第2話 序章は溜息しかでない僕……(2)

 ならばお店の方を辞めてしまえば良いのでは? と、皆思うかも知れない。


 だから僕自身も「う~ん」と頷きながらその通りだと思うぐらいだ。


 でもね、実は、このお店……。


 広島お好み焼き屋【さつき】を経営するのは。


 僕の幼少の頃からの夢でね。


 もしも仮に経営の方がうまく軌道に乗れば。


 僕は大変に綺麗な奥さんを嫁にもらい。イチャイチャ、ラブラブしながらお店の経営を二人で切り盛りしていくといった邪な? 夢がある。


 それも二人で、二人三脚──。


 ラブラブしながら『貴方~』、『お前~』と呼び合い。


 寄り添い。


 仲慎ましく。


 イチャ、ラブするのが夢──。


 まあ、そんな大きな夢がある、訳ありの僕だから結婚準備の為にと。


 僕はわざわざ、三十五年間と言う大変に長い住宅ローンを銀行で組む事に決めたのだ。


 いつでも僕の許、腕の中に美しいお嫁さんが来てくれても良いようにとね。


 わざわざ下の部屋が店舗に出来る奴を不動産会社に探してくれと頼んだ。


 だから担当の営業の男性に。


「大島さま、建て売りでは、そんな物件はありません」


 僕はあっさりと自身の夢が壊れる事を告げられてしまった記憶がある。



 ◇◇◇


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