐介の見込んだ男なだけはあるようじゃな。話を戻そう、どんな形でもいいやり方は任せる、真知子と新井組を引き離してくれ、なんなら寒川組を潰した時の様に派手にやってくれても構わん」
「真知子に手切れ金は出せますか?」
「君がそう提案するなら出そうじゃないか」
「わかりました、とりあえず話は以上です」
「頼んだぞ」
電話切り、祐介に掛ける。
「神崎さん、どうかしました?」
「お前の隠れ家は本当に安全なのか?」
「安全です、オートロックですし、管理も警備も水谷グループの者がしています」
「わかった、俺はこれから事件をかき回す、隠れていてくれ」
「わかりました、父と話しましたね?」
「察しのいい親子で助かる、その通りだ」
「神崎さんが何をしでかすかニュースを見ておきますよ」
「ああ、切るぞ」
電話を切りタバコに火を付けた。この事務所で吸う初めてのタバコだ。
コーヒーメーカーからコーヒーを入れる、動くのは昼からでいいだろう。
新井と山崎の家を確認して頭に入れる。武器は持たない、必要なら現地調達する。
少し早いが、トライアングルに行き、軽くスパゲティを食べる。
「決めたようね」
「そうだ、動く事に決めた」
「そう、バッジを忘れないで」
ズボンに付けたバッジを見せる。
「それでいいわ」
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