陽炎の森46 翌日は下関から船で門司に渡り、博多に向かったのです、博多に着くころはすっかり日が落ちていました、玄海という旅籠にわらじを脱いだのです、博多は二代、
陽炎の森46
翌日は下関から船で門司に渡り、博多に向かったのです、博多に着くころはすっかり日が落ちていました、玄海という旅籠にわらじを脱いだのです、博多は二代、
藩主、黒田忠之60万石の領地です、城下は福岡にあり博多は商人の町です、
黒田家の中興の祖は黒田官兵衛です、兵庫県の姫路城で生まれ、父が使えていた主君が小寺家だったので最初は小寺官兵衛と名乗っていたのです、やがて東から、
は織田信長、西からは毛利元就が勢力を伸ばし小寺家はどちらに付くか思案の結果、官兵衛の意見を取り入れ織田信長に付く事にしたのです、
しかし織田信長のカリスマさに播磨の村木荒重が叛旗をひるがえすと、主家である小寺家も叛旗をひるがえしたのです、官兵衛は主家を説得する為主家の居城に、
乗り込みましたが、逆に捕えられ1年の間土牢に閉じ込められたのです、
官兵衛が帰って来ないので裏切ったと思った、織田信長は木下藤吉郎に官兵衛の子供を殺すよう命じたのです、この時の木下藤吉郎の軍師、竹中半兵衛が殺しては、
いけないと説得し、信長の命にそむいて子供を隠したのです、一年経って信長軍は小寺家の居城を攻撃し陥落させたのです、
土牢に閉じ込められていた官兵衛を救出したのですが、その為片足が不自由になってしまったのです、信長は子供を殺した事を後悔します、木下藤吉郎は信長に。
成敗される覚悟で子供を隠した事を打ち明けたのです、
信長は命に背いた木下藤吉郎に二度はないぞと言い許したのです、しかし木下藤吉郎はその後、もう一度、柴田勝家と喧嘩してかってに戦線を離脱し、信長に背く、
のですが、この時も信長は許したのです、木下藤吉郎(豊臣秀吉)はあの信長でも憎めない何かを持っていたのでしょう、
その後竹中半兵衛が労咳(肺結核)で死ぬ時に、自分の代わりに黒田官兵衛を軍師とするように言って他界したのです、豊臣秀吉は黒田官兵衛の策のお陰で後に天下、
をとる事となります、しかし、豊臣秀吉はその能力を恐れ中央から遠い九州の大名にしたのです、
今日は強行軍だったので風呂につかりゆっくりして、食事後に巡察を行う事にしたのです、女中に夕餉は何かと聞くと、煮物、酢の物、味噌汁、島あじの塩焼き、
というので、なにか博多名物はないかと聞くと、お代は別ですが水炊きは出来ますというので注文したのです、
七輪に水炊きの具の入った鍋を載せ、暫くすると煮えてきていい匂いがして来たのです、辛子めんたいこと、とんこつらーめんはあるか聞くと、何ですかという、
のでヤツパリこの時代にはないんだと思ったのです、
汁を一口のみ、味見すると鶏がらがしみ込んでサツパリした味です、笑美姫様には味がうすいかもしれませんがと小鉢に入れて渡すと、笑美姫が一口飲み、
いや、サツバリしていておいしいですよと言ったのです、そうですか、関東に比べて九州はなにかにつけて味は薄いのですと真一朗がいい、さあと皆に勧めた、
のです、
メイも尚もおいしい、おいしいと食べ始めたのです、それではと立ち上がり、女中にもう一つ水炊きを持ってきてとゆうの部屋へ行ったのです、丁度夕餉を食べる、
時だったので、七輪を置き水炊きを作ったのです、ゆうが味見すると何とも言わないので、みりん醤油を継ぎ足すしてもう一度味見をするように言うと、
こんどは、おいしいといったので、やつぱり関東の味になるよう、少し味を濃くしたほうがいいのですねと、真一朗が言ったのです、小頭をはじめ皆が鍋をつつき、
嬉しそうなたべたのです、ゆうがもくもく食べているので、この後一服したら巡察に出かけます、食べ過ぎて天井裏から落ちないでというと、ゆうが大丈夫、
小頭が天井には登りますと笑ったのです、
小頭が頭この分でいくと江戸に帰りつく頃には皆肥えて、忍びは出来なくなるかも知れませんというと、その時は責任をとって、真一朗殿に婿の世話をして、
もらいますというので、まいったなあと真一朗は頭をかいたのです、
部屋に戻るとメイが酌をしながら、またゆう殿に何かを約束したのですかと聞くので、別になにもと答えたのです、笑美姫がどうして福岡城下ではなくここ博多、
に逗留する事にしたのですかと聞くので、
博多は昔しから自由奔放な気質なのです、豪商がおおく博多商人は商いにたけており、ここから上がるみようがきん(商人の税金)は莫大なもので黒田藩も博多に、
干渉しない事にしているのです、このためここには全国の情報が集まり易いのです、
したがって、肥前のバテレンの情報、天領地である長崎奉行の素行などを知るのにはもってこいなのです、後でめいめい、居酒屋などで情報を仕入れましょう、
メイは芸者に潜りこんで商人どもの動向をさぐってくれ、戦が起れば商人は儲かるので利益の為、裏でそそのかし、援助しているかも知れないと話したのです、
また天領地の長崎奉行は外国交易の独占商いの権力を持つています、商人との癒着しやすいのです、長崎奉行を3年もやれば蔵が立つといわれるほど見入りのある、
役職なのです
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