陽炎の森41 そのころ真一朗は町はずれの荒れ寺の賭場にいたのです、吉次郎はどこにいるか聞くと指をさしたので金を札に変え、吉次郎の傍に座ったのです、負けているみたい、
陽炎の森41
そのころ真一朗は町はずれの荒れ寺の賭場にいたのです、吉次郎はどこにいるか聞くと指をさしたので金を札に変え、吉次郎の傍に座ったのです、負けているみたい、
でせつぱつまつた顔をしています、よくみると斜め向かいに座っているのがサクラみたいです、
壷振りが壷を振り、さあ張った、張ったと声をかけたのでそのサクラが丁に大きく賭けたので真一朗も丁にかけると、駒そろいました勝負と壷を開けると丁です、
吉次郎は半にかけ残りの札も少なくなっています、横から私の張る目に賭けるんだなと小さな声で言ったのです、
次ぎはサクラが小さく半に賭けたので丁に賭けるとこんどは丁です、サクラは悔しそうに芝居をしています、吉次郎は真一朗のいうとおり賭けたので儲かったのです、
それから真一朗は勝ち続け100両近くになったのです、吉次郎も30両近く勝っています、これが引き上げ時だと吉次郎にいい、札を金に替えるよういうと、この盆を、
仕切っている、富吉です、このまま変えられては面子がたちやせん、
差しの勝負をお願いしやすというので、わかったというと札を金に変え、100両を盆に載せると、富吉が100両を盆にのせ、壷振りが壷を振り、富吉がどうぞという、
ので半とゆうと、富吉が丁といい、壷が開くと半です、富吉が不思議に顔をしています、
さあ帰るかというと、もう一勝負というので、200両だぞいいのかというと、奥から200両持ってきてお願げえしやすと言うので、わかったと返事し、壷振りが壷を、
振り、さあと声をかけると、半と言うので丁と答えたのです、壷をあけると丁です、真っ青な顔をしててめえイカサマをしやがったなというので、イカサマはお前、
だろうと、畳のへりを持ち上げひっくり返すと、
真ん中がゴザから下が丸く切り取ってあり、畳の下には手下が転がっていたのです、この者にしたからサイコロの目をこの畳針でつついて返させ、そこにいるサクラ、
の目を出させるイカサマはとっくにお見通しだというと、匕首を抜きかかつて来たので、匕首を払い、片っ端から足と肩を打つと転がったのです、
富吉の前に行き上段から刀を振り卸すと帯と下帯がスパッと切れ、哀れな姿になりその場にうずくまったのです、上がりをすべて差し出せば命はとらぬというと、
へいと手下に銭箱をもつてこらせ、しめて小判が650両です、風呂敷に包みもらっておく、わしお、襲おうなんて了見はせぬ事だこんどは命はないぞと、吉次郎を、
伴って賭場ほ出たのです、
その足でみやびに行き主人におきぬの借金はと聞くと、200両ですよというので、250両をおきつれて帰るぞというと、不服の顔をしているので刀を抜き、熊蔵との、
計り事にてこの二人を陥れるとは勘弁ならぬと横一文字に切り開くと、主人の髷がポトリと落ちた、ひえ~と声を出し、どうぞお持ち帰りくださいと、証文を差し、
出したのです、
二人を旅籠まで連れて帰り、お妙に会わせると、吉次郎がおきぬに私が甲斐性がないばかりに申し訳ないとあやまると、いいえ、私が勘違いされる元を作ったのです、
おまえさん許しておくれと言ったのです、お妙が備前に帰っておとっさんを安心させてというと、いまさらあわす顔がないと言うので、
そんな事はないお前の父上はそなたの腕を認めてかり、これまでの親不幸を腕で返すのだというと、分かりました、今回は本当にありがとう御座いましたと二人で、
頭を下げたのです、
旅籠の前に馬のひずめの音が聞こえたので、ほれ悪人どものお出ましだとしたへ降りて行くと、寺社奉行、青木京四郎である門前町を騒がす不貞のやからを召し取る、
というので、寺社奉行ともあろうものが、ごろつきの飼い犬に成り下がっているとは情けないといい、
私は公儀巡察方、村上真一朗である、これは公方様じきじきの朱印状じや、とくと見るがよい、へたに逆らえば、安芸の国60万石は取り潰しになるがいかがいたす、
というと、これみなのもの頭が高いぞははは~と平伏したのです、この者達がいかような悪さをしたので御座るかと聞くので、
このおきぬを女郎にする為、熊蔵はみやびの主人と計り、わざと噂を立て、吉次郎がみやびの主人にキズをおわせるようにして、仲介をしたように見せかけ、20両の、
和解金をだすようにしむけ、その金を作る為みやびに身売りさせたのじやと言うと、
まことか熊蔵と奉行がいうと、恐れ入りました、その通りでございますと熊蔵が平伏したのです、みやびの主人もよんでまいれと命令し、奉行が重ね重ねの無礼の段、
申し訳御座らぬ、なにとぞ私の一命にかけて安芸浅野藩に寛大なご処置をお願いいたしますると、脇差を抜き腹を切ろうとするので、
おやめなされ、私の役目は大掃除で御座る、もとより浅野藩を取り潰すなどとは思うておりません、寛大なご処置かたじけのうござる、してこの者どもはどう処断、
すれば良いで御座るかと聞くので、打ち首獄門といいたいところだが、厳島神社の門前を汚すわけにはまいりません、
熊蔵にショバ代は一割にしろと言うと、仰せの通りにいたします、それからみやび屋20両の支度金が200両とはちとやりすぎではないかと聞くと、へいこれからは、
最初の約束通りで年季が明けるようにいたします、そうかそれでは熊蔵これは賭場の上がり金じゃ返すぞと渡そうとすると、それはお上に献上いたしますといい、
みやび屋もさつき渡した200両を差出し、私も献上いたしますと言ったのです、寺社奉行がこれからはびしびし賭博も取り締まりますというと、それにはおよばぬ、
そんなに人の楽しみを奪えは息がつまり、より悪い事をするものです、女郎屋、博打場も必要で御座る、目こぼしなされよ、
しかしイカサマはいかんぞといい、またみやび屋、女郎を好きでやる者はいないだろう、ゆえあって仕方ない者がほとんどのはずだ、無体な事はするなよ、病気に、
なれば、ちゃんと医者に見せ看病してやるのだというと、
二人とも承知しました、必ず約束は守りますと地べたの頭をつけたのです、ならば二度と悪さをしないという証文に爪印をおすのだ、もし約束をたがえれば、
厳罰に処するぞ、また奉行殿この度の事は不問に処するがこの者達の監督は宜しく頼みますぞというと、承知つかまつりました、必ず意にそうようにいたしますと、
言って帰っていったのです、
お妙殿、この650両はお上からそなたに下げわたす、物産問屋を一日も早く開き、百姓どもを救うてくだされ、そして備前だけではなく全国にこのような仕組みが、
できれば良いのですがというと、たいした力には慣れませんが、真一朗様の意を汲んで頑張ってみますと返事したのです、それではおきぬさん吉次郎殿いつまでも、
仲良くなといったのです、
それでは大掃除も終わりましたのでと盃を重ねたのです、今回も笑美姫さま、ゆう殿は大活躍でしたねと真一朗が笑ったのです、さあ後は長州、豊後ですね、随分、
遠くに来たもんだわ一生に一度の旅ですねとメイが言ったのです、
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