陽炎の森2 メイがその格好では御城代にはお会いできませんのでこれにお召し替えくださいと、着物に羽織袴を差し出したのです、
陽炎の森2
メイがその格好では御城代にはお会いできませんのでこれにお召し替えくださいと、着物に羽織袴を差し出したのです、早速着替えると、頭の毛は短いですが、
後で束ねますと、こよりで束ね、よく似合いますと言ったのです、
そして姫様がお待ちです、こちらへどうぞと笑美姫の部屋へ案内したのです、部屋に入るとこちらにというので傍に近寄り、正座したのです、ほう、なかなか似合う、
ではないかと言うので、申し訳ないのですが、正座でないといけませんかと聞くと、どうしてだと聞くので、
正座だと脚がしびれて長く座っていられないのですと答えると、はははは、元武士とは思えないなあ、足を崩して、あぐらでもかまないぞというので、足を、
崩し、あぐらをかいたのです、
そなたが手に持っている箱は何だと聞くので、これはカメラですと答えると、なにをする道具だというので、物を写し取る道具ですとこたえると、それでは私を、
写し取ってみよといったのです、カメラを向けピントを合わせシャッターを押すと、カシャッと音がしたのです、
はい写し取りましたというと、見せてみろというので、傍により録った写真を、カメラのデスプレーで見せると、ビックリして、これは魔術かと聞くので、そんな、
もんですと答えたのです、なぜその箱についている棒は長いのだと聞くので、南蛮渡来の遠眼鏡みたいなものです、遠くのものを近く見えるようにして、写し取る、
のですと説明したのです、
そなたは蘭学に詳しいようだが、本当はどこから来たのだと聞くので、遠い未来です、およそ今から500年後の世界から来たのです、そうかと驚かないので、驚かな、
ないんですかというと、ここの殿様である土井利直様は蘭学に詳しく、私の父も蘭学が大好きで、南蛮渡来の書物、遠眼鏡などの道具もたくさんあり、その書物の、
中に、時を越えて移動する方法があると書いてあったと覚えている、
しかしこのような話は私と父上以外にはしてはいけない、へたするとバテレン信者として火あぶりの刑になるかもしれないぞと言ったのです、この時代はバテレン、
は禁止されている事は知っております、私はバテレン信者ではありませんと答えたのです、
お前が家に来て、父上がさぞかし喜ばれる事だろう、そなたは剣はどうだと聞くので、少しはたしなみますと答えると、それではついてこいと立ち上がり、道場に、
案内し、壁においてあった木刀を差し出し、立ち会ってしんぜようと木刀を構えたのです、
姫の構えは新陰流です、木刀を正眼に構えると、間合いをじりじつめて来て、飛び上がり木刀を面に振り下ろしたのです、素早く懐に入り、斜めから胴と声をかけ、
肩からハスに振り切り、すり足で進み、きびすを返すと、姫がまいったと手を上げたのです、
木刀を納めると、何が少々だ、たいした腕ではないかというので、父に小さい頃から竹刀を振らされているのです、15年もやらされば、少しは腕も立つのでしょう、
と笑ったのです、
ゆうげには父上も戻るであろう、呼びにやるので、同席しなさい、父上に会わせよう、それまでは、城下見物でもしてきなさい、メイが案内するよと道場を出て、
いったのです、事の始終を見ていたメイはすご~い、姫様を簡単に打ち据えるとは、城下の男たちも姫に勝てる人は、少ないんですよと感心していたのです、
屋敷を出て、メイの案内で城下を散策する事にしたのです、しばらく歩いて、ある、おおだな、の店先まで来ると、ここは古河でも屈指の豪商、常陸屋ですよと、
案内したのです、ノレンを潜ると、番頭がお嬢様どうしたんですかと聞くので、笑美姫さまのいいつけで、城下を真一朗様に案内しているの、
のどが渇いたのでお茶を一服所望するわと、奥に案内したのです、奥から主人である助右衛門が出て来て、これはどうも、主人の助右衛門でございます、こちら、
にどうぞと座る事を勧めると、真一朗様は足が悪いので、あぐらで構いませんよとメイがニコッと笑ったのです
そうですか、メイさんはここのお嬢様だったんですかというと、助右衛門が行儀見習いの為、城代家老様のお屋敷に奉公させているのです、すこしはましになった、
か、心配しているんですよと話したのです、
真一朗様は剣もお強いのよ、あの姫様もかなわないのよというと、それは大変な腕ですね、城下でも姫様に勝てるのは数人しかいないとの話しなんですよ、しかし、
メイ、お前は行儀作法を習いにいっているのですから、姫様のように、剣とか馬術は必要ないんですよ、いずれはこの常陸屋に婿を向かえて盛り立てていかなれけば、
ならないのですよと言ったのです、
馳走になりましたと店を出て歩いていると、一件の蕎麦屋に人が集まっているので、どうしたんてすかと尋ねると、浪人達が店の女中の応対が悪いと難癖をつけて、
いるんですよ、飲み代を踏み倒す腹でしょうと答えたのです、店を覗くと主人が地べたに頭をすりつけて謝っています、
謝るならいくらか出したらどうだと、刀の鞘で蕎麦屋の主人の肩をこずいていたのです、真一朗が後ろから、刀を取り上げると、何をするんだとカラムので、
みっともない、飲み代を踏み倒そうと難癖をつけるとは、あさましいうと、刀を抜こうとしたので、手で押さえ足払いをかけると、そこに尻餅をついたのです、
そばにいた、二人の浪人が同じく刀に手をかけたので、両手で押さえ、すばやく、二人の股間を蹴り上げると、うめき声がして、その場にうずくまったのです、
ここでは迷惑だ表に出ろといって、表で待っていると、3人が出て来て刀を抜いたので、そばの木をにぎり、右から手、足、肩を打ち据えるとギヤ~とわめき、
かなわないと見たのか一目散に逃げていったのです、
周りから拍手が起こり、蕎麦屋の主人が、お陰で助かりました、さあ中に入ってください、是非ここの蕎麦を食べてみて下さいというので、わかりましたと、
イスに座ったのです、メイがすご~い、信一郎様は本当に、お強いのねと感心しています、
主人が、さあどうぞと蕎麦を二つ出したので、それでは頂こうかと、箸をつけると、こしがあってなかなか美味しいので、これは美味しいといい、メイも、
本当おいしいわといい、主人はありがとう御座いますと嬉しそうに笑っていたのです、
不思議な事に自分の言葉使いも、その時代の言葉になってしまっているのにおかしくて思わず笑うと、メイが何がおかしいのですかと聞くので、すっかりこの時代、
の人間になったみたいだねと言ったのです、
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