蜃気楼2 しかし幸せは長く続かないものなのです、勤めていたのは不動産会社で、 私の部署はリゾート開発が主な仕事でした、彼は宮崎県のリゾート開発の為、


蜃気楼2


しかし幸せは長く続かないものなのです、勤めていたのは不動産会社で、


私の部署はリゾート開発が主な仕事でした、彼は宮崎県のリゾート開発の為、


宮崎支社に転勤になったのです、大阪・名古屋ならともかく九州のはてなのです、


そう簡単には逢えなくなります、彼はそんなに悲しい顔しないで、飛行機で1時間半の距離だから、


大丈夫だよといつて、笑って赴任して行きました、しばらくして私は逢いに行く事にしたのです、


宮崎空港に着くと、真っ黒に日焼けした彼が出迎えてくれました、


そして次の日彼は開発している、リゾート地に案内してくれたのです、


そこは南郷といい、小さな島がたくさん点在しており、海の色はブルーで太平洋を一望でき、


景観の素晴らしい場所でした、彼はゆびを指して、あそこにホテル、あそこには水族館、


あそこにはテニスコート、と嬉しそうに説明しています


私は景色などどうでもいいのです、彼と少しでも長い時間一緒にいられたら、


夕方になり魚の美味しい店があると言い、ある小料理屋へ案内してくれました、


店に入ると和服を来た美人の女性が、したしそうに挨拶するではありませんか


私は彼にずいぶんしたしそうだけど、どんな関係なのと問いただすと、ただの店のママと客だよと取りあってくれません


気になりましたが、はながいるのに浮気なんかしてないよと言ったので


ちょっと安心してごめんなさい、と謝ると嫉妬されるなんて、チョイうれしいよと笑っていました。


しかし次の日、朝早く携帯がなり、彼はその電話で何か話していましたが、


電話が終わると、ごめん、トラブルで今日、はなに付き合えなくなった、夕方には戻るので


どこか観光でもしててと言うと出かけていったのです、しかし夕方になっても戻ってこないのです。


心配で一睡もできず待ち続けましたが、朝まで帰ってきません、会社に電話すると、1週間休暇になっいて出社してないと


もしかして昨日の小料理屋のママが、何か知っているのではないかと思い、店に行く事にしたのです。


店のノレンをくぐると、まだ時間が早いのにお客で満員でした、


いらっしゃいませ、お待ち合わせですかと聞かれたので、


いえ、ママに用があって来たのですがと言うと、少々お待ちください、


といって店員は奥に入っていきました、


しばらくして昨日のママが、あらゆきひろさんは一緒ではないのと、不思議そうな顔をしています。


今朝出かけたままで連絡もないので、ヒョットしてママが知っているのではないかと、思い来た事をはなすと、


店にもきていないし、連絡も受けてないと戸惑った顔をしました。


彼の事で聞きたい事があると言うと、こちらのほうえどうぞと奥座敷に案内し、用事を済ませてくるので暫く待ってくださいと言いい、


店員に飲み物と料理を、もって来るように言いつけ、店のほうへ


暫くしておまちどうさまと、部屋に入ってきて、はなの前に座りビールを一杯飲むと、何を聞きたいのかしらとニコッと笑いました。


はなは何かトラブルに巻き込まれている話を、聞いた事ないかと聞くと、少し考えていましたが、あの事に関係があるのかしらとつぶやき


実は、ゆきひろさんの酔っ払った姿は、あんまり見た事はないんだけれど、一か月ばかり前に、相当よっぱらって店にきた事があるの、


どうしたのと聞くと、今やっている開発のゆきひろさんの担当区域で古い勾玉出てきたのだが、


上司はへたに届けると文化財を発掘する為に、工事を中断しなければならないので、届けないようゆきひろにしじしたのだそうです、


彼は役所に届けたのだそうだ、役所の担当は逆に困った顔をしてシブシブうけとった、次の日上司によばれ、


余計な事をするなとおこられ、勾玉を処分するように言われ手渡された、正義感の強い彼は役所とつるんでいる上司に、


腹がたち、同僚とやけ酒を飲んで酔っ払ったのだと言う、


そして彼はママにその勾玉を渡した、どこかで見た覚えがあるので、考えを巡らせていると、自分の家の土蔵の中の桐箱に入っていた事思い出し、


私の家に色は違うけど、同じような物があると言うと、ママの実家はどこなのときくので、椎葉村ですよと答えて、


見せて欲しいと言うので休みの日に、彼を連れていったのです


さっそく土蔵にはいり桐の箱を空けると、そこにはみどり色の勾玉が神秘的な色を発しています。


彼は周りを見渡し、左側の柱に一本の楔を見つけ、普通、楔はたがのゆるみを防ぐ為に使うのだが、柱の真ん中にあるのはなぜだと不思議がり、


周りのかべを叩いていたが、どうもこの奥に空間が有るらしいと言った、


彼が楔を手で思い切り引っ張ると、スポット抜けひもが結んでありつよく引くと、前の壁が90度回転しました、懐中電灯を手にして中え、


どこかえの抜け穴らしく暫く進むと、左右え通路が別れている場所にでたのです、右の方から水の流れる音がするので、


そちらの方え進むと光が見えてきて、光の向こうには上から水が落ちています。


どうやらここはママの家から、東に1km行った滝の裏側らしい、家にもどりママは奥座敷に案内しました、


大きな屋敷で見たところ、100年以上は経っている感じだね、随分立派な屋敷だけど、ママの先祖はどんな人なのと尋ねるので、


伝えられている話をしたのだそうです。


それによると、平安時代に源氏と平家が、しこく、の屋島で戦った時のことである、平家がたの美しい姫が、ふねのへさきに扇を立て源氏がたに、


この扇を打ち落としてみよとせまりました。


源氏の大将、源の義経はしもつけの国(現在の那須地方)の武士、那須与一にこれをいおとすよう命じます


与一は馬にまたがり、なにまに馬をいれ、ゆれる小船の先に立てられた扇に、狙いをつけ弓をはなち見事扇を射抜きます、


これにより源氏方はおおいに紀勢があがり、源氏がたに有利となり、平家がたは総崩れとなったのです、


ここで敗れた平家は、最後に雌雄をかけ山口の壇ノ浦で戦います、この時一艘のふねに安徳天皇が乗っており、


このふねには三種の神器、やたのかがみ、やさかにのまがたま、あめのむらくものつるぎも積まれていたのだが、


平家がたは壊滅し、安徳天皇は入水し三種の神器も海に沈んだとされています。


生き残った平家が、しこく、九州の山奥深くのがれていったとされているが、ここ宮崎県の椎葉村もその一つである。


やがて椎葉村に隠れ住んでる平家の事が、鎌倉の源よりともの耳にはいり、討伐の大将に那須与一が選ばれますが、病気の為、


息子の那須の大八郎が椎葉え討伐に向かいます


草深き山奥に分けはいりやがて椎葉村にはいります、着いてみると反乱の気配はなく、静かに暮らしている、


平家の落人をみて討伐する事を断念しました


そのなかに先の屋島の戦いで、小船に扇を立てた美しい姫がいたのです、二人はやがて恋に落ちますが、鎌倉からの帰還命令が届き、


平家の落人を鎌倉に連れて行くわけにも行かず、大八郎は鎌倉に帰り、姫は毎日なき暮らしたとつたえられており


民謡のひえつきぶしにも、この内容のふしがあり、現在まで語り続けられているのです。


ママはその子孫であり、代々うけつがれている事を話し、勾玉も代々つたえられた物だという、


先程見つけた抜け道の左側に、後で行くことにしたのだが、そこでとんでもない物を見つけたのです、


これが、彼の身に災いをもたらしたのかも知れないと、ママは話を続けたのです。





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る