第6話俺が教える側な!
勉強会当日!いつも通りの学校、いつも通りの授業、でも少しずつ変化してきたことがある。
それは俺の頭脳である、この前までは教科書見なくてもできるレベルだったんだが、まぁ、これも大概なんだけどさ。最近はどの参考書にも乗ってないようなたぶん新発見の公式を全部の範囲で見つけちゃったり、もう学者の域に達しちゃってるというか・・・授業中でも先生の話が幼稚園児の会話位にしか思えなくて困ってるんだよ。
「こりゃ勉強会しなくてもいい説あるな・・・」
『キーンコーンカーンコーン』
あ、授業終わったわ。これで今日も学校終わりねぇ、なーんか味気ないな。まぁこれからが恐らく本番なんだがな!
「天太ー!帰ろー」
まこちゃんだ、今日はやたらと早いな・・・余程楽しみなんだろうな、俺はなんだが勉強に飽きたけど。
「おおー、エイジも行こうぜ」
「ああ、俺も今帰る準備出来たとこだ。」
「うし、じゃあ俺の家へレッツゴー!」
「「おー!」」
―――――――――――――――――――――――
「ただいまー!」
「おかえりなさいお兄ちゃん。」
当然ながら妹が不機嫌だ、自然と苦笑いしてしまう程に真琴たちを嫌がっているのが伝わってくる。
「お兄ちゃんほんとに連れてきたんだね、せいぜい楽しくやってれば!」
ドスドスドスと妹は行ってしまった。まぁ、こっちにちょっかい出されるよりはましと言えばましなんだが・・・後で謝ろ
「二人とも入っていいぞ」
「「おじゃましマース」」
「じゃ、俺の部屋に案内するから」
スムーズに俺の部屋へと案内する、妹はもちろん姉に会わせてしまったりしたらどんな修羅場が待ってるか分からないからな、その場合エイジは空気化することになるだろう、それも避けたい。
「ここが、俺の部屋ね。俺の望みからいませて頂くと出来るだけこの部屋を出ないで欲しいかな、トイレとかは別だけど・・・」
「はーい」
「了解」
「じゃあどうぞ入ってください」
『ガチャ』
二人ともからうわぁと声が聞こえる、そうだろうそうだろう!何も無いだろう!だって昨日全部片付けたもん、ゲーム類は全部隠しといたもん。そりゃあ何も無くなるってもんよ!
「思ったより何もないんだな」
「ああ、掃除したからな!」
「・・・」
「ん?」
まこちゃんが何も言葉を発さなくなったと思った次の瞬間・・・
『ダッ』
「あ、おい!」
「だーいぶ」
一直線に俺のベッドに向かっていき勢いよくベッドに倒れ込んだ。
すーはー聞こえるし、なんかブツブツ言ってるし・・・まこちゃん、キャラ変わっちゃってますよ?大丈夫ですか?
「ここで天太が寝てるのかぁ〜、僕もここで寝よっかな〜」
「馬鹿野郎、今から勉強会だろ?早く起きて、机に向かって座りなさい。それにまこちゃん今日は先生役でしょ?」
「はっ!そうだった、さぁさぁ教えてあげるからそこに座りなさい!」
急に元気になったな・・・まぁ、でも勉強会はスタートしたな。
―――――――――――――――――――――――
勉強会が進むにつれて気づいた事がある、なんか俺が二人に教えてるんだが・・・エイジに至っては勉強はまるでできない族だったようで何回教えても出来る気配がない。
「こんなはずじゃ無かったのに・・・」
不意にまこちゃんが呟く、俺も同じ気持ちだよ今日はバリバリ教えてもらう気持ちでいたからね。
あ、間違えてる。
「できたー!天太くん、採点頼むよ」
「おお、ほんとに出来てんのか?」
「もちろんだぜ!満点間違いなしだな!」
ほお?ではいかほどか見せてもらおう・・・
どれどれ
「・・・」
「どうだ天太くん、素晴らしいだろう」
「こんの、馬鹿野郎!どうしたらこんなに間違えられるんだよ!中学生レベルの問題だぞ!特にこの国語の問題ことわざくらい分かるだろ、知らぬが仏だよ!なんだ、知らぬが顔って!見知らぬ人のことを言ってるんじゃないんだよ!珍回答にも程があるわ!」
「な、なに間違えていたか・・・俺としたことが不覚」
不覚、じゃねーよまじで10問中一つも合ってないってどんだけだよ。
「で、まこちゃんはできた?」
「待ってあともうちょいだから・・・できた!」
「できはどうなんだ?」
「僕も自身はあるよ!たぶんエイジよりは出来てると思う!」
だろうな、じゃなきゃどの口が教えてあげようって言ってたんだ、なるからな。
「・・・どれどれ。」
「ゴクリ」
ここ間違ってるな、惜しいのに。あ、ここも間違ってる。まぁ、でも他は合ってる・・・か。
「うん、まぁまぁだな。でもボンミスが多い!7点!」
「ええー!頑張ったのにーボーナス点とかない?」
上目遣いでこっちも見ても何も出ません、確かに可愛いけど勉強に彼女は関係ないのです。
「ありません、もっと頑張ってね」
「ケチー」
「ケチー」
「おい、エイジお前はボーナス点以前に0点だろうが何であたかもボーナス点貰えます的な位置にいるんだ。」
「えー、いいじゃないかそれくらい。」
「はいはい、それより勉強しろよ。」
カチカチと時計の音が響いて時間は過ぎて行った。
―――――――――――――――――――――――
勉強会開始から2時間
「もうそろそろ俺は帰るよ。今日はありがとう、勉強会またする時は読んでくれ」
「おつかれー、また今度な。」
ひと段落付いたところでエイジは帰って行った。あいつは間違える度に「なにっ」とか、「なんだと」とか一々反応するのが面白いから、また呼ぼ。
「まこちゃんはどうするんだ?」
「んー?僕はねぇもうちょっといるよ。」
「そうか。」
沈黙が流れる、何気にこの時間あんまり好きじゃない、ずっと一人で引きこもってたとしても何もしていない時間は不安になるものだ。
「・・・」
「・・・」
「ねぇ、もうちょっと近くに行ってもいい?」
何この子、急に雰囲気変わったんですけど、てかもう近くに来てるんですけど?
「どうしたんだ?まこちゃん」
「幸せだね、この時間。二人きりで一つの部屋に誰にも邪魔されない時間。」
「あ、ああ、そうだな。」
くそっ、不覚にもドキッとしてしまった。我が彼女ながらに可愛いな。でも俺も同じ気持ちなのかもしれない。さっきまでの沈黙は今では幸せな沈黙になっている。
「ホントだな幸せだ」
「僕日本に戻ってきてよかった〜」
そんな時間をゆっくり過ごして時間は過ぎ、超過ぎて・・・
「あ、鍵忘れた。」
「はあ?」
「お母さん今日の5時から出張でもう家に居ないし明日まで家に帰ってこない・・・」
「どうすんの?」
不味い、なんてことをしてくれたんだこの子は。これは流れ的にてか確実に家に泊まっていくことになるだろう。そうなれば姉、妹との接触は免れない。
「どうしよう、僕帰るとこない・・・」
「あ」
そんな、悲しい顔しないで。分かったから家に泊めよう。てか俺の部屋に泊まってくれれば被害は最低限に抑えられるし。あ、別に下心はないからね?たぶん。
「分かった、よし、今日は家に泊まってきなよ。」
「ええ!?いいの?」
瞬間パーッと表情が明るくなるまこちゃん。うん、可愛い。でもとりあえず俺の部屋になることを伝えなければ・・・
「いいとも、その代わり俺の部屋になるけどいいか?」
「え、いいの?やった」
ええ?その反応?もっと嫌がるかと思ってたんだけど、付き合って1週間もたってないよ?
「お泊まり〜天太と一緒にお泊まり〜。寝る前には、ぐふふふふ」
本日二回目、キャラぶれてますよまこちゃん。
つってもまぁ、1日だけだしな。
「じゃあ、天太のお母さんとかにも挨拶しないとね!」
「は!それがまだのこってたんだったぁ!」
俺は無事にまこちゃんとお泊まり会が出来るのか!
って言ってる場合じゃねーよ、まじでどうすんだよ。ちくしょう、もうなるようになってしまえ!
「どうするの?天太」
「よし、今から行くぞまこちゃん」
さぁ行こう戦場へ
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