陽炎の森33 兵庫宿から姫路宿までは15里(60km)です、一日ではとうてい無理な距離なのです、信一郎がさあ行きましょうと旅籠を出て海の方へ向かうので、笑美姫が西国街道は、
陽炎の森33
兵庫宿から姫路宿までは15里(60km)です、一日ではとうてい無理な距離なのです、信一郎がさあ行きましょうと旅籠を出て海の方へ向かうので、笑美姫が西国街道は、
そちらではありませんよと声をかけると、良いのです、近道があるのですと言うので後をついて行くと、
大輪田泊(おおわだのとまりの船着場へついたのです、なるほど船で行こうというわけですねというと、そうです、昨日漁師に聞いたら風もいい具合に西へ向、
かって吹いているので、明日は船で姫路に向かえば夕方には姫路に着くといったのですと話したので、
途中の宿場の巡察はどうするのか聞くので、夕べゆう殿に途中の宿場の巡察を手のもので行い、姫路の宿へ知らせてくれるよう頼んでおきましたと答えたのです、
メイがだから夕べ明日は姫路と言ったんですね、15里もあるのに行けるはずがないと思ったんですよ、手抜き巡察ですよと笑ったのです、
ゆつくりと船旅もいいでしょうと笑美姫がいい、船に乗り込んだのです、船頭が船がでるぞ~といい、イカリを上げ船は海へ出ていったのです、いい風向きで、
白波をけたてて船はいきます、これから播磨灘に入るので、ゆれるので何かにしっかりつかまれと合図したのです、
船は小一時間で播磨灘の難所を抜け、穏やかな場所を順調に西へ向かって走っていったのです、小さな島が点在しており、風向明美です、みんなは海は初めてです、
まあきれ~いとはしゃいでいます、この四国の向こう側の海をまっすぐ行くとメリケンに行くのですよと真一郎がいうと、笑美姫がメリケンには何日かかるのと、
聞くので、
半年位ですよと言うと、そんなに都合よくメリケンに向かって風が吹くんですかと聞くので、日本のすぐ傍に南から北へ流れている海流があるのです、インドの沖、
から沖縄の傍をとおり奄美の沖から薩摩に行き、日向灘から四国の土佐沖を通り、紀伊和歌山湾に入り、大阪湾を経由して尾張に至り、駿河湾を経由して房総沖、
に抜け、北上して岩手の金華山からメリケンのカリフオルニアへ直進しています、
人の歩く2倍の早さで動いているのでそこを通れば風がなくても船が進む事になりますと説明したのです、みんなが目を丸くして驚いています、笑美姫が海の道なの、
ですね、そこを通って色んなものが関東に来たのですねといったのです、
しかし、幕府が1000石以上の船を作る事を禁止しているので、穏やかな瀬戸内海をほとんど船は航行し黒潮の道は通らないのです、小さな船では、天気の変わり易い、
外海は難破の危険があるからです、逆に博多から富山、金沢、越後、蝦夷の航路の方を北回船と言って発達しているのですと話したのです、
以外とみんな船酔いしないのでこの時代の人は三半規管がつよいんだなと感心していると、昼になり、あちらこちらで弁当のおにぎりを開きだしたのです、笑美が、
お昼にしましょうというので、竹の皮に包んだおにぎりを取り出したのです、梅干だけのおにぎりです、旅かごからのりを取り出し、
笑美姫のおにぎりにのりを巻いて差し出すと、まあどこから持ってきたのですかと聞くので、旅籠でわけて貰いました、のりを巻いて食べると美味しいですというと、
ほんとだ、おいしいというので、メイと尚にも渡すと、おいしい、おいしいと言って食べたのです、
船頭があとふた時で姫路につくぞ~と声をかけたのです、ふた時たち、姫路の船着場に着き船を降りたのだす、ほんに楽な旅でしたねとメイがゆうので、良かった、
だろうと真一郎が笑ったのです、
姫路は池田15万石の城下町です、城の壁は白く塗られており、又の名を白鷺城とも呼ばれています、さつそく城下の旅籠にわらじを脱いだのです、さすが15万石の、
城下町です、西国街道の重要な場所であり、町は活気ずいていました、さつそく二手に分かれて巡察する事にしたのです、
一件の居酒屋に入り、酒を注文し、女中につまみはなにが美味しいか聞くと、明石でとれた、タコの酢の物ですというので、注文したのです、酒と料理が来たので、
みると小さなタコに大根おろしを混ぜた酢の物です、メイがあらかわいいタコだ事というので、
これが有名な明石タコだよ、普通タコは大きいものでは、足の長さが3尺(1m)にはなるが、明石ダコは意外と小さい、明石海峡の海流の流れが激しいので、あまり、
大きくならないといわれているが、本当かどうか解らないと答えたのです、
そこに目明しが入ってきて、旅の浪人さんどこから来なさったと聞くので兵庫からだというと、どこへ行きなさるというので、肥前までだと答えると、そうですかと、
店を出ようとするので、何かあったのかと聞くと、へえ、このところ武家屋敷を狙った盗人が俳諧してまして、この一月で2つの屋敷から1500両も盗みやがったんでさ、
というので、
誰かを殺めるたのかと聞くと、いや、風のように忍び込んで、風のように消える奴なんですよ、と言うので、誰も殺めないのはいい事だというと、何をいってるんだ、
盗人は盗人ですぜ、かばい立てすると、お侍さんでも容赦はしませんぜと言うので、
すまなかった、それはそうだなと言うと、じあと言って出て行ったのです、女中がえばり腐った虫の好かない、岡っ引きですよ、と言うので、その盗人はなぜ武家屋敷、
を狙うんだと聞くと、その2つの屋敷の殿様は商人とつるんで悪い事をやっているらしいので、その盗人は義賊とみんな言ってるんですよと答えたのです、
旅籠に帰えり笑美姫に話すと、そうらしいですね、いまゆう殿が詳しく調べていますよ、どうやら、池田様のお膝元も掃除が必要みたいですねと言ったのです、
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