陽炎の森56 ゆうが兵糧庫に火をつけ、ぼやを出した為、城兵が不安がり城の裏から縄をたらし、海側へ降り小船に乗り対岸へ脱出する者が続出したのです、それから毎日小競り、


陽炎の森56


ゆうが兵糧庫に火をつけ、ぼやを出した為、城兵が不安がり城の裏から縄をたらし、海側へ降り小船に乗り対岸へ脱出する者が続出したのです、それから毎日小競り、

合いが続き日をおって逃亡する者が増えたため、島左近は夜に3の丸を迂回し大手門からの信綱の陣へ奇襲を掛け戦意を高揚しようとし、突撃隊1500人を選び、

暗闇の日を選び自分が先頭に立って密かに城を抜け出したのです、


信綱の陣に近づき時の声を上げて突撃し陣幕を倒すとそこには誰もいません、たちまち毛利、立花勢に取り囲まれてしまったのです、あわてて引けと命令しましたが、

城の方角は陣形が厚く突破できそうにないのです、しゃにむに突進すると隙間が出来突破できたのです、しかし突破できたのは100人程度で後は完全に包囲された、

のです、


包囲した立花勢はわざと退路を開くと一目散にそこをめがけて突進しクモの子を散らすように逃げ去り、また逃げ帰った者は、3の丸を包囲していた鍋島勢に気ずかれ、

攻撃を受け城へ帰れたのは島左近を始め数十人だったのです、真一朗が信綱に敵がヤケクソになり夜襲をかける恐れがあるので、昼の陣は夜になると陣幕はそのまま、

にし右へ移動するように言ってあったので、そこには誰もいなかったのです、


島左近を始め各将は全て読まれているのに、息消沈したのです、一隊の将がまだ城方は8000人の軍勢がいる、この際だから絡めてから一斉に突撃しようではないかと、

いったが誰も返事しません、島左近が敵は絡めての両脇に5000の兵を配置しわれわれが出てくるのを待構えている、たちまち壊滅するぞというと、島左近ともあろう、

者が臆病風邪にふかれたか、我が隊だけでも突撃するといきまいていたのです、


ここにいてもどうせ自滅するだけだ明日は打ってでる、業の者はついてこられよとすてセリフを残し持ち場に帰ったのです、翌日同調した兵4000が打ってでると、

たちまち島津、小笠原勢と激戦となったのです、急を聞きつけた細川、立花勢が駆けつけると、城方は追いたてられ包囲されたのです、またもや立花勢が退路を、

開くとクモの子を散らすように逃げ去ったのです、


細川公が立花宗治にどうして敵を討ち取らないのか文句をいうと、逃げたのは雑魚で御座る、城に500人程度逃げ帰り申した、後で始末すればよかろう、信綱殿の、

命令でござるよとやんわりと諌めると、そうで御座った、家臣の死傷者が沢山でたのでつい、カッとなり申した、立花殿は冷静で御座るなあと関心していたのです、


これで残りは3500人程で御座る明日あたり一気に攻め立てれば終わりで御座ろうと細川公が言ったのです、信綱の陣へ行き報告すると各将ともご苦労で御座った、

城を出て戦うとはばかな連中でござる、島左近の統制ももはや取れなくなっいるので御座ろうと信綱が言うと、明日は総攻撃しましょうと細川公がいったのです、


いやこれだけの軍勢が一斉に攻撃にでればひしめきあい、同士討ちになるおそれあるといい、真一朗殿なにかいい方法ないで御座ろうかと聞くので、それでは各藩、

から業の者50人ずつ選べば500人の業の者が集まります、3の丸にはおよそ400人程がこもっていますので、門を大砲で壊し順に討ち入るのです、討ち入る順番は公平、

になるようクジできめますというと、


それはいい方法だ方々依存はなかろうな、こもっているのは幹部連中である、手柄はあげ放題であると信綱が話すと、皆が承知したと答えたのです、さつそくあみだ、

クジを作り10藩に引かせると、一番クジは松倉藩であった、その他順番が決まり、各将は引き上げ陣に帰り業の者を選んだのです、外れたものが悔しがると、

まだ、本丸がある手柄をたてる機会はあるので心配するなと言い含めたのです、


翌日門を大砲で壊し次々と討ち入り、3の丸では激戦が展開されたのです、2時間もすると、伝令が帰ってきて、敵はほとんど討ち取られましたが、当方にも多くの、

死傷者がでていますと報告したのです、討ち入った者が血だらけになり、多くの首をさげて3の丸から出て来たのです、敵は全て討ち取られ、打ち手も200人が死傷、

したのです、


戦果を確かめると、立花勢が一番首級をあげており見事な働きである、他の藩もご苦労でござった、しかしこちらも沢山の犠牲を出し申した、まだ無理攻めをお望み、

かと信綱がいうと、細川公がいやもう少し時間をかけた方が良いで御座ると発言したので、信綱がそれではもう少し敵の人数が減るまで待つ事にしようといったのです、


しかしまだ本丸の周りに2500人程が陣取っており、本丸には500人がいるのです、今夜奇襲をかけ絡めて口に2500人を追い落としましょうというというと、それでは、

大勢の犠牲が出るではないかというので、いや敵は今日の3の丸落城で息消沈しているはずです、今日は攻撃して来ないだろうと思っているはずです、


絶好の機会です、これは各将に無理強いしません、攻撃に参加を希望する藩のみで行いますというと、軍師がそう言われるのならみどもは反対しませんと信綱がいい、

参加する藩はござるかというと、立花宗治が我が藩は参加しますといい、他の藩は今日の手柄を立花藩に持っていかれたので、立花藩の2000人では失敗するだろうと、

どこの藩も手をあげなかったのです、


それでと信綱が立花殿は残ってくだされと言い、他の方々はご苦労で御座ったと散会したのです、真一朗がなぜ手をあげられたのか聞くと、各将は今日の手柄をみども、

にもっていかれたのが不満なのです、また真一朗殿は本気で2500人を絡めてから追い散らそうなんて思っていないで御座ろう、2500人の内500人でも逃げてくれれば、

いいと思い、それがしに失敗せよ、


そうすれば各藩も悋気はなくなるとお考えではないかと思い、火中の栗を拾ったまてで御座ると答えたのです、真一朗がさすがに今まで戦って一度も負けたことのない、

武将でござるなあと言うと、関が原では負けもうしたというと、立花殿は関が原にはいなかったのでしょう、したがって負けた事にはなりませんよ、家康公も負けた、

立花殿の領地をそっくり返したのは、


今後戦のない世の中で立花殿が必要であると思っての事だったのではと言うと、ご賢察感服つかまつりました、それでは思い切り負けますかと大笑いしたのです、

信綱がなるほどそうで御座ったか、しかし公平にするのも難しいござるなあとため息をついたのです、


奇襲をかけると思ったとおり、敵の抵抗ははげしく、やっと500人程度を絡めてへ追いやっただけで引き上げたのです、翌日の軍議では昨日の夜討ちは失敗で御座った、

軍師殿、サルも木から落ちるという事ですなと信綱が笑うと、立花宗治がいや私の力のなさから出た事で御座ると頭を下げたのです、信綱がいや500人でも減れば、

いいので御座るといったのです、


真一朗が申し訳有りませんと頭をさげると、細川公がいや我々が参加していれば成功したやもしれません、立花殿の兵の数では無理だったのでしょう、申し訳御座らぬ、

といったのです、信綱がまあゆつくり攻めることにしましょうと話しを結んだのです、


これを聞いていた各将も軍師殿、立花殿気にしないでくだされ、もう一歩で御座るよゆるりとやりましょうと、雰囲気が和んだのです、今日はいかがしますかと、

信綱が聞くので、それではそろそろ神経戦といきましょうか、半時に一発ずつ本丸に向かって砲撃しましょう、そうすれば休む事も出来ず、これを続ければ神経が、

ヘトヘトにります、


しばらくはこの手で行きましょう、もう敵は打って出てくる事はありません、兵にはゆっくり休養を取らせてくださいと言ったのです、なるほど名案でござるなと、

いうので、これは家康公が大阪冬の陣で使った手で御座るというと、鍋島公がさすが軍師で御座るな、過去の戦いが全て頭にはいっているとはと感心したのです、


もう二ヶ月半も経っているのです、歴史によるとこの乱は3ヶ月で城が落ちる事になっています、もうじきに落城するはずですが、まだ2500人から籠城している、

のです、無理攻めすれば明日にも落城するでしようが多大な犠牲がでます、しかし歴史通りにするには無理攻めしなけれはならないかも知れないと真一朗は思った、

のです、




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