第3話目立ち過ぎて困る宝石

俺と舅は練習を始め


「手加減しねぇぞ!」


「はいはい勝手にどうぞ!」


「そのお前の高飛車な態度胸くそ悪りぃんだよ!」


怒気を込めた声でバレーボールをレシーブで投げてきた。

俺はなるべく体力を使いたくないので、素早くボールを避けた。


「優雅なんで避けるんだよ!」


「だってそんな暑苦しいボール真っ正面から取ったら火傷しちまぅだろ」


「や、火傷しねぇわ!」


「なら俺が投げる」


「望むところだかかってこい!」


俺は舅に向かってレシーブを投げた。

すると舅はビックリした顔でボールを避けた。


「お前強過ぎだろ!」


「えーそんなのも取れないのぉ~?」


「今はちょっと余所見してただけだよ!」


「言い訳は良いからさ体力バカ」


「言い訳じゃねぇし!バカ言うな!」


すると笛が鳴り響いた。


「集合だ!」

「そこら辺に適当に座れ」


「はい!」


「これから簡単な試合をする」

「ルールはいつも通りだ試合時間は五分」

「早く整列しろ!試合始めるぞ!」

「おい!長谷川歩いてないでささっと来い!団体行動は常に人を待たせたりしたらダメだろ!お前はいつもいつも人間としての自覚はないのか本当に!」


またサウナの説教が始まった~

お前の方が人を待たせてるだろお前こそ生物としての自覚はないのかなぁ~


「試合始めるぞ!」

「礼!」


「よろしくお願いします!」


体育はいつも2クラス合同で授業をしている。

俺は2組なので1組と合同でやっている。

チーム分けは1組と2組で別れる単純かつ楽な分け方だ。

1組はメンバーからすると体育会系のバカが多い。

だから体育祭などで良く活躍している。

まぁそれは別に関係ない。

俺が目立っていれば良いだけの話だ。

適当に動いとけば隣で活動している女共にでも注目が浴びるだろ。


「キャー見て!優雅君が試合してるよ!」

「本当だ!」

「身長小さいのに頑張ってる所とか本当に可愛いよね」

「いやでも見て今のレシーブ凄くカッコいい!」

「もう本当カッコ可愛い❤︎」

「見るだけで癒されるよね!」


は?この俺様が可愛い?

身長小さいって言うな!

結構傷つくんだぞ…

でもまぁカッコ可愛いも悪くないなぁ

やはり俺は凄いなぁ~

別にそこまで活躍しなくても、俺の存在が目立つんだよなぁ~

でもやっぱりチヤホヤされるのは気持ちがいいなぁ

目立ち過ぎて困るなぁ~


「ピッピー!」


また笛が鳴り響いた

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