陽炎の森10 翌日メイ、尚を伴って柳生但馬の守の屋敷におも向いたのです、屋敷は愛宕ノ下(現東京美術館)にあった、屋敷に着くと家人が出て来たので、村上真一朗と申す、
陽炎の森10
翌日メイ、尚を伴って柳生但馬の守の屋敷におも向いたのです、屋敷は愛宕ノ下(現東京美術館)にあった、屋敷に着くと家人が出て来たので、村上真一朗と申す、
一手ご指南に預かりたいと取次ぎを頼んだのです、この時点では正式に将軍家の流派には指定されておらず、他流試合は禁止されていない、
こちらへと道場に案内され、強そうな男が拙者がお相手申すと木刀を渡した、清之進どのといい木刀を渡すと、新陰流、村上清之進と申すと挨拶すると、
新陰流とな、どちらの門下生でござるかと聞くので、柳生十兵衛が弟子でござると答えると、新陰流、藤堂角之助となのり、いざと木刀を構えたのです、
お互いに中段に構え、じりじりと笑美が間合いを縮めると、藤堂がエイ~と上段から振り下ろす木刀を笑美が、払いのけエイ~と抜き胴を払ったのです、相手が、
参ったと手を挙げたのです、奥の方から二人の男が出て来て、お前達のかなう相手ではない、私が立ち会おうと一人の男が木刀を受け取り、荒木又衛門ともうす、
というと、
真一朗が立ち上がり、一刀流、村上真一朗ですと、笑美から木刀を受け取った、荒木殿で御座るかと言うと、どこかで会いましたかなと聞くので、私はよく知って、
いますが、貴方は私をしらないでしょうと答えたのです、荒木が木刀を下段に構えたので、ほう、新陰流に下段の構えがありましたかなと自分も下段の構えをすると、
一刀流の下段の構えとは珍しいというので、下段の構えは相手に打ち込む時、木刀を一旦上に持っていく動作が必要で、自分より腕が下だと見た場合使う構えです、
私が一段下の腕だと思い、下段の構えをしたのでしょう、したがって、私も下段の構えにしたまでですと答えたのです、
ここは道場ですよ、石はありませんよと言うので、石は特別必要ではないのですと話し、間合いをつめ、いきなり木刀を振り回し縦に投げつけたのです、これを払う、
には横にずれて叩き落とすか、身をかわすしかないのです、右にずれたたき落とそうとした時には木刀と一緒に真一朗が懐に飛び込み、投げた木刀を掴んで荒木の、
背中に回り自分の背中をつけたのです、
離れる時が勝負です、しかし真一朗は右手に持った木刀を垂直に落とし、荒木の足にぶつけたのです、門弟が卑怯なと声を出したのですが、知らん顔をしています、
このまま離れれば荒木の左足はしびれているはずなので、簡単にうちとれます、しかし、真一朗は動きません、しばらく時間をおき、足の痺れが納まったとき、
に離れたのです、
荒木が打ち込めば一本取れたのですが、取る気持ちにならなかったのです、再び中段に構え、飛び込みざま右に体をかわし、先ほどの足を打つと、荒木はガクット、
膝をついたので、エイ~と左肩に木刀を振り下ろし当たる寸前に止めたのです、門弟が卑怯なと叫んでいます、荒木が参ったと手をあげたのです、
木刀を納め、油断しましたなと、ニコッと笑ったのです、荒木がははははと大きな声で笑い、石の次ぎは木刀とは恐れ入りましたと頭を下げたのです、これが貴方、
のゆう、新陰流の欠点ですか、おおいに参考になりましたよと言ったのです、後に荒木は河合又五郎一党と鍵屋の辻で戦い、弱いものから切り捨てるという戦法で、
見事仇打ちを成功させ、戦いは綺麗も汚いもないと言う事を実践するのです、
もう一人の男がそれでは拙者がお相手しましょう、柳生十兵衛でござると挨拶し、村上清之進殿と申されたか、いつごろお教えしたのかなとゆうので、古河の、
村上義清の屋敷に御座います、はて清之進と言う御仁には覚えがござらぬがというので、笑美で御座いますというと、おお笑美どのか、若武者の格好をしている、
ので気がつきませんでしたぞと笑ったのです、
真一朗がいざと声をかけ、中段に構え、たしかこの時点では左に眼帯をしているはずだが、そうか、強敵と勘違いして眼帯をはずして来たのだと思ったのです、
通常は左周りするのだが、多分左目は見えないのであろうと、あえて右周りで間合いをつめていったのです、間隔が詰まったところて、右に飛び胴を払うと、
かろうじて木刀で受け止め、はじき飛ばすと真一朗の肩めがけて木刀を振り下ろしたのです、
やられたと目を瞑ると、肩の上で木刀が泊まり、参ったと手を上げると、ニコニコ笑い、引っ掛かりましたね、私の左目が見えないと思ったでしょう、実はよく、
見えるんですよ、もっとも時々かすむ事はありますがといったのです、そうかこの時点ではまだ見えていたのかと思ったのです、
貴方の目的は父、但馬の守に会う事でしょう、奥で待っていますよ、しかし、いきなり乗り込んでくるとは、父、但馬の守も驚いていましたよ、どうやら貴方には、
策は通じないらしいですな、親父は会うのを楽しみにしていますよ笑い、笑美殿相当腕を上げましたな、それではお婿さんがかわいそうですよと言ったのです、
二人を前にして、お願いが御座るのだがというと、なんでござろうかと十兵衛がいうので、正座は苦手でござる、あぐらを組んでもよろしいかと聞いたのです、
そうで御座るか、どうぞ、あしを崩してくだされと二人が笑ったのです、十兵衛がなぜ私の左目がおかしい事に気ずかれたのかと聞くので、それには答えずに、
黙っていると、
そうか、瞬時に相手の弱点を見つけるのが、真一朗殿の技なのだな、たしかに、立ち会った時、左目がかすんだのでまずいと思っていたのだが、すぐに元に、
戻った、右ききなら左周りで間合いをつめるのに、右周りなので、目の霞を読まれたとおもい、真一朗殿の油断を待っていたのです、
真一朗の知っている歴史では柳生十兵衛は隻眼だが、実際には隻眼ではなく、漫画の作者が迫力をだす為に勝手に創作したのである、
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