第6話 12/23(祝) 12:00

「ほーら、リョウコ。

 いくら休みだからって、寝すぎよー?」

「…ん……。ごめん、おかーちゃん。

 …12…時……??

 これは……寝すぎた気が…………」

「って、言いながら寝ないの!

 シーツ洗っちゃうから、さっさと起きてご飯食べちゃいなさい」

「ふぁぁあい……」

半分以上寝ぼけたまま、もそもそとベッドから抜け出す。

「みゅぅ、さすがに夜更かしひふひふぁあわあぁああ」

結局、昨日は思考を整理しながら、気がついたら机の上につっぷして眠っていた。

寒さで目が冷めた時にはすでに4時を回っており、片付けもそこそこに布団に潜り込んだのだった。

時間としてはそこから8時間近く寝たことにはなっているが…。

(あんまり寝た気がしないのは、変な寝方したからだろうなぁ…)

大あくびをしながら部屋から出ていくリョウコを横目に、母親がベッドのシーツをはがしにかかる。

「それにしても、もうテストも終わったというのに、何をしていたのかしら?」


(うーん、夜中まで色々対策を考えてみたけど、なかなかいい案が浮かばなかったな。

 寝て起きてから考える、が正解だったか…)

「あつっ」

寝ぼけた上にぼんやり考えことをしていたせいで、うっかりアツアツのスープをそのまま飲んでしまった。

「うーーーうーーーーー……」

危うく噴き出しそうになったのを、必死でこらえる。

出すわけにも行かないが、飲み込むことも出来ず、苦しむこと約1分。

「……(ごくん)」

なんとか飲み込み、急いで氷を口に詰め込む。


数分後。

「ごひほうはまでひた…」

(うう、ちょっと外出て頭冷やしてこよう)

「ふぅ…。

 おかーちゃん、ちょっと出かけてくるねー」

「はーい、気をつけて行ってらっしゃい~」


「あ、今日あのマンガの新刊出る日か。

 本屋でも行くかなー」

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