第2話 序章は溜息しかでない僕……(2)
ならばお店の方を辞めてしまえば良いのでは? と、皆思うかも知れない。
だから僕自身も「う~ん」と頷きながらその通りだと思うぐらいだ。
でもね、実は、このお店……。
広島お好み焼き屋【さつき】を経営するのは。
僕の幼少の頃からの夢でね。
もしも仮に経営の方がうまく軌道に乗れば。
僕は大変に綺麗な奥さんを嫁にもらい。イチャイチャ、ラブラブしながらお店の経営を二人で切り盛りしていくといった邪な? 夢がある。
それも二人で、二人三脚──。
ラブラブしながら『貴方~』、『お前~』と呼び合い。
寄り添い。
仲慎ましく。
イチャ、ラブするのが夢──。
まあ、そんな大きな夢がある、訳ありの僕だから結婚準備の為にと。
僕はわざわざ、三十五年間と言う大変に長い住宅ローンを銀行で組む事に決めたのだ。
いつでも僕の許、腕の中に美しいお嫁さんが来てくれても良いようにとね。
わざわざ下の部屋が店舗に出来る奴を不動産会社に探してくれと頼んだ。
だから担当の営業の男性に。
「大島さま、建て売りでは、そんな物件はありません」
僕はあっさりと自身の夢が壊れる事を告げられてしまった記憶がある。
◇◇◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます