第5話 願望

…………あっ、、

あの夜ベットの上で比良が僕に暴行を加えた。僕の頬や体、足などを思いっきり殴った。だが、僕が気絶寸前の手前で彼は僕よりも先に気絶した。

僕は自分の部屋に甲を寝かせて、事務所で寝た。眠たかったのか、僕の視界は暗い底に落ちていった。


「おい、竜、起きろ。飯だ。」

母は僕がこの世に精を受けた後、他界した。

そして、父に育てられたがその父は最低な鬼のような屈強な男だった。仕事は自衛隊で訓練生の教官だった。だがそれは表向きの顔、本当は女癖が悪く、いつも違う女が家に泊まっていた。

だが父は一切酒を飲まなかった。ほとんどの親は酒を飲んで暴れるのが普通の理性だと思う。でも父はそんな理性などない。僕を見るたびに殴る蹴るなどの暴行を加え、挙げ句の果てに僕を支配した。

「竜、お前なんでこんなに帰ってくるのが遅いんだ。」

高校生になれば門限なんて関係ないというのが一般的だ。なのに、なんなんだよ。

「お前まさか⁉︎男に色気なんか使いやがって、殺してやる。」

そういうと父は僕の方に向かって来て、僕を床に叩きつけた。

「やめて…」


「竜!大丈夫か?」

凛さんだった。…あっ!夢か!

「大丈夫です。」

僕は表面上の付き合いには自信がある。

「本当に?なんかすごい汗だよ。なんかあったら、言ってね!」

凛さんの甘い言葉に、一瞬身を寄せた。

しかし、甲?比良が言ってたことが凄く気になってしまう。多分そのせいであんな夢を…

「どうしたの?凛さん?竜?」

昨晩の時のことなんて、まるで忘れているようであった。甲なのか?それとも比良?

もうなんだっていい。

ここに入れるのであれば。でも限界はあるかもしれない。でもこのままずっと、、。




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