第6話 御用納め前に考える高齢化

 東京で人生の大半を暮らしているが、街を見渡してみて改めて高齢化社会の実感がわいた。

 街を歩く人のほとんどが高齢者なのは前からそうだが、街を構成する建物の高齢化の勢いが凄い。

 古い建物が多いという意味ではなく、高齢者向けの建物が次々と新規に建てられたりするという意味でだ。

 デイサービス、配食サービスに老人ホームといたる所に高齢者向けの施設が増えている。

 総人口の1/4以上を占めるのだから需要はかなりあるということは想像がつく。


 公園に併設されている施設も日中は老人しか見ない。

 近所の公園のテニスコートは平日休日問わず賑わっているが、学生が使ってる所は見たことがない。


 しかし、働いている高齢者も多い。

 最近はコンビニの店員や交通誘導員なんかでよく見かける。

 高齢者が就労する理由のほぼ半分が「収入がほしい」という理由だそうだが、年金受給額の減額や開始時期の後ろ倒しなど色々原因は考えられる。

 その年になっても働かないといけないということは自分達はいつまで仕事をするのだと考えてしまう。

 年金制度はそもそも存続しているか怪しいものだが…。

 ともかく、街の施設が老人向けなら働いている人も老人という社会全体で老老介護のような地獄みたいな光景が広がっている。

 小児性愛者の私からすれば本当に地獄だ。


 これから出生率が奇跡的に改善したところで、彼らが労働人口に数えられるまではラグがあるわけで、それまでは毎年減っていく労働人口で高齢者を支え続ける必要があるわけだがそれだけの体力が今のこの国にあるのだろうか。

 団塊の世代の定年と就職氷河期時代に空いた企業の中堅世代の空白が重なって技術の伝承が企業内でうまくいってないという話もあるが、信用だけがウリみたいな所がある日本製品が売れなくなったらこの国は何で食っていくのか。

 ギリシャみたいに観光業でやっていくのかもしれない。

 余談だがギリシャも借金が多い国で知られているが、観光業が強いかの国では外貨が勝手に入ってくるので、国民にそんなに働かないでも金入ってくるじゃんみたいな空気があるらしい。


 就職氷河期世代とゆとり教育世代が高齢者になったとき、下の世代から何と言われるのかだけは少し気になる。

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