陽炎の森71 真一朗と伊織が輪水寺までくると、暗闇から小頭の手のものが現れ、信一郎様賭場の盆の下を調べましたが別段おかしいところは有りませんというので、それならイカサ


陽炎の森71


真一朗と伊織が輪水寺までくると、暗闇から小頭の手のものが現れ、信一郎様賭場の盆の下を調べましたが別段おかしいところは有りませんというので、それならイカサマはサイコロ、

に仕掛けがしてあるのだろう。あい分かったご苦労と言ったのです、


真一朗殿は博打もするのですかというので、敵を知り己をしれば100戦あやうからずですよ、サイコロの中に鉛をいれ一つは奇数、一つは偶数しかでないようにしてあり、このサイコロ、

を二組用意し足の膝の下にいれて取替えながら振るのです、奇数同士なら偶数になり、丁です、奇数と偶数なら奇数になり半です偶数と偶数なら偶数で丁というわけです、同じ数字が、

でるとバレますので二組もっていれ変えるのです、


右足の脛の下は奇数左足の脛の下は偶数のサイコロを隠しもっていれば違う数字が出るので分かりません、私達にはどちらか分かりませんので、サクラを見つければよいのです、私の、

張るとおり張るのですよと話すと、何かおもしろそうですね笑ったのです、


門を潜ると、男がお侍さんどちらへというので、賭場にきたのだといい金を見せると、こちらへどうぞと案内したのです、お互い10両づつ木札に変えすわり、見ると向かいの右にいる奴、

が儲かっているみたいです、坪振りが坪をふりさあ張った、張ったというのでその男が半に少し張ったので同じく半に張り、伊織に目配せすると伊織も半に張り、出来ましたと、坪を、

開けると丁です、


やられたと悔しそうな顔をすると、伊織がどうして負けたのと不思議な顔をしています、次ぎにそいつが半に大きく張ったのでよし勝負だと熱くなった振りをしてそいつの二倍張ると、

伊織も大きく張ったのです、さあ出来ましたと坪を開けると半です、嬉しそうな顔をして札を受け取り、おなじように張っていくと、あっと言う間に100両になり、潮時だ帰るかと伊織、

にいい金に換えるよういうと、


奥からこの盆をあずかっていやす又八というものです、このまま帰えられては面子が立ちやせん、さしの勝負を願いますというので、伊織殿そなたの勝ち分も私が受けて立つがよろしいか、

と言うと、お任せ申すというので、200両だがいいのかと言うと分かりやしたと200両を盆に載せたのです、どちらから張るのだと聞くと、そちらさんからどうぞというので、大金だ坪と、

サイコロを改めていいかというと、


躊躇したが、坪とサイコロを渡したので、調べるふりをして、サイコロを持っていたものとすり替え、問題なさそうだと返したのです、入りやすと坪ふりがいい、勝負というので、

半というと、え~という顔をしたが長といったのです、盆開けると半です、運がなかたなあと400両を掴もうとすると、まちなせえとサイコロを匕首で潰すとそこから鉛がてめえ、

イカサマをしやがったなというので、


袖からこれが私に渡したサイコロだと脇差の峰で割ると鉛がポロリと落ち、お前達こそイカサマ博打で金を巻き上げようとは勘弁ならんというと、一斉に匕首を抜きおどりかかって来た、

ので、伊織と刀を抜き、切ってはいけませんと声をかけ、足、手を払うとあっと言う間に全員転がったのです、先生お願いしますと又八が声をかけると、おうと奥から3人浪人が出てきた、

のです、


真一朗をみておぬしはというと、刀は抜かず我々の勝てる相手ではないと、その場から立ち去ったのです、又八はぽか~んとしています、伊織どの引導を渡してあげなさいというと、伊織、

が上段に刀をかまえると、膝をつき勘弁してくだせえというので、有り金全部だせば許さない事もないというと、奥から250両持ってきてこれが全てですというので、風呂敷にいれ、みよう、

な了見を起こすな今度はけがだけでは済まんぞとにらみつけ博打場を出たのです、


外にでると伊織がこんな追いはぎみたいな事してもいいんですかというので、私達の帰る後をつけて旅籠を突き止め、今夜つるんでいる代官所の役人とごろつきと顕生が押しかけてきますよ、

そこを一網打尽にするのです、なる程見事な策ですねと伊織が感心していたのです、


案の定後をつけていた又八は真一朗達の旅籠を確認すると桔梗屋の宴席へ転がり込み、顕生様、賭場荒しですと、騒がしい、それでいくらやられたのだと聞くと、650両でごぜいやすと下を、

向くと、何650両だと用心棒の先生方は何をしていたのだと聞くと、知っている浪人みたいで、とても叶う相手ではないと逃げ出したのです、それを聞いていた稲垣がよ~し、これから、

代官所にもどり、


人数を引き連れて成敗してやる、強いといってもたかが数人だまかせておけというと、顕生がお願い申すと頼み、稲垣が席を立つたのです、女将が戻ってきて、堵場あらしですて、稲垣様、

があわてて帰られました、席はお開きだから白菊ちやん、あちらの席はいいですよと言ったのです、尚、それでは奴らが代官所をでたら親分に知らせて出馬してもらうのだというと、承知、

しましたと席を立つたのです、


女将が何かうちの人と関係あるのですかと聞くので、私達は公儀巡察方なのだ、この白菊は私の手の者で、悪人退治に仁蔵の親分に手伝ってもらうのだよというと、女将が平伏し知らない、

事とはいえ大変失礼しましたというので、気にしなくていいのだよ、さあメイ旅籠にもどるぞと桔梗屋を出て旅籠にもどったのです、


旅籠に戻ると真一朗達はもどっており、伊織がメイの芸者姿をみてなんと色気のある芸者さんかと言うので、これこれ人の妻女に惚れてはいけませんよと笑美姫が笑ったのです、暫くすると

馬のひずめが聞こえ、表で門前町を騒がす不届きもの出て来い成敗してくれるというので、出ていくと、拙者は代官所、役人の稲垣である神妙に縛につけというので、ここは町中で御座る、

林野方は差配違いでござると笑うと、


それものどもかかれと稲垣が号令し、配下の役人が切りかかってきたので、3人で手、足、方を打ち据えるとあっと言う間にころがったのです、稲垣があまりの出来事に逃げようとすると、

伊織が石つぶてくらわすと、馬からもんどうつて落ちたのです、起き上がり刀を抜こうとした時、静まれ稲垣、そちらにおわすのは諸国巡察方、村上真一朗殿一行であるぞと馬を降り、

申し訳御座りませぬと平伏するので、


頭をお上げくだされ、ここに稲垣と顕生が杉戸屋と結託し賂を受け取った証拠がござると渡すと、清水、稲垣を捕縛せよと命令し、仁蔵が縄をかけたのです、清水これから杉戸屋、輪水寺、

に向かい、二人を捕縛せよといったので、承知つかまつりましたと捕り方一行杉戸屋に向かったのです、代官が捕縛した3人は老中に伺い厳罰に処しますといったのです、


ここまで放置したのは手前の責任ですと、座ると脇差を抜き切腹しょうとするので、おやめなされ我々は掃除をしただけでござる、切腹にはおよびませんよ、しかし清水殿といい仁蔵の、

親分といい、いい配下をおもちです、これからは彼らのいうことは逐一吟味なされというと、おうせの通りにいたします、ここに博打場から没収した650両あります、


これを桔梗屋に渡し、困った領民を助ける資金にいたすがいかがで御座ろうというと、依存ありませぬ、桔梗屋の女将は色々人助けをしていると聞いております、近じか褒美をとらせよう、

と思っていたところで御座る、それから輪水寺の博打は見なかった事になされよ、イカサマはいけませぬが楽しみを全て取り上げては息がつまります、


サイコロはお釈迦様がお作りになったのです、お釈迦様がさとりを開き教えを広めようとしましたが町のごろつきや遊び人は一向に改心しません、そこでお釈迦様はお寺で堵場を開く事に、

したのです、うわさは広がり、寺にはごろつき、遊び人があっまり博打を打つようになったのです、そこで無知な者達に遊んで覚えられるようサイコロを考えこれを博打に応用したのです、


二個使いそれを足す博打にすれば算術を覚えられ、またその足したものが奇数か偶数を当てるようにすれば組み合わせを覚える事が出来るのです、数は0~9までしかなく後は桁上げすれば、

いいわけですと話すと、代官がそれでは不貞にやからに学ばさせる為に堵場を作ったというわけですねと感心すると、本当の目的は勝っている者は説法しても聞く耳もちませんが、負けて、

意気消沈すると人の話が聞けるものなのです、


そうやつて楽して金もうけは出来ないと説法してるうちに、少しずつですが善人に改心させたそうです、したがって、博打の上がり金を寺銭、開催元を堂本と言ったのは堂々と本堂でやった、

事から来てるそうでと話し、色町も全て取り締まる事など出来ないのです、しかし博打はご法度ですからおおびらに認める事はできません、みないふりをしながらしっかり監視する必要が、

あるわけですいうと、


わかり申した、住職にも目をつむるよういっておきます、しかし仕切る者はいかがいたせばいいのですかと聞くので、仁蔵の親分に選んで貰って監視役が親分というわけです、というと、

なるほど仁蔵にまかせますと言ったのです、代官は町の掃除かたじけのう御座りますといい、帰っていったのです、


部屋にもどり掃除もできましたので乾杯しましょうと、酒と湯豆腐をたのみ乾杯したのです、笑美姫が先程の話しは本当ですかと聞くので、半分は本当ですが、半分は私の創作ですと答える、

と、でも理屈があっているので真一朗殿の言っている事があってるかもしれませんと感心していたのです、


伊織が真一朗殿の策見事でござる、またメイ殿のように武術の覚えのない方がなぜ必要なのかよくわかりもうした、密談は宴席でするのでメイ殿のような方がもつてこいなのですねというと、

そうですよ、同じ女子でも尚や私では無理なのですというので、いやいや、代官の出馬の時など笑美殿の寸部も違わぬ段取り見事で御座ると褒めると、段々真一朗殿のようにすけこましに、

なってきましたよと皆で笑ったのです、


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