ワールド・クラッシュ

「クラッシュの理由は?」

主任はタブレットに表示されたログに目を落としながら、横に立つ部下に話しかける。

「調査の結果、情報機構機能不全だとわかりました」

世界の情報を管理する機構のログをみると、アラートなどは一切ない。

「こっちの情報機構は正常に稼働していたはずだが」

「世界内部の情報機構が機能不全を起こしたんです。それが世界全体に悪影響を及ぼしてしまった」

「それでクラッシュするのか……」

分離しているはずの機構が干渉してトラブルが起きたのだ。

それも世界が終わるという重大な。

「先が思いやられますな」

部下は眼鏡を押し上げながらぼやいた。

全くだ、と主任は宙を仰いだ。

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