第2話錆びた鎖と偽善者

授業が始まると、身長が高いというだけが取り柄の教師、川崎 次郎が入ってきた

29歳既婚者だ。

顔面偏差値は47ぐらいだと思う。

昭和の学園ドラマによく居る熱血教師で、サウナみたいに暑苦しい面倒な奴だ


「今日もバレーボールをするぞ!」


どうでも良い準備体操をした後サウナ男は大きくそう叫んだ。


「まずレシーブとトスをペアーで練習してくれ!」

「どんなことでも基本が大切だ!しっかりと取り組むように」


何かあったらアイツはいつもそう言う。

暑苦しい話が終わり笛の合図で10分間の練習が始まった。

俺には基本練習なんぞいらない、したことで何になる?たかが体育の授業だ。

そんなことを考えていると背後から聞き覚えのある声がした。

「優雅やろうぜ!」

苗木 舅が抱きついてきた。


「な、なんだよキモいんですけど」

「警察呼ぶぞ」


「それだけはやめろよ」


「はいはい」


小学生からの付き合いで唯一俺の裏の顔を知ってる。

顔面偏差値は63ぐらいで良い顔の持ち主だ。

俺より良い顔ではないが、今彼女が4人程度だと思う。

俺は少ない方だと思うが、世間からするとかなりの誑しだろう。


「優雅ささっと始めるぞ!」


「ちょっとは落ち着け体力バカ」


「誰が体力バカだよ!俺は体を動かすのが好きなんだ」

「体を動かして汗を掻くのは最高だぞ!」


「はぁ~?何が気持ち良いんだよ気持ち悪いなぁ」


「き、気持ち悪い!?青春の汗をバカにするな!」


「何が青春の汗だ 」

「汗に青春なんぞない」

「青春が終わると汗はどうなるんだよ朱夏の汗か?」


「お前は本当に面白くないな」


「現実を見ているだけだ」


「おい!そこの2人しっかり練習しろ!」


「ごめんなさい先生…」

「舅くんが練習したくないって言うから説得してたんですけど、僕の説得力がなくて本当にごめんなさい」


「おい!苗木あんまり夢糸兎困らすんじゃないちゃんと練習しろ!」


「は、はい」


「なんで俺が怒られないといけないんだよ!」


「俺の株価落ちるから犠牲にしただけだ」


「だけじゃないだろ!」

「俺の株価はどっちでも良いのか?」


「そそれがどうした?」

「練習始めるぞ」


「俺のセリフだよ!」


「はいはい



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る