第13話 12/24(日) 18:00

ジー……


オーブンがクッキーを焼く音が静かに聞こえる。

母の指導のもと初めてクッキーを作ったが、なかなかうまくできた、とリョウコは自負する。

レシピ通り、母に言われるがまま、であったことは、ひとまずこの際考えないことにして。


チーン!


「できたみたいね~」

オーブンが開くと、とても美味しそうなバターの香りが一気に広がる。

アーモンドのラングドシャクッキー。

きっとサンタさんが好きであろう、そして、リョウコの父の大好きなクッキーだ。

「試食してみましょ」

「うん!」


サクッ


「あ、あつっ!

 …でも、コレは美味しい!」

「うんうん、よく出来ているわね~」

「よかった…。

 次も焼いちゃおう」

残ったタネを再び手に取り、次の焼きに入る。


最終的に、学校の友人に配れるほどのクッキーが出来上がった。

「アレ、も用意したし、今夜の準備は完璧…のはず」

「何か言った~?」

「ううん、なんでもないよ、おかーちゃん」

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