陽炎の森30 翌日攝津(大阪)を出立して、播磨の国の神戸へ向かったのです、摂津からは15里(60km)です、ゆるりと行って2日の道のりです、一日目は有馬宿(有馬温泉)の有馬屋、
陽炎の森30
翌日攝津(大阪)を出立して、播磨の国の神戸へ向かったのです、摂津からは15里(60km)です、ゆるりと行って2日の道のりです、一日目は有馬宿(有馬温泉)の有馬屋、
という旅籠に宿を取ったのです、温泉に入り汗を流して部屋へ戻ると、女中が食事をお持ちしましたと言って膳を並べたのです、
鯉の洗いに、山菜のてんぷら、に味噌汁です、頂ましょうと笑美が声をかけ食べ始めたのですが、鯉の洗いを一口食べるとちょっとドロ臭いのです、普通は酢味噌が、
あるはずですが醤油しかありません、立ち上がり、台所に行き味噌をもらい、それに酢を入れてかき混ぜて、酢味噌を造り部屋に持っていったのです、
普通は鯉をドロ抜きの為清流に長時間放すのですが、あんまり、ドロ抜きがされていません、これで食べるとドロ臭さが無くなるのですと、勧めると、笑美がつけて、
食べ、本当だ泥臭くないと言ったのです、以外と美味しく食べられたので、女中に酢味噌か梅醤油を出すと、喜ばれるよと話したのです、
暫くして、一人の女性が部屋に入って来て、ここの女将のせつですと挨拶し、先程は鯉の洗いの美味しい食べ方を教えて頂き、ありがとう御座います、これからは、
必ず、酢味噌を出すようにしますと御礼を言ったのです、なかなかいいお湯でしたというと、ありがとう御座います、でもそのお湯に入れるのももう少しなのです、
どうしてですかと聞くと、源泉を持っている旅籠は以外と少なく、ほとんどは、源泉を持っている、旅籠から分けて貰っているのです、灘屋という老舗の旅籠が、
あり、うちも、そこから源泉を分けて貰っていたのですが、そこの若旦那が相当な借金をして、金が返せず、宿場の籠屋に借金の方に取られるのです、
籠屋の軍兵衛が源泉の使用料を来月から2倍にすると言うのです、そんな金を払えば、旅籠は成り立ちません、大きい旅籠を覗いて、閉めるしかないのです、と女将が、
話したのです、なんでその若旦那は大きな借金をしたんですかと聞くと、バクチです、籠屋は料理屋や賭場も開いていて、あこぎな稼ぎをしているみたいなんです、
多分若旦那はイカサマバクチで借金が増えたのだと、もっぱらの噂ですと、話したのです、笑美が真一朗殿、どうやら大掃除が必要みたいですねと笑ったのです、
食事が終わり、一服して、私は賭場の様子をみに行きます、笑美殿と尚は町の巡察をお願いします、メイはどんな料理屋か調べて頂戴というと、メイがそれでは、
流れ芸者として潜りこんでみます、ゆう殿私の警護をお願いしますねと言ったのです、
心配いりません、いつも私の手のものが陰から護衛していますよと、どこからか声が聞こえて来たのです、町に出て、遊び人風の男に賭場の場所を聞くと、通りの、
はずれの正眼時という寺だと教えてくれたので、寺に行くと、お侍さんこの寺に何か御用ですかと聞くので、博打をやりに来たんだよと言うと、
へい、案内しますと、寺の本堂に連れていったのです、寺は寺社奉行管轄なので、町奉行は手を出せないのです、旦那風の町人、浪人、遊び人が丁半博打を打つて、
いたのです、金を札に変えてもらって、座ったのです、イカサマがあるとすれば、この盆の真ん中のはずだ、下からはりでサイコロをいじるか、半か丁どちらか、
しかでないサイコロを使うかだがと思っていると、
壷振りが壷を振り、はった、はったと言うので、半に張ると、丁半駒そろいましたと声を賭け、壷を開けると半です、真一朗の前に札が集められたのです、次ぎにも、
半に張ると次ぎも半です、大体このメンバーに桜がいるはずです、一杯張って勝っている奴がさくらです、そいつの賭ける目を出せば、合法的に巻き上げられる、
仕組みになっているのです、
真一朗が半を2回賭けたのはそいつが半に賭けたからです、知っている事がばれない為、少し賭けた時はそいつの賭ける反対の目に賭け、くやしそうな顔をして、
芝居をしたのです、当然勝ち金は増えていきます、後ろから賭場の者がお侍さん憑いてますねというので、そうだな、この辺で一服するかと、盆を抜け酒をもらい、
タバコを一服吸ったのです、
その男は勝ったり負けたりして、大きく勝ち、小さく負けて、周りの賭け金を吸い上げていったのです、盆に戻り、同じ事を繰り返していると、最初の5両が200両、
になっていたのです、それでは帰るとするかといい。札を現金に変えるように言うと、このまま帰られては軍兵衛の賭場の顔が立ちやせん、胴元が受けて立ち、
ますので、一勝負お願いしますというので、そうか、今持っているのは200両だぞいいのかと聞くと、
構いませんと信一郎の札を200両に変えたので、受け取り盆の前に乗せると、この賭場を仕切っておりやす源三です、相手になりやすと、前に200両を置いたのです、
では入りますと壷振りが、壷を振ったのです、とうぞと言うので半というと、源三が丁と言ったのです、勝負と壷を開くと半です、え~つと源三が言ったので、
なにも驚く事はあるまいと笑ったのです、
どうだ400両でもう一勝負というと、わかりましたと、奥から400両を持ってきたので、壷振りが壷を振り、それではそちらからどうぞと言うと、丁と言うので半と、
答えると、勝負と壷を開けると半です、顔が真っ青になり、てめーイカサマだなというので、あははは、イカサマはお前だろう切り返すと、匕首を抜きかかって来た、
ので、刀を抜き片っ端から匕首を叩き落とし、
源三の真正面から刀を振り下ろすとギヤ~と言ったまえのめりに倒れたのです、逃げようとする者に動くな動けば、その素首が飛ぶぞと叫び、ここに座れと命令、
したのです、源三にカツをいれると、生きを吹き返したので、もう少しで真っ二つだつたなとにやにや笑ったのです、
真一朗が畳のへりを持ち上げひっくり返すと、真ん中の壷を振る所が上のゴザを除いて切り取ってあり、下に一人の男が気を失っていた、こいつは何だといい、
こいつは俺の言う目をだしたんだよ、こいつは源三お前の手下だろうといったのです、旦那勘弁して下さいというので、
上がりを全部差し出せば勘弁しない事もないというと、そこにあります800両が全てですというので、風呂敷に包みでは貰っていくぞ、わしを狙おうなんて了見を、
おこすな、こんどは峰打ちはしないぞと、賭場を出たのです、
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