陽炎の森4 その時代の政(まつりごと、政治)はまず全国の民が入れ札(選挙)をして450人の政をまかせる人を選ぶのです、そして選ばれた450人の中でさらに宰相(首相)を


陽炎の森4


その時代の政(まつりごと、政治)はまず全国の民が入れ札(選挙)をして450人の政をまかせる人を選ぶのです、そして選ばれた450人の中でさらに宰相(首相)を

選び、その宰相が今でゆう老中(閣僚)を選び政を行い、世襲制ではなく、4年に一回選び直すわけですと話したのです、


物事はその450人の入れ札で決められ、宰相と閣僚が実行するのですというと、なるほど、みかど、はどうされたのだと聞くので、その時代にもいらっしゃいます、

入れ札で決められた事を裁可されるのですが、反対は出来ない仕組みになっており、今と同じなのです、


それでは、いつ、この徳川幕府はなくなったのだと聞くので、これから約300年続く事になり、その間は平和が続き文化も相当発展するのです、これは今の将軍、

秀忠公の時代と次ぎの将軍様の2代で仕組みを作り、この仕組みが300年のあいだ平和をもたらす事になるのですと話したのです、


義清が300年も続くのかあ、それは良い事だ、家康公の戦乱から抜けだし、民が平和に暮らせる天下を作る目的が達せられるわけだと、うなずき、わが殿もその、

仕組みを今一生懸命作られている、名誉な事だな、いい話を聞かせてもらった、感謝するぞ、その内そなたの世界に戻れる日もくるであろう、それまでゆるりと、

して行くがよい、


不自由な事があれば、遠慮なくメイに言うがよい、わしは疲れたので先に休むがそなたはゆっくり笑美の相手をしてやってくれと退出したのです、食事も終わった、

ので、姫がそれでは私の部屋でもっと色んな事をはなしてくれ、メイ酒肴の用意を頼むと言って、席を立ち真一朗は後についていったのです、


姫の部屋に着き、差し向かいに座り、傍にメイが座り酌をしたのです、あらためて盃をかさね、姫がオランダの事を聞きたいのだが、どの辺にあるのだというので、

ヨーロッパといってとても遠い国です、日本の長崎までは船で二年はかかるでしょうと答え、ヨーロッパの事情をはなしたのです、


しばらく待ってくださいと、部屋にもどり、紙とボールペンを持って姫の部屋にもどり、紙におおよその世界地図を書いたのです、それの一角を指差し、オランダは、

比較的小さな国で、強い国に囲まれている為、海にしか出口がなく、そのため船による商いが発達したのです、それに伴い航海術が発達し、インドを中継点にし、

ジヤワ(インドシナ)、シヤム(フイリピン)、清(中国)、日本まで来ることが出来たのです、


インドは北と南の高低差がはげしく、熱い場所もあれば寒い場所もあります、特に南には香辛料が豊富に取れ、これをヨーロッパに持っていけば、金と同じ価値が、

したそうなので、オランダは裕福に国なったのです、同じような国にスペインがあります、この国も航海術が発達し西へ、西へと海をわたり、アメリカ大陸に、

進出したのです、


姫が日本は世界に比べればこんなに小さいのか、しかしそなたは色んな事に精通しておるなあ、私もそのオランダに行ってみたいものだといったのです、

私の時代では乗り物が発達し2日もあれば世界中いけるようになります、なんと言ったも随分前にあの月まで行ったのですよと、月を指差すと、そうか人間も500年後、

にはあの月までいけるようになるのかと姫は感心していたのです、


そなたは江戸の品川から来たとのことであったが、私は江戸にも行った事はないのだ、どんなところなのだと姫が聞くので、私のいた東京(江戸)はとても大きい町で、

人口1千200万人住んでいます、今の江戸は人口200万人ですが世界に比べても大きい町です、大江戸800百8丁と呼ばれ大変賑わっています、


わが古河藩はどうなるのだと聞くので徳川幕府の300年は一緒に存続しますよと答えると、そうか、それは安心だなと笑っていたのです、その後はどうなると聞くので、

徳川幕府がなくなると、藩がなくなり、ミカドを中心にした中央集権体制へ移行し、武士がなくなり、平等な平民だけとなります、職業は、役所、農業、工業、

商業と今と、あまり変わりません、いずれかに所属して働く事になります、


役所の中には、倉奉行(財務、税)、警察(町奉行)、軍隊(兵士)、商工、農水、の専門部があります、今と少しにていますが、どんな職業にも努力し試験にうかれば、

なる事ができるのですと話しを結んだのです、


そなたの職は何になるのだと聞くので、さしずめ今の夜では絵師でしょうかねと言ったのです、そうかよく分かったぞ、今日はこれくらいにしょう、明日は野がけを、

やるぞ、供をしてくれ、そなたの倒れていたとこに行こう、なにか手がかりがあるかも知れないといったのです、


部屋に帰ると、メイがどうもお疲れ様でした、一服茶をたてましょうと、茶を立て差し出したのです、そなたも、遅くまでご苦労な事だなあと言うと、いいえ、

真一朗様の傍にいると色々知らない事に出会い、おもしろう御座います、私を他の者に変えないようお願いしますと頭を下げたのです、


もちろんですよ、明日も又お願いするというと、次ぎの間に寝間が用意してあります、私はこれでさがらせていただきますと、頭を下げ部屋を出ていったのです、

この世界を自分がいじると未来がかわり、元の世界には自分がいない未来にならないよう、気をつけなければいけないと思ったのです、


しかし、この地には土井老中と敵対する柳生但馬の守の忍びの者が潜入しており、真一朗は段々権力争いに巻き込まれて行くのです、






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る