第4話飼い主に似た猿
「4ー1で1組の勝ちだ!」
「やはり我がクラスは強いなぁ!」
そりゃ飼い主は主人に似るって言いますもんね~
お前と同じで体を動かすしか出来ない暑苦しい奴等ばかりだからだ
「それに比べて2組はなんだ!」
「お前らには最後まで諦めないで頑張るという熱い気持ちはないのか!」
「先生はお前らにがっかりだ。」
「反省しているんだったらグラウンドに出てコート10周ぐらいして来い!」
反省も何もほぼ強制だろうが
暑苦しい理不尽な説教の後には愛のムチですか?
そんな馬鹿げた話どこの昭和のドラマだっていうんだよ!
体を動かすだけのバカはやっぱり考えることが違うよなぁ~
こういう時は仮病でもつかうしかないな
優等生(仮)だからまぁバレねぇだろ
「あの先生…」
「どうした夢糸兎?」
「ずっと我慢してたんですけどお腹が痛くて保健室行ってきても良いですか?」
「大丈夫か?行って来い!」
「だれか夢糸兎の付き添いで行ってくれる人はいないか?」
「大丈夫です1人で行けますので」
「皆さんに迷惑かけてしまうので…」
「あぁそうか夢糸兎は優しくて仲間思いのよ奴だな!」
「気をつけていくんだぞ!」
「はい」
俺は体育館を出ると少し駆け足で保健室まで言った。
やったー!
あいつもまんまと俺の嘘を信じやがったぞ!
やっぱり優等生していると得なことあるな~
誰もいない静かな廊下を通るのは新鮮だった。
「先生!お腹が痛いんですけど」
「先生~?」
「誰もいねぇのかよ」
まぁそれも好都合だ1人楽しくベッドで寛いどくか
小さく呟いた後横のベッドから物音がした
「誰だよ!」
「す、すいません」
あ、ヤバイ本性が出ちまった
この女誰だよ
見たことないな
「体調悪いの大丈夫?」
「大丈夫ですのでお気になさらず」
「もしかして今の…」
「私は何も聞いてませんので」
「失礼します」
「ちょっと待て!」
「正直に言えよ」
「は、はい!すいません聞いておりました」
なんだよこの女コミ症なのか?
気持ち悪りぃなぁ
「今のこと誰かに言ったら殺すゾ」
「大丈夫です。私は話す人など居ないので」
「そ、そうか…」
友達も居ねえのかよそりゃこんな女と友達なんぞなりたくねぇよなぁ
「今は体育の授業じゃないのでは?」
「面倒いから抜けてきたんだよ」
「そうなんですね」
こいつ聞いといてなんだよ素っ気ない態度だな
俺を見てこんなに素っ気ない態度とる女は初めてだ。
「お邪魔してすいません」
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