第5話 僕は自身の夢の為に注文住宅を購入すると決めた!(3)
だって銀行の人達は、僕が住宅ローンの相談に行く度にこんな会話になる。
「大島様本当に大丈夫?」
「はい」
「でも大島様、失敗をしたらどうするのですか?」
「いやいや、大丈夫ですよ。必ず成功しますから」
「う~ん、本当ですか大島様?」
「は、はい、必ず大丈夫です。は、はい。頑張りますから……」とね。
まあ、こんな様子で 銀行の担当の人が、僕が相談に行く度に強く問いかけてくる。
だから僕が先程説明をした通りで。
山本さんには出来るだけ立地条件の良い場所を探索してもらった。
近くに商店街、学校、総合病院、駅にバス停にと。
山本さんは広島市内のありとあらゆる場所を探してくれた。
〈プルプル〉
「(……ん? あれ、山本さんから電話だ。一体どうしたのだろう?)」
僕は脳裏で思いつつ、『早く電話に出ろ!』、『早く電話に出るのだ!』と急かすように鳴り続けるスマートフォンを手に取り、耳に当てると。
「(大島様、少し良いですか?)」
山本さんがスマートフォンの向こう側から僕へと興奮気味に尋ねてきた。
「(はい、今は大丈夫ですが。山本さんどうかされたのですか?)」
スマートフォンに向こう側で興奮している口調の山本さんへと僕は尋ねる。
もしかして山本さんは銀行から僕の件……。
住宅ローンの査定の方が駄目だった。
キャンセルされたから。
今回の注文住宅の購入の件は、少々難しいと。
僕に電話で告げにきたのだろうと。
僕は自身の顔色を変えながらスマートフォンを耳に当てた。
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