第5話 奢り

 今日は友人数名と遊びに来ている。

 そして今、レストランでお食事だ。

 みんな唐揚げ定食やラーメンなどを頼んだが俺は……

「大地、マジでティラミスだけで大丈夫か?」

「お前意外と女子っぽいな」

「スイーツ男子っていうのか?でも、ちゃんと食えよ。」

「俺は食いたいもん食ってるだけだ」

 昼食はティラミスだけ。

 少食ではないが、沢山頼んでみんなより食べるのが遅かったら迷惑をかけてしまう。だから少なくした。

「そうだ。ポテト頼もうぜ」

「お、いいな」

 ポテトか。

 マキュ・ロナルドのポテト見たくサクッとして塩が多ければ食べるが、そうでなければ別にいらない。

 しかし、これを言うとみんな食べたいポテトを頼まな流れになってしまう。

 だからここは気を利かせて……

「俺もポテト食べたいな」

 まあ、場合によっては食べないが。

「よし。んじゃ頼むか」

「すいませーん」

「はーい」

 店員を呼んだ。しかしラーメン屋ではあるまいし、呼び鈴を押せば……

 いや、なかったのか。

「ご注文をどうぞ」

「ポテトお願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください。あと、呼ぶ時は呼び鈴を押していただければありがたいです」

「あ、すみません」

 やっぱり呼び鈴あったんかい!!


「ポテト美味かったな」

「そろそろ帰るか」

 みんな食べ終わり、会計を呼んだ。

「すいませーん」

「呼び鈴押せよ!!てか会計あっちだろ!」

「あ、そうか」

 やはり俺がいないとツッコミ役は……

 もしかして俺がいるからわざとボケるのか?

「お会計は一緒ですか?」

「別です」

 俺は自分のティラミスの分を支払い、他を待った。

「ポテトはどうなさいますか?」

「割り勘で良くね?」

「すいませんが、当店では割り勘ではなくどなたかが支払っていただくようになっているので。どなたかがお支払いして後で分ける感じでお願い出来ますか?」

 店員がそう言ったので俺らは誰が払うか相談した。

「お前払えよ」

「俺金もうねえよ」

「俺はこの後買わねえといけねえもんあるし」

 みんなどうにかして払うのを免れたいようだ。

 ならば……

「俺が奢るよ」

「いいのか?」

「ああ」

 俺が奢る事になった。

「ありがとう」

 そして俺はポテトの分、五百円を支払った。

 もう財布の金は少ない。

「まあ、大地が一番食ってたしな」

「大地美味そうに食ってたな」

「大地ティラミスだけだったもんな」

 みんなが俺にそう言ってくる。


 因みに、ポテトはもしゃもしゃの奴だったので一つ味見で食べただけだ。

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