陽炎の森3 真一朗はプロのフリーカメラマンである、この世界で食べていくのは難しい、戦場カ


陽炎の森3


真一朗はプロのフリーカメラマンである、この世界で食べていくのは難しい、戦場カメラマンにあこがれてこの世界に入ったのだが、初めて戦場にいったイラクで、

ロケット弾が飛び交い、銃撃は日常茶飯事の場所に行き、足がすくみ一歩も前に出ることが出来ず、まったく仕事にならない経験をしている、到底自分には無理だと、

思い、現在は国内でフリーのカメラマンをしていたのである、


めずらしい野性動植物、撮影の依頼は多く、山に分け入り何日もかかって写真をとる事もあり、結構大変な仕事だが、報酬は有名にならないと安く、いつもぎりぎり、

の生活をしている状態なのだ、


今回は比較的町に近い自然公園なので楽だと思っていたのだが、とんでもない事に遭遇してしまったのである、よく思い出すと、満月なのに月食みたいに月が欠け、

て来て、突然月がくるくる回った感じを覚えていたのである、何だったのだろう、もう一度あの現象に出会い、あそこにいれば現世にもどれるのかもしれない、

と思ったのです、


問題はバッテリーである、予備のバッテリーがなくなれば、この世界の貴重の映像も撮ることは出来なくなるのである、手回しの発電機はもっているが、これで充電、

するとなると、一晩中手で回していなければならない、そんな事は不可能である、なにか回っている物があれば、何とかそれにレバーを結びつければ、回す事が、

出来るのだがと考えていたのである、


屋敷に帰り部屋から庭を眺めていると、小さな庭園があり、人口の滝が作ってあり、勢いよく水が流れ落ちていた、そうだ、水車を作りまわして、回る軸に手回し、

発電機のレバーを付ければいいのだと気がついたのです、


小者の松吉を呼び出入りの大工を呼んでくるようにいうと、わかりましたと呼びに行き、しばらくしてつれて来たので、言う通りの物を作るよう指示したのです、

2枚の板を真ん中に切り込みをいれ組み合わせ4枚の羽になるようにし、真ん中に棒を通し台で固定する、それを庭に置き、竹をくりぬいた水路を作り、その羽に水を、

かけると、勢いよく周り始めたのです、


子供の遊びみたいですねと松吉がわらうので、水を止め、回天する棒の端に手回し発電機のハンドルをつけて、再び水流すと、発電機のレバーが回り、ランプ、

が点灯したのです、部屋の直ぐそばまで竹の水路を作り、水車を設置し、そこから、電線を部屋まで引きバッテリーに接続し、さらにLEDのランプに分岐し、

たのです、


あかあかと光りがともり、松吉と大工がビックリしています、この事はだれにも言うな、言えばそなた達の命の保障はしないと言うと、へい、わかりました、

絶対いいませんと答えたのです、


これは魔術ではない、この水車が回ると、ここに付けある棒が回り、中にこの光りをつける為の力が発生し、光るというわけだよと説明すると、蘭学ですかと聞く、

のでそうだと答えたのです、それを見ていたメイがろうそくに比べるとまぶしいくらい明るいですね、すご~いと言うと、姫を呼んできてくれと頼んだのです、


笑美姫が来ると原理を説明したのです、目をみはり、やはりそなたは、遠い未来とやらから来たのだな、今の蘭学ではこのような事は出来ないであろう、それでは、

後ほどと言って帰っていったのである、それではお風呂にとメイが風呂場に案内したのです、


この時代にはまだ風呂にお湯を張る、風呂はなく、蒸し風呂です、中に入りしばらくすると、サウナのように汗をかいてきたので、傍においてあった、お湯をかぶり、

汗を洗い流し体を拭くと、下帯(フンドシ)と浴衣が置いてあったのです、下帯なんてした事がないのでまいったと思っていると、メイが入ってきたので慌てて前、

を隠すと、


下帯の紐を前で結び、その間に帯を入れ、こうやってやるのですといい、始めてですか下帯をするのはと笑っています、浴衣を着せ兵児帯を結びさあ出来ましたよ、

そこに座ってください、おぐしをなおしますと、髪の毛に鬢付け油をつけ綺麗に後ろで結んだのです、


部屋に戻ると、メイがお茶を立て差出したので、何から何まで世話になり申し訳ないというと、何を言っているのですか、これが私の仕事なんですよとニコニコ、

笑ったのです、ここだけあんまり明るいと不審がられるので、蝋燭に火をいれますというのでLEDを消したのです、


奥女中がゆうげの支度がととのいましたと呼びに来たので、ついて行くと奥座敷に善が並べてあり真ん中の一段高い場所に、眼光の鋭い武士が座っていたのです、

廊下に正座し、村上真一朗ですと挨拶すると、ちこうへと言うので前へ進み案内された膳の前へ座ったのです、わしが、義清じや、そなたの事は笑美から聞いて、

おるぞ、遠い未来とやらから来たそうで、ご苦労であると言ったのです、


挨拶が終わると、義清が、あぐら、をかきそなたも足をくずし、あぐらかいてもいいぞと声をかけたので、あぐらをかくと、まあ一献と酒の注いである盃を飲んだ、

のです、こくがあってうまい日本酒なので、美味しいと思わずいってしまったのです、義清がわしらの喋りかたと随分違うようだが、気にしなくても良いぞといった、

のです、


前に座っていた笑美姫が、真一朗殿は馬術も剣術も相当な腕ですよ、私はていもなく一本取られてしまったのです、又町で浪人者が町民を痛めているのを見て、

簡単に懲らしめたそうなんですよと話したのです、そうか、天下泰平になり、この城下にも不貞の浪人者が入り込んでいるのか、こまったもんだなと言ったのです、


ところでそなたのいた世界では誰が将軍様なのだと聞くので、将軍様はいません、選ばれたものが首相(宰相)として政を行っていますと答えると、なにいない、

しかも選ばれたものが宰相として政をやっているとな、もっと詳しく話してみろというので、この時代との比較して解かり易く話したのです、


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