第3話 僕は自身の夢の為に注文住宅を購入すると決めた!(1)
「大島さま、建て売りでは、そんな物件はありません」
「えっ! 嘘?」
「嘘ではありません……」
僕はあの時、あの日……。
僕は元々家を購入する気はなく、賃貸物件で店舗付き住宅はないですか? と不動産会社へと相談をしに行った。
でも今は、そんな物件は無いのと……。そのような特殊な賃貸物件は滅多と出ないのだとも教えて貰うから。
う~ん、じゃ、どうするかな? と僕は思案……。
まあ、このアラサーと世間様から呼ばれる齢迄浮いた話もなく、独身貴族を続けてきた僕だから貯蓄の方も少しはあるから。
「……じゃ、中古住宅で下が店舗……。二階が居住スペースになっているような物件はありませんか?」
僕は不動産会社の営業の方……。山本さんへと尋ねた。
するとこの通りだ!
僕は自分の担当になる不動産会社の山本さんから。僕の幼い頃からの夢が砕け散るような事を告げられてしまったのだ。
だから僕は直ぐに唖然、呆然……。
その後は自身の肩を落とし『ガク~ン!』と下を向き、落ち込んだ。
でも山本さんが直ぐに微笑んだ声音で「大島様注文住宅を建てませんか?」と尋ねてきた。
「……えっ! 注文住宅?」
僕は山本さんの提案を聞き驚愕してしまう。
だって中古住宅や建売住宅とは違い、注文住宅は何かと高額な見積もりになってしまうのだと。
僕は以前勤めていた会社の課長や部長から飲み会の席で嘆きや愚痴を聞かされていたのだ。
自分や奥様が考えていた見積よりも高額になり高くついたと部長が嘆けば、課長の方は高くつから俺は建売住宅を購入したのだと、僕は飲み会の席で上司達の嘆きや愚痴……自慢話? を聞かされていたから。
山本さんの【注文住宅】と言った言葉に自身の顔色を変えてしまった。あの日にね。
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