陽炎の森77 酒を飲み待っていると、夜中に主膳が配下の武士20名と鉄砲隊20名を引きつれ屋敷を出たと、尚が知らせて来たのでそれではと、店を出て暗闇にひそんでいると、店の前
陽炎の森77
酒を飲み待っていると、夜中に主膳が配下の武士20名と鉄砲隊20名を引きつれ屋敷を出たと、尚が知らせて来たのでそれではと、店を出て暗闇にひそんでいると、店の前まで来たので、
立ちふさがり、まんまとひっかかったな、飯岡主膳、お前が黒幕だととっくにお見通しだ、悪あがきはやめよというと、ここで死んでもらう、者どもかかれと号令したのです、
4人が刀を抜き、片っ端から打ちすえると20人があっと言う間に転がったのです、おのれ鉄砲隊前へというと、鉄砲隊20人が筒先を構えたのです、いくら剣の腕が立とうと鉄砲にはかなう、
まい、全員冥土にいけといい、放てと号令し一斉に引き金を引いたのです、しかし何の音もしません、どうしたのだ、放て、放てとわめいています、
すばやく踏み込み、鉄砲隊を打ち据え、残念だつたなと峰で家老の肩を打ち据えると前にのめりこんだのです、尚から知らせをうけて、先程の城代家老が配下の者をひきつれかけつけ、
たのです、重ね重ねのご無礼申し訳ありませぬと平伏するので、これで本当の掃除が終わりました、そこにいる鉄砲隊の者どもは家老の命令をうけてしかたなく来たのであろう、
これからは筆頭家老の許しなければ武器庫から鉄砲は持ち出せないようになされよ、というと、おうせの通りにいたします、家老が悪巧みに加担したとあれば改易は免れないでしょう、
家老全員の首を差し出し、老中にとりなしを依頼いたしますると平伏するので、いや、その儀にはおよびません、表沙汰になれば必ず改易になります、
内々に始末なされよ、諸国巡察方は大名を取り潰す為に巡察しているのでは御座らぬ、民の暮らしを守る為の掃除で御座る、全て城代家老にお任せいたします、よしなにというと、
ありがたき幸せにございまする、飯岡主膳を始め、今回の騒動の者達には厳罰をもつて当たりまするといったのです、真一朗が罰は当事者のみにされよ、家族及び親族を罰しては、
表沙汰になります、家老、奉行は人を殺めていますので厳罰にされよ、
それにて罪は帳消しとし、二度と不正をせぬように因果を含め、跡取りに跡目を継がせて宜しゅうございますというと、寛大な処置いたみいりまする、殿はただ今江戸詰めでござる、
土井様にはお礼を言上いたしまするというので、あくまで内々にしなされと念を押し、旅籠にはいったのです、
部屋にもどり、夜中までご苦労様でしたと清之進がいい、改めて乾杯したのです、伊織が山根に今後どうするのだと聞くと、先程、城代家老が200石にて本多藩の剣術指南役を引き受ける、
よう申されたのでお受けしますというと、それは良かった、城下の掃除はお頼みもうすと真一朗がいうと、わかり申した、今後町人を泣かせるやからがいれば退治しますといい、
真一朗殿にお願いがあるのですがというので、なんですかと聞くと、今回の吉川先生、清田屋殺しには尚殿は直接かかわっていませんので、許してもらうわけにはまいりませんかという、
ので、山根殿を殺そうとしたではありませんかというと、それは須田屋が仕組んだ事です、私は元の尚殿に戻ってほしいのです、なにとぞ今回は目こぼしをというので、
赦免すればまた悪党とつるむかもしれませんよというと、そうならないようわたしが妻に向かえます、なにとぞおとりなしをというので、元々は吉川先生のあちらが役にたたなくなった、
事からはじまった事だそうです、山根殿ならまだ若いので尚殿のほてりも治せるかもしれませんね、山根殿はしんそこから尚殿にほれているとみえます、
わかりました出立まえに城代家老にいうて、尚殿を赦免し、山根殿との婚礼を承諾してもらいましょう、尚殿を善人にお戻しくだされと了承したのです、かたじけないと山根が頭をさげ、
伊織がよかったなあと声をかけたのです、清之進が男というものは惚れてしまうとどうしょうもないですね、人の恋路を邪魔するやっは~とい詩がありますがその通りですと笑ったのです、
翌日、城代家老の許可をえて奉行所に向かったのです、筆頭与力が出迎え白田圭介にごさいますと挨拶するので、今日は尚殿の吟味にきたのでござる、尚殿の調べはつきましたかと聞くと、
大方は終わっております、清田屋、吉岡先生の殺害には加わっていません、またさそりの源蔵の盗人一味でもありません、単なる源蔵の色でございます、盗人の色と言う訳で罪は問う、
ことは出来ないとおもいます、
ただ、山根殿、殺害未遂については、源蔵の申しつけ通りにやったのかを問いただしましたところ、そのことに関してはたしかに源蔵の言いつけだが、喜んで手を貸したといっている、
のです、何回も源蔵に無理やり手助けするようにいわれ、源蔵の色なので断れなかったのだろうと聞くのですが、違うと言い張っているので、本来なら入牢一月で赦免できるのですが、
加担したとなると厳罰を与えねばなりませんと話したのです、
山根殿、尚殿に会って源蔵に無理やり手伝わされたと申し立てるよう説得してきなされ、後で再吟味いたす、本人があくまでも加担したといいはれば、極刑を言い渡さねばなりません、
よろしいなというと、承知しましたと、尚の入っている牢屋へ向かったのです、
山根が牢の前へ行くと、何しにこられたのですか、全ては申し立てましたというので、私殺害未遂については源蔵に無理やり手伝わされたと申し立てるよういうと、それは出来ません、
山根様の心を踏みにじり、吉岡先生も裏切ったので御座います、この汚れた罰当たりの女をどうぞ極刑にしてくだされませと頼んだのです、
何回か説得するとわかりましたと返事し、それきり返事をしなくなったのです、真一朗の元へ帰ると、どうだったですかと聞くと多分納得してくれたと思いますと自信なさそうに山根が、
話したのです、それでは白州に呼んでくだされと頼み、尚が白州に座ったのです、
それでは最後の吟味をいたす、吉川仁斎が娘、尚に相違ないかと聞くと、相違御座いませんと答え、そなたは清田屋と吉川仁斎、殺害には係わっていないとの申し立てであるが、
それに相違ないかと聞くと、相違ございませんと答えたのです、
最後にここに控えおる、山根新八殺害未遂において源蔵に無理やり手助けするようにいわれ、源蔵の色であったそなたは断れなかったのであろうと聞くと、山根がそうだと言ってくれ、
という願いもむなしく、無理やりでは御座いません、むしろ喜んで手を貸した悪い女です、どうぞ極刑にしてくださいと頭をさげたのです、もう一度聞くが今の申し立てに相違ないか、
と聞くと相違ございませんと言ったのです、
そうか、それでは申し渡す、吉川仁斎が娘、尚は吉岡仁斎、殺害の探索をしていた山根新八に源蔵が気ずかれるのをおそれて、殺害しょうとした事に加担したのは明白である、よつて斬首、
の刑とする、なお刑は即日行われるものとするというと、分かりましたと頭を下げたのです、
それではただ今から尚の刑を執行する、みどもが介錯してつかわす、用意をするのだと、与力にいうとビツクリしています、庭にむしろをしき尚を座らせて覚悟はいいなというと、小さく、
うなずいたのです、山根殿見たくなければ下がっていててもいいぞというと、失礼つかまつりますと部屋をでていったのです、
刀に水を含ませ、それでは行くぞ、え~いと刀をふり下ろすと、刀は尚の頭三寸先を掠めたのです、なおは必死になにかを呟いていましたが、刀の風を切る音が耳元で聞こえ首が落ちたと、
おもい、まえのめりに倒れたのです、周りのものは首が落ちて前のめりになったと思ったのですが、首はついています、
暫くして、後ろからカッをいれると、尚が真一朗様ここは地獄ですかと聞くので、現世だよというと、どうしてと言うので、尚は死んだのだよ、ここにいる尚は生まれ変わりなのだ、
これからはまっとうにいきるのだというと、死ぬのは怖いものですね、この怖さを知ればどんな事にも耐えられますというので、
せっかく生まれ変わったのだから、幸せに生きるのだ、そなたを好いている、新八をチョットは思ってやりなさいというと、最初にお会いした時からお慕い申しておりました、でもその時、
には先生のお手がついていたのです、また再びであった時はこんなに汚れた体になっていたのです、とても山根様をお慕いする資格はありませぬと答えるので、
だから、その尚は死んだのだ、ここにいる尚は生まれ変わりといったではないか、山根殿の妻子になってなんの不都合もない、家中のものは吉川先生の娘とおもっている、また、山根殿は、
今回200石で本多藩の剣術指南役で召抱えられたのだ、城代家老に尚殿と山根殿の婚礼の儀は許しをもらっているよと笑うと、でも山根様は私が処刑されたなかった事を知っているのでしょう、
と聞くので、知るもんか今頃嘆き悲しんでいるよと笑うと、
山根様が可愛そうですと、うらめしそうに真一朗の顔をみるので、なあんだ新八殿に惚れているではないか、さあ早く行って脅かしてやりましょうと旅籠に向かったのです、まず一人で、
部屋に入ると暗い雰囲気です、処刑は済みましたかと山根が聞くのですみましたよ、凄く反省していましたから今頃はお釈迦様が天国に連れて行っていますよといったのです、
皆が手を合わせ尚の冥福を祈ったのです、山根殿が嘆き悲しんでおられると思い奥方候補をお連とれしましたよというと、何を言っているのですか、そんな気になるわけないでしょうと、
山根が怒った顔をするので、こちらにおいでと呼ぶと、娘が尚と申します宜しくお願いしますと三つ指をついたのです、
みんながビックリしています、処刑されたのではというと、ハイ、真一朗様に介錯していただきました、ここにいる尚は生まれ変わりです、山根様こんな私しで宜しいでしょうかというと、
山根が勿論ですよと目に涙を浮かべると、尚がごめんなさい、ごめんなさいと泣きじゃくったのです、
清之進が真一朗殿がむやみに処刑などするはずがない思いましたよというと、伊織が、しかし山根の話で目の前にむしろを引き座らせたと聞いたのでてつきりと思ったのですというと、
だから天下一の策士だから何をするか分からないと、いっているではないのと清之進が話し、私ももう少しで騙されるところでしたと笑ったのです、私は信じていましたよ、旦那様と、
メイが言うと伊織がおお熱い、熱いとちやかしたのです、
さあ山根殿と尚殿は屋敷に帰りなさいというと、二人連れ添って旅籠を出て行ったのです、伊織が出口まで送っていき、山根に今夜から、尚殿のほてりをほぐすのだぞと、小さな声で言うと、
山根が分かっているよ、道中無事でと楽しそうに帰っていったのです、
、
で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます