陽炎の森40 今回はゆう殿の大活躍で御座ったな、それでは安芸の国へ出立いたしましょう、庄屋殿おせわになりましたと挨拶し、朝早く出立したのです、途中の宿場は平穏でした、
陽炎の森40
今回はゆう殿の大活躍で御座ったな、それでは安芸の国へ出立いたしましょう、庄屋殿おせわになりましたと挨拶し、朝早く出立したのです、途中の宿場は平穏でした、
夕方には安芸の国に入り、宮島の渡し舟へ着いたのはすっかり日が落ちていたのです、渡し舟が丁度しまい船でそれに載り宮島へ渡ったのです、
この日は丁度満月で、海の上には厳島神社が幻想的に浮かび上がっていたのです、一軒の旅籠にわらじを脱ぎ、真一朗は妙をともなって兄の店へ出向いたのです、
店には灯りがなく、しずまりかえっています、呼びかけましたがだれもいないようです、一旦旅籠にもどり、明日もう一度尋ねる事にしたのです、
旅籠の女中に陶器を扱っている、備前屋は灯が落ちてだれもいなかったがどうしたのだと聞くと、備前屋の吉次郎さんの知り合いかと聞くので、こちらが吉次郎さん、
の妹だというと、そうですか、以前は仲のいい夫婦だったんですが、商の方があんまり上手くいっていなかったらしく、女房のおきぬさんが店を助ける為、芸者に、
なってお座敷に出るようになったのです、
そのうち女郎屋をやっている、みやびの主人、徳衛門と出来ていると噂がたち、これに怒った吉次郎さんが、いい争いのあげく徳衛門を小刀で刺したのです、幸い、
キズはたいした事なく、ここら辺を仕切っている、熊蔵親分の仲裁で吉次郎さんにはお咎めはなかったのですが、仲裁の条件が慰謝料20両払う事だったそうです、
その金を作る為、おきぬさんは女郎屋の、みやびに身売りしたのです、それからますます商いに身がはいらず、熊蔵親分の博打場に出入りするようになり、借金で、
首が回らなくなっているそうです、ちまたでは、美人のおきぬさんを女郎にし稼ぐ為みやびの主人と熊蔵が仕組んだとの噂なんですよ、それを聞いたお妙が兄さんは、
焼き物職人の腕はたつのですが、おとっさんと違って商いはからっきしダメなのですといったのです、
笑美がどうやらここも掃除が必要ですね、あとで熊蔵とやらの店にいってみます、真一朗殿は博打場で吉次郎さんを見つけてください、メイはいつもの通り、芸者に、
化けて、熊蔵とみやびの主人を探ってみるのだといい、それでは食事の後めいめいに掃除しましょうと真一朗が言ったのです、
それでは風呂に入ってきます、露天風呂みたいですよと風呂場へ出かけたのです、海側の露天風呂に入ると、海に浮かびあがった厳島神社が綺麗にみえていました、
風呂を上がると、笑美姫達もあがっており、ほんに素晴らしい眺めでした、旅の疲れが一辺にとれましたと上機嫌です、
夕餉が運ばれてみると。焼きあなご、ままかりの酢物、味噌汁、漬物でした、盃を重ね、あなごに箸をつけると美味しいので、美味しいというと、メイがちと硬い、
ですが、泥臭さがなくておいしいというので、あなごはうなぎとそっくりですが、海にしかいないので泥臭さはなく、身がしまっているので、うなぎ、より硬いの、
です、
柔らかくしたければ、みりん醤油で焼けばふっくらなりますが、あなごはこのくらいが丁度いいのですと真一朗が答えたのです、食事がおわり、ゆう殿、博打場の、
盆の下のイカサマ野郎をよろしくと頼むと、わかりました、それでは後ほどどどこからか声がしたのです、
笑美と尚は近くの居酒屋に入り、酒と肴を注文しまわりの者の話しを聞いていると、厳島神社の富くじの事を話していたのです、一の札はいくらになるか聞くと、
1000両との事である、ほうそれはまた大金だのうというと、なんせ2分銀からだから2000両は集まるのさ、賞金の残りは厳島神社の修繕費用になるらしいから、
富くじを買えばご利益があるというもんだといったのです、
二人の遊び人風の男が入って来て、店の主人にショバ代を取りに来た早く出しなと言ったので、主人が出すと、なんだこれぽっちかと、銭函を覗き、あるではないか、
と手をいようとすると、主人がそれを持っていかれては、明日の仕入れが出来なくなる、と銭函を隠すと、襟首をつかんで殴ろうとするので、後ろからそいつの手を、
握り、ひねるとイテテ~と後ろにひっくりかえったのです、てめ~なにするんだとかかって来るので刀を抜き上段から振りおろすと、
着物のの帯がすぱ~と切れ、ひえ~と声を出し、立ちすくんでいるので、あと5寸で真っ二つだったな、命を取らぬよって、そうそうに立ち去り、熊蔵にお礼詣りに、
行くので、首を洗ってまつていろと伝えろというと、覚えていやがけれと、走って店を出ていったのです、
ショバ代をいくら収めているのだと聞くと、へえ3割りなんて言っているんですが、とてもそんなに払えなくて、時々嫌がらせに来るんですよと答えたのです、
3割りとは無体だな、ひとつ懲らしめてやるかと言うと、やめた方がいいだよ、何たって後ろに寺社奉行がついているだと言ったのです、
ほう寺社奉行もぐるか、熊蔵の家を聞くと厳島神社の門前だというので、尚と店を出て向かったのです、途中の松林まで来ると、待ち伏せしており、よくも手下を、
可愛がってくれたな、やつちまえと匕首を抜きかかってきたので、片っ端から足と肩を払うと、あっと言う間に転がったのです、
先生がお願いしますと熊蔵がいうと2人の浪人がおぬしなかなかやるな、と刀を抜き構えたので、笑美は刀を中段に構え間合いをつめると、上段から振り下ろした、
ので右に飛び左手を刀の峰で打つとぎや~と言って刀を落としたので、上段から刀を振り下ろし肩の上で止めたのです、このまま振りぬけばお主は右肩から袈裟懸け、
になっていたぞというと、
腰が抜けたらしく座っているので、も一人にこれまでだな、介抱してやれというと、抱き起こし逃げていったのです、熊蔵が逃げようとしたので、動けばきるぞと、
睨みつけ、寺社奉行によろしくなとにやつと笑い、介抱してただちにこの地を立ち去れ、もし明日までこの地にいれば命はないぞと脅かして、その場を立ち去った、
のです、熊蔵達はその足で寺社奉行の屋敷に駆け込んだのです、
奉行が出て来てどうしたのだ、そのざまはと聞くと、えらい強い侍にやられたのですと泣き言を言うと、なんと言う奴だと聞くので、今手下が後をつけています、
召し取ってくだせえというと、まかせておけ不審な奴は余がみずから捕縛してつかわすと言ったのです、
と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます