第7話 ゼロ時 ショーの始まり

 笑美子たちは暗闇の中を歩いた。


 それぞれの歩幅が違い、バラバラだった足音が、歩くごとに整っていった。最後にはヒールが床を叩く音は一つしか聞こえなくなっていた。


 笑美子は教わったことを頭の中でつぶやき続けた。


『背筋を伸ばして…… 背筋を伸ばして……』


 亜美の注意を思い出しながら、呪文のように繰り返した。道標になる足元の淡い光だけが頼りの暗がりを、笑美子は歩いていった。


 いつの間にか、曲が変わっていた。


「『My Bloody Valentine』の『Feed Me With Your Kiss』だ」


 笑美子の声は大音量のノイジーなギターの音にかき消された。うねるような音が満ちた暗闇を歩いていると、平衡感覚が狂うような錯覚を感じた。


 ギターの音とボーカルの声がフェードアウトしていくと共に、ざわめきが聞こえてきた。大勢の話し声やガラスや金属がこすれたり、ぶつかる音が聞こえた。


 突然、天井の照明が明滅した。


 明るさに笑美子は思わずうつむいた。少しして、自分のいる場所に気づき、息を飲んだ。


 笑美子は壁だけではなく、床も透明な巨大な円筒の中にいた。その外には、控え室の廊下で見た以上の男女が蠢いていた。


「ひゃあ!」


 笑美子は声を上げたが、円筒の中にいる誰からも声は聞こえなかった。笑美子は慌てて口を押さえた。


 ガラスや金属の音は、皿や食器がぶつかる音だった。観客たちは「出し物」を見ながら、飲食を楽しんでいた。


『なんだろう? なんだか面白くないな』


 見られることが商売で、笑美子もそれに慣れているはずだった。


 それでも、笑美子の中には腑に落ちない「不愉快さ」が生じた。


『みんなはどうなんだろう?』


 笑美子は少し頭を動かした。


 円筒の中にアリサの姿があった。真面目、というより、能面のような無表情で前を見ていた。


『フルスケールの美少女フィギュアだ』


 ウットリとして、笑美子はアリサに見惚れた。


 よく見ると、その前に先輩の美千香の姿があった。美千香もまた表情を変えずに前を見ていた。


『ほかの人も見たいけど…… アリサちゃんと美千香先輩の真似をしよう……』


 振り向きたい衝動に、笑美子は耐えた。


 円筒の中には、「アイドル」と呼ばれる種類の少女たちが集められていた。


 円筒のそばの床がせり上がってきた。上部には金色の転落防止の柵がつけられていた。あるいは、本物の金なのかもしれなかった。


 その中にパープルの派手なスーツを着込んだ男が立っていた。短く刈った髪の両側に金のメッシュを入れている。男は観客の歓声に応えるように手を振った。左手の金の時計が光を受けて、きらめいた。


「レイディース・エーンド・ジェントルメン!」


 男の声に笑美子は目を凝らした。


「リュウ・大熊?」


 笑美子の小さな声が聞こえたように、男は素早く右手で笑美子を指した。


「イエ~ス・アイ・アム! お目が高いぜ。プリティ…… 違うな…… ファニーフェイスなお嬢ちゃん」


 リュウが笑美子を見ながら、マイクに向かって叫んだ。


「だが、黙ってろ。お前は仕事中だ。サイレント・プリィィズ!」


 笑美子は黙ってうなずいた。


 リュウが観客に深々とお辞儀をした。


「お集まりのエブリバディ! 今宵皆様とご一緒いたしますは、今回の「早乙女選抜」進行役を務めさせていただく、大熊竜児(おおくま りゅうじ)、リュウ・大熊だッぜぇぇぃ、イエェェェイ!」


 観客が「イエェェェイ!」と叫びながら手を突き上げた。


 笑美子は熱気に目を見はった。並んでいる何人かの少女たちが観客に混ざって、にこやかに笑いながら手を突き上げた。


 だが、アリサや美千香は顔色一つ変えなかった。石像のように直立したまま動かない。


 笑美子はアリサと美千香を手本に姿勢を正したまま、次を待っていた。


「おい、お前ら」


 リュウの声に観客が静かになった。全員の目がリュウの視線を追うように、舞台に集まった。観客と一緒にはしゃいでいた少女たちが、視線に気づいてうろたえながら手を下げた。


「真剣にやれよ。真剣に。お前ら、真剣みがナッシングだよ」


 リュウは凍りついた者たちを睨みつけた。


「今年はニューフェイスが多いのかぁ? 何をやるのか分かってないから、真剣味がナッシングなんだろう」


 リュウがニヤリと笑った。


「じゃあ、親切にしちゃおうかなぁ! 本番前の座興だぜ。みんな! 楽しんでくれッ!」

「イエェェェイ!」

「サンキュー、エブリバディ! これから何をやるか。しっかり、ルゥゥゥック!」


 観客が叫んだ。


「ルック! ルゥゥゥック!」


 リュウと円筒舞台の間に、水槽がせり上がってきた。水槽の中には男が二人いた。


「諸積支配人だ!」


 笑美子と美千香が同時につぶやいた。ゆっくりと二人を見てから、リュウがニヤッと笑った。


「イエース、ヒィ・イーズ! だが、シャラップ。解説はオレのし・ご・と・だ。お前たちは静かにしていろ」


 リュウが楽しそうに言った。


 美千香の表情が一瞬で消えた。笑美子は肩をすくめて、小さくなった。


 諸積はエックス型の台座に金色の鎖で両手両足を縛られていた。口にはギャグをかまされていた。


 何かを叫んでいたが、声は聞こえなかった。口を閉じることができす、ただだらしなくよだれを垂らしている。


 気取った白いスーツはすでによれよれになっていた。目は血走り、いつもは丁寧に七三にセットしている髪もボサボサになっていた。


「言っておくがなぁ。あの鎖もお前らのプレートの鎖も24金、本物のゴールド・だ・ぜ」


 笑美子は驚いて、自分の首にかかっている鎖を見た。


「さて、少しお勉強だ」


 リュウがポケットから赤い実を出した。


「何だか知ってるかーい!」


 誰かが叫んだ。


「赤ピーマン!」


 リュウが右手の人差し指を顔の前で左右に振った。


「ボケてくれてサンキュー! ちっがうんだよ。これはネズミのフンだ」

「ネズミのフン?」


 おもわず笑美子がつぶやくと、リュウと目が合った。笑美子は首をすくめた。


「いい反応だな。お嬢ちゃん。そう、ネズミのフン、プリッキーヌ―だ」


 リュウはプリッキーヌ―を客席に放った。


「とうがらし系の辛さは、スコヴィルって単位で区別できるんだぜ。知ってたかい」


 四方の大スクリーンにスコヴィル値の図が表示された。


「辛さがどのくらいか見てみようか。ルゥゥゥック! トムヤムクンに使われているプリッキーヌ―の粉末は一〇万スコヴィルに達して、い・な・い・ん・だッぜぇぇぇ!」


 図がスクロールして下の方で止まった。


 リュウは左のポケットから弾丸を取り出した。


「プリッキーヌーの粉末を詰めた弾丸が、これだ」


 さらに右のポケットから妙に銃身の長いリボルバーを取り出した。


「この弾丸を使うハンドガンだ。さて、使い方を見てみようか」


 水槽の中の黒服がリュウと同じリボルバーを観客に見せた。


 リュウが説明した。


「このリボルバーはシリンダーに六発の弾丸が装填できる。そこに一発入れて、シリンダーを回す」


 黒服が説明の通りの動作を行った。弾丸を入れ、シリンダーを戻してから手のひらで数回シリンダーを回した。


「そして、銃身を相手にくわえさせる」


 黒服が諸積のギャグを外した。諸積は涙を流しながら何かを訴えていたが、黒服は問答無用で銃身を口の中に突っ込んだ。


「当たりは六分の一だ。支配人さんの運はどうかな?」


 観客がカウントダウンを始めた。


「スリー・ツー・ワン……」


 リュウと観客が叫んだ。


「シュート!」


 黒服がトリガーを引いた。すぐに銃身が外れた。


 諸積は銃身を吐き出し、頭をのけぞらせた。口から赤い霧が立ち昇った。


 リュウは顔をしかめた。


「面白みのねぇ男だなぁ。1回でアウトかよ。運のひとかけらもねぇ、バッドラックな野郎だぜ」


 笑美子はつばを飲み込んだ。


 諸積の体がガクガクと揺れていた。口から吐き出されたモノで、スーツの色が変わっていく。それだけではなく、諸積の下半身も黄色く染まり出していた。


 客席の笑い声だけが空間を満たしていった。


「アンダスタン? テクニックも何もない。ただ運だけのゲームだ。右手と左手の区別もつかないお前たちにはうってつけだ・ぜッ!」


 笑美子のまわりで、息を飲む音が聞こえた。


『自分たちの運命を飲み込もうとする音だ……』


 笑美子も恐怖に耐えながら、顔色を変えないように努力していた。


 水槽が下がり出し、観客は拍手で悶え苦しむ男を見送った。


「さぁ、それではお楽しみ。まずは賭けの時間だ」


 大スクリーンの上に「05:00」、下に1から48の数字が表示された。それぞれの数字の横には別の数字が書かれていた。


 笑美子が自分の番号を見ると「13→1000」と書かれていた。


 掲示板を見ていたリュウが目を剝いた。


「おいおいおい…… 13番は1000倍かよ。1000倍なんて、オレも初めて見たぜ」


 照明が暗くなり、ピンスポットが笑美子を照らした。


「おまえか…… 確かに運のなさそうな顔だな。エブリバディ、どうする? よく見てくれよ。運がありそうなヤツかどうか。ここで運に見放されないように、な」


 リュウは笑美子の顔をしげしげと見て、ニヤッと笑った。


「さぁ、もう決まった子がいるかーい? 時間はファイブミニッツ! 決めてくれ! 賭けてくれ! スタート、だッ!」


 ピンスポットが消え、再び照明が点いた。


 大スクリーンの数字がカウントダウンを始めた。


 ざわめきが大きくなり、異様な熱気が広がり出した。



 ゼロが四つ並んだ瞬間、場内の照明が赤くなった。巨大モニタが赤く明滅すると観客の赤く染まった顔の影が不気味に動いた。


 これほど恐ろしい笑い顔を笑美子は見たことがなかった。


「ジ・エンドッ!」


 そう叫んだリュウが左の拳を突き上げると、後ろから二本のスモークが吹き出した。


 部屋の明かりが点滅して、一気に暗くなった。スポットライトがリュウだけを照らした。


「時間だ…… 時間が来た……」


 リュウが小さな声で言った。


「全ての早乙女から真の早乙女を選ぶ、その時が来た」


 円筒の中心にスポットライトがついた。


「全員足元のラインの上に並べ! そして、中心を向け!」


 ヒールが鳴った。笑美子も体を動かして円を描く線の上に並んだ。


 扉が開き、六人の黒服たちが現れた。


「ハンドガンと弾丸を受け取れ」


 黒服たちは手際よく少女たちに銃と弾丸を配っていった。配り終えると、二人の黒服が残り、四人は出ていった。二人はスポットライトの中心に立ち、光を浴びながら背中合わせで立った。


「ハンドガンを右手に持て。左のボタンをスライドさせてシリンダーを開けろ」


 リュウの指示通りに、黒服が動いた。


 笑美子は黒服の動きを見てから、銃に目をやった。銃の左側、シリンダーのそばにボタンがあった。黒服の動作を思い出しながら真似て、笑美子はシリンダーを開いた。


「弾丸を込めろ」


 笑美子はシリンダーの中に弾丸を入れた。


「シリンダーを戻せ」


 黒服が銃を振った。笑美子も真似をした。勢い良くシリンダーが戻り、カチッと音がして止まった。


「ハンドガンをかかげろ」


 黒服が顔の前に銃を持ち上げた。


「シリンダーを回せ。グルグル回せ! 回せ! 回せッ!」


 リュウの勢いに圧倒されながら、笑美子は必死に左手のひらでシリンダーを回した。


「ストップ!」


 シリンダーのこすれる音が消えた。いつの間にか、場内のざわめきも消えていた。


 笑美子は自分と円筒にいる者たちの鼓動だけが聞こえるように感じた。


 スポットライトが消え、ゆっくりと照明が明るくなった。


「ハンマーを起こせ」


 黒服がハンドガンを横にして撃鉄部分を見せた。親指で撃鉄を動かした。


 重さと冷たさを感じながら、笑美子は撃鉄を起こした。


 黒服が全員の銃の撃鉄の位置を目で追った。


 全員の撃鉄が起こされていることを確認すると、黒服たちは向かい合うように向きを変えた。


「二度は言わない。よく聞け!」


 リュウが言った。


「用意が済んだら、カウントダウンが始まる。『シュート!』

の号令でトリガーを引け。ドゥ・ユウ・アンダスタン?」


 笑美子はツバを飲み込んだ。


「左手を腰にあてろ」


 黒服たちが腰に左手を当てた。笑美子も同じように左手を腰にあてた。


 リュウが次々と命じた。


「右手を横に伸ばせ」


 黒服たちが右手を伸ばした。笑美子も右手を伸ばした。銃の重みが全身に伝わった。


「左を向け」


 笑美子が左を向くと、目の前に銃口があった。歯に引っかけたり、口の中を傷つけないように、銃身には照星はついていなかった。


「くわえろ」


 笑美子は黒い銃身をくわえた。銃身は細かく震えていた。


「はずれないように銃身を噛んでいろ」


 笑美子は外れないように銃身を噛んだ。


 舞台を眺めたリュウが満足そうにうなずいた。


 わずかに間を置き、リュウは静かに言った。


「いよいよ、早乙女を決める時が来た」


 リュウは観客を見て、ゆっくりと繰り返した。観客はリュウの言葉を復唱した。


「いよいよ」

「いよいよ!」

「早乙女を決める」

「早乙女を決める!」

「時が来た!」

「時が来たッ!」


 リュウが大きく息を吸い、一気に言った。


「さぁ! クチ・クチ・クチ! クチ・死・あーん・ルーレットのはっじまりだぁぁぁッ!」


 歓声があがった。


 リュウの背後で、花火とスモークが炸裂した。


 場内の照明がわずかに暗くなった。その反対に明るさを増した巨大モニタ上に数字の「10」が現れた。


「それじゃあ、いっくぞ! カウントダウンだぁ! テン…… ナイン…… エイト……」


 リュウの声と観客の声が重なった。


「セブン…… シックス…… ファイブ…… フォウ……」


 笑美子は目をきつく閉じた。


「スリー…… ツー…… ワン…… シュートッ!」


 うめき声と倒れる音が聞こえた。どよめきの中、不満そうなブーイングが起こった。


 気づいたリュウが怒鳴った。


「何やってる! 13番! さっさとトリガーを引け!」


 笑美子の目から涙が溢れた。必死に右手の人差し指を動かそうとするが、力がそこにたどり着かない。


 右手の人差し指が凍りついたように固まって動かなくなっていた。


 リュウがさらに怒鳴った。


「このクズ! さっさとトリガーを引くんだッ! お前はそんな簡単なこともできないのか!」


 観客がざわめきだした。


 リュウの顔が激怒で赤く染まった。


「お前、『早乙女選抜』をダメにする気か。シュート! シュート! トリガーを引け!」


 リュウの声にかぶさるように観客から声がかかった。


「ポテコ! シュート!」


 その声が大きくなった。


「ポテコ! シュゥゥゥト!」

「ポ・テ・コッ! シュゥゥゥト!」

「ポ・テ・コッ! シュゥゥゥトッ!」


 笑美子の指が動いた。


 カチッ……


 トリガーを引いた瞬間、笑美子の腹に激痛が走った。


 笑美子の口から黒光りする銃身が落ちた。


 笑美子が顔を下げると、つま先が腹に食い込んでいた。


 衝撃に吹っ飛ばされ、笑美子は壁にあたってから床に倒れた。


「このノロマ野郎!」


 見上げると、黒髪のロングヘアの少女がにらんでいた。少しつり上がった目が怒りで燃えていた。


 笑美子は腹を抑えながら必死に声を出した。


「ごめんなさい」

「ごめんじゃないよ。無駄に引き伸ばしやがって」


 少女の右足が上がった。


 ヒールで踏まれると思い、笑美子が体を固くした。


 二人の間に別の女性が入り込んだ。


「勘弁してやってくれ。琴音」

「どきな。美千香」


 笑美子の前に美千香が立ちはだかっていた。


「不出来なノロマでも後輩なもんでね。そうもいかないんだよ」


 琴音が美千香を見下すように、あごを上げて見下ろした。


「わたしを知らないわけじゃないだろう? どけ」

「同じことを何度も言わせるな」


 美千香の返事に、さらに琴音の目が釣り上がった。


 美千香は素早く動けるように膝を曲げた。


「ヘイヘイヘイ! キャットファイトは禁止だぜ。お二人さん」


 リュウの声に美千香と琴音はハッとしたように周囲を見た。いつの間にか、左右に三人づつ黒服が立っていた。


 琴音のすぐそばに立った、ほほに傷のある黒服が声をかけた。


「『早乙女選抜』真っ最中だからな。スタンガンで気絶というわけにはいかないぞ。少し手荒なことになる」

「山田隊長、御自らかい」


 忌々しそうに琴音が舌打ちした。


「美千香! そのチビ、きちんと教育しておけよ…… どけ!」


 琴音は黒服たちを押しやり、ドアに向かった。


 ほっとした途端、笑美子は周囲のすえた臭いと悲鳴にもならないうめき声に気づいた。


 まわりを見ると、少女の何人かが倒れて転がっていた。倒れた少女たちのスカートがめくれ上がっている。のどをかきむしっている数人の上半身は裸に近くなっていた。


 とてもアイドルとは思えない姿だった。


 その姿を観客は見ていた。


 面白そうに指さす者がいれば、顔を真っ赤にして怒鳴っている者もいた。


 笑美子は体を起こして、スカートを直した。


「大丈夫かね」


 山田に聞かれ、笑美子は照れ笑いを浮かべた。


「加減して蹴ってくれたみたいで…… 大丈夫なんですが…… 腰が抜けました」


 美千香が苦笑した。


 美千香が右脇に手を入れて持ち上げようとした。


「意外と重い子だね。山田隊長、悪いけど誰か貸して」


 山田はわずかに笑みを浮かべた。


「力の抜けた人間は重いものさ…… おい! 手伝ってやれ」


 山田の声に、一人の黒服が近づいた。


「失礼」


 黒服が笑美子の左脇に手を入れた。美千香と黒服が笑美子の上半身を持ち上げ、引きずってドアに向かった。


 タンカを持った黒服たちとモップやバケツを持ったメイドたちが、笑美子たちの横をすり抜けていった。


 三人がドアを抜けた。


 笑美子の前でドアが閉まり、全ての音が消えた。

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