陽炎の森18 尚が宇喜田の残党の集まつている場所へ行き、土井利隆が家臣村上真一朗様の使いの者です、こちらの頭に会たいというと、こちらへと通され、私がここのまとめ、


陽炎の森18


尚が宇喜田の残党の集まつている場所へ行き、土井利隆が家臣村上真一朗様の使いの者です、こちらの頭に会たいというと、こちらへと通され、私がここのまとめ、

をやっている、元宇喜田家馬まわり役、藤堂玄葉に御座ると言うので土井利隆が家臣村上真一朗様が駿府国家老、山名主膳のもとに宿泊しているので足労願いたい、

との事でございますというと、


分かりました同道いたしましょうというので案内したのです、部屋に入ると村上真一朗でござる、今回さつそくの御助成かたじけないと切り出し、我が殿土井利隆様、

が忠長様の後見役である事はご存知かと尋ねると、もちろん承知しておりますと答えたのです、


それでは、忠長様への御助成の起請文でござる、これに血判をしていただこうと言って、起請文を差し出すと血判を押したのです、それではこれからの段取りを、

お話し申すといって話したのです、忠長様は将軍宣下を受ける為に京へ隠密に行かれるのです、そこもと達を城内に入れないのは、多数家光様の意をくんだ柳生、

の者が混じっておるとの忍びの知らせがあるのです、


隠密の事ゆえ駿河の者が軍団で警護するわけにはいかない、そなた達に頼みたいのだ、不貞のやからが前を塞ぐ場合はこれを阻止し、忠長様の乗った籠を、

無事通す事だ、おそらく安部川で待ち伏せするであろうというと、お任せあれ一歩たりとも籠には近づけませんと言ったのです、


しからば朱印状をお渡しいたそう、忠長様将軍宣下のおりはこれを持って若年寄、土井利隆様に名乗りでられよと渡したのです、勿論真一朗が作った偽者です、

そのころ柳生十兵衛は顕正寺に長宗我部の残党の頭を呼び話していた、おぬしは今回の忠長様のもくろみが成功するとお思いか、すでに京都では家光様に将軍、

宣下のみことのりを下す事になっており、


家光様上洛を待つ段取りになっている、そなた達が家光様に味方するなら、恩賞はおもいのままだぞ、ここに家光様の朱印状がある、家光様将軍宣下のおりは、

これを持って柳生但馬の守へ名乗りでられよと言ったのです、それで我々は何をすればいいのかと聞くので、


忠長様が隠密に京へ上洛しようとしている、おぬしらはそれを安部川で待ち伏せ阻止するのだ、多分、宇喜田の残党が恩賞欲しさに警護するであろう、それを、

阻止し断じて京にいかせてはならないと話すと、わかり申した、必ず阻止するでありましょうと答えたのです、勿論朱印状はまっかな偽者である、


次の日、籠の中に若武者姿の笑美が乗り前後を駿河の侍が前に二人、後ろに二人、そして籠の横には尚と真一朗が警護して城を出たのです、安倍川まで来ると、

宇喜田の残党が待っており、河を渡ろうとした時対岸から時の声を上げて長宗我部の残党が襲いかかってきた、真一朗が藤堂玄葉に一旦城へ戻る、切り開いて、

敵がいなくなったら川を渡るのでお知らせ願いたいと戻ったのです、


笑美が籠を降り、駿河の侍と籠を城に戻して、真一朗と様子をみていると、入り乱れて乱闘になつている、小一時間たった時戦線を離脱するものが増え、

その内両陣営のほとんどが逃げさつたのです、城下に入ろうとする者は駿河勢に阻止され、方法の手で逃走したのです、


城に戻り忠長様に事の次第を報告し、それでは、家光様と対決に江戸へまいりましょう、お供はなるべく少ないほうがいいでしょうといい、少人数で城を出て、

江戸へ向かったのです、箱根の宿まで来ると柳生但馬の守が出迎え家光様がお待ちになっています、騒動が治まってなによりでした、しかし、真一朗殿の策は、

汚い、みどもでもあんな策は出来ませんと但馬がゆうと、


おい、おい、わしも真一朗に加担したんだぞ、わしも汚いかと忠長がいうと、汚のうござりますと言うので、はははは、しかし全てうまくいって良かった、

ではないかと笑ったのです、しかしあの律義者の十兵衛まで加担させるとは、真一朗という御仁は諸葛孔明以上でござるよと感心していたのです、


江戸に着き忠長は家光に拝謁したのです、家光はよう来られたのうと手を握ったのです、母のお江の方に挨拶しに行くとそなたは気の毒だというので、

兄上が京都に上洛している間に、この江戸城を乗っ取り、一合戦しましましょうかと言うと、そのような恐ろしい事を、誰の入知恵じあと言うので、利隆で、

ござるよと言うと、


ほんに利隆は恐ろしい男よのうと、お江の方はため息をついたのです、それから数日後、兄弟そろって上洛し、家光は城軍宣下をうけ、正式に3代将軍の座に、

ついたのです、


笑美と真一朗は利隆に呼ばれ、ご苦労であった、今回の真一朗の働きみごとであった、労に報いたいがと仰せであったので、あやつは100万石を下されても、

喜びませんよと申し上げたら、そうか欲のないやつよのお、と仰せになったぞと笑ったのです、


笑美、尚、メイもご苦労であった、暫くは屋敷でゆるりとせい、真一朗、余にも、こんど手巻き寿司し、とやらを食させてくれと言ったのです、

笑美がこれで真一朗殿の時代の歴史が変わらなくて良かったですねと、真一朗の顔をまじまじと見つめたのです、



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