第6話 ギルド
目を覚ますと、俺は医務室にいた。
「ようやっと起きたんか。」
「全く……心配したよ」
「全部エドルさんのせいですからね」
「え?お、俺か?」
横では三人が話をしている。
「よかったー。もー、エドルさんはやり過ぎですよー」
職員も四人分のお茶を入れてこちらにきた。
「小吉さん、痛むところはありますかー?」
そう言いながら職員はエドル、大舞、アナにお茶を渡した。
「いや、大丈夫です」
俺はそう答え、お茶を飲もうと思い体を起こす。
しかし、俺がお茶を受け取ろうとすると……
「ズズズ……はぁー。我ながら美味しく入れれましたー」
飲んだ。
「え……?の、飲むの?」
「どうしたんですかー?」
「え?あ、いや……なんでもないです」
えぇぇぇ…………
俺お茶飲めないの?
「って、いやいやいや!俺のお茶は!?」
俺だって飲みたいんだけど!
「あ、飲みたいんですかー。じゃあ入れて来ますねー」
そう言って職員はお茶を入れに行った。
「そうや小吉。お前はんに話あるんやけど」
エドルがお茶をテーブルに置き、俺に寄って話してきた。
「実はな。お前らに俺のギルド入って欲しいんや」
「ギルド?」
これまた意外な話だ。
「そうや。俺は今他の奴と二人でギルドやっとるんやけど、やっぱり厳しいねんな。せやから、お前ら三人に俺のギルド入って欲しいんや」
ギルドか……
「んー……大舞とアナは?」
「この二人は入る言うてはるで」
「なら俺も入るわ」
俺は職員から受け取ったお茶を飲みながら軽く答えた。
「ええんか!?入って貰っても!」
エドルは結構驚き気味に、俺の顔に迫って答えた。
「顔近い顔近い!お前が入れって言ったんじゃねえか。面白そうだし、別にいいぜ」
「ほんまか。いやー、おおきにな」
「いいって。このお茶旨いな」
「んじゃ、そろそろ行こうか!」
大舞が荷物を持って医務室を出ていこうとした。
「そうですね。行きましょうか」
アナも続いた。
「よし!ほんなら行くで」
エドルもだ。
「皆さんお気おつけてー」
職員は見送りをした。
「いや!ちょっと待て!試験の結果どうなったんだよ!」
俺は立ち上がりみんなを止めた。
「あ、そうでしたー。忘れてましたー」
後ろで職員が呼びかける。
ポケットから何かを取り出し、俺に渡してきた。
「これは?」
「これは冒険者カードですー。貴方のステータスが表示されますよー」
俺は冒険者カードを受け取り見てみると数字が沢山書いてあった。
「そのカードを持っているだけでステータスが表示されるので便利なんですよー」
成程。それは確かに便利だが……
「試験受けた意味あんの?」
「ないですー」
ないのかよ。
「ほな小吉、行くで」
エドルが呼んだので、俺は職員に礼を言ってエドルについて行った。
廊下を歩いているとエドルが俺に何かを渡して言った。
「これやるで。スーパーレア確定の武器ガチャチケットや」
「スーパーレア!?そんなもん貰っていいのか?」
「ええで。一階の受付で回せるからな。いいのあてるんやで」
そう言ってエドルは俺より少し前を歩くのだった……
「小吉さーん。またお会いしましたねー」
受付に行くとさっきの職員がいた。
「そうですね。ガチャ回したいんですけど、良いですか?」
「ええ勿論ですよー。チケットかコインを出してくださーい」
そう言われ俺はエドルから貰ったチケットを渡した。
「ではこの中から一枚引いてください」
そう言って職員はコンビニの一番くじみたいな箱を取り出した。
「ガチャっていうから光が集結して……とか、ガチャガチャなるやつ回して……とか想像したけど、これくじじゃん」
俺はつぶやきながらくじを引いた。
紙を見てみると……
「二等……?」
「おめでとうございまーす!二等の『妖刀小悪魔』でーす!」
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