第5話男子がこちらを睨んでいる友達になれますか?
昨日の1件でまこちゃんが彼女になったわけだが、彼女いない歴=年齢だった俺にとって隣に女の子がいるってのはなんともむず痒いものだ。
「天太はさ、僕がアメリカに行ってた間ずっと部屋にこもってたの?」
「ああ、なんだか全部どうでも良くなってな、それなら自分の好きなものだけに没頭しようってな。それはそれで楽しかったんだけどな」
「ふーん」
でもまぁ、今こうやってシャバの空気を吸いながら話せてること自体が偶然っちゃあ偶然なんだけども・・・気にしない気にしない!
「てか、まこちゃんは向こうで彼氏とかいたのか?」
別にずっと気になってたわけじゃないんだからね!まこちゃんに彼氏がいたとか別に気にならないし?ほんとに興味本位だし?・・・嘘ですずっと気になってました。
「まぁ、ぼちぼちって感じでいたかな。でも楽しくない恋愛だったけどね」
「ほーん、そうですかい 」
なんか、負けてる感がやばい。ちょっと前までブサイクだったから仕方がないんだけどさ。
「あ、学校着いたね」
「視線もすげぇな」
そりゃあ来て三日目の奴が女の子と歩いてたら見られるわな。まぁこの顔で目立たないでおこうなんて無理な話なんだけど・・・ちょ、ちょっと男子の視線が怖いかな。明らかに殺意がこもってるのが2、3人いるんだが。
「これ、友達出来るかなぁ・・・」
――――――――――――――――――――
まこちゃんと別れ自分の教室に入る、よし、友達作ろう。・・・と思ったけど話しかけるのハードル高すぎだろ、ひきこもりだった俺には土台無理な話なんだが。
「ホームルーム始めるぞー」
そうこうしている内に先生が来てしまった。くそうまた友達が出来なかった・・・
時は流れ、ホームルームは終わり一限目、数学の時間のこと。
「ここが、この公式を使って解ける、であるからして〜」
どうやら神様俺の脳まで改造したようで1回もやったことないのに教科書の問題全部解けてしまうんだが・・・。こりゃ授業はずっとつまらない時間になりそうだな。
「ん?」
左横からなんか視線を感じる?
少し首をずらしてそちらを見ると一人の男子生徒がこちらを見ていた。金髪でハーフの様な容姿に座っていても分かる長い足。
なんかめっちゃ見られてるんですけど?俺なんか悪いことしたかな?
「ハハ」
とりあえず笑って返しておく。そんなこんなで1限目が終わった。
――――――――――――――――――――
休み時間・・・
さっきずっとこっちを見てた少年がずんずんと大股でこちらに歩いてくる。
さながら怪獣みたいな感じだ。怪獣にしてはハンサム過ぎるけどな。
「なあ」
「何かな?」
話しかけてきたー!声高いな、ってそんなことよりここは冷静に行こう。
「ちょっと来てくれないかな?」
「?」
どっかに行くみたいだ、とりあえずついておけばいいかな?思ったより背は低いな、
あ、俺が高いのか。
少年の後ろをついて行くこと1、2分。階段の踊り場まで来た。今からかつあげされるのかな?だとしたら怖いな!
「言いたい事は分かってると思ってるんだけどさ」
「ひっ、わ、分かったからはやまるn」
「友達になってくれないかな?」
「へ?」
「だから友達になって欲しいんだ、見た通り俺はハーフでさ人より少し目立つし自分で言うのもなんだけど整った容姿だと思うし。だから今まで仲間はずれにされてたんだよ。そのに君が来てさ、直感で友達になれると感じ取ったね。だから友達になろう!」
あー、なるほどね俺と逆バージョンのいじめね、ちょっとイラッとしたけど悪いヤツじゃあ無さそうだし友達欲しかったし・・・
「いいよ、これから俺たちは友達だ、We are friend!」
「ありがとう!Yes.We are friend!」
これだよこれ!俺の送りたかった学園生活!普通に友達がいて、彼女がいて、虐められない生活!ああ、人生ってすばらすぃ
――――――――――――――――――――
放課後・・・
「ってことがあってさぁー!そういう訳で友達になりました、武田エイジくんだ!」
「よろしくお願いします、僕は天太の彼女の宇佐美真琴です。」
「やっぱりつきあってたんだね。俺はさっき言われた通り武田エイジだよ。よろしく」
うん、仲良くなってくれそうで良かったよかった。これで俺の幸せな学園生活は約束された様なものだな!
「そう言えば天太さ、友達作るのはいいけどさ1週間後中間テストって分かってる?」
「「え?」」
俺とエイジの声が重なる。お前も知らなかったんかい。でも、どうしよう赤点とったら補修だよな・・・
「よし!エイジ、まこちゃん、勉強会するぞ!」
「はぁー、そんな事だろうと思ったよ。仕方がないから僕が教えてあげよう。」
「「わぁーい」」
また俺とエイジの声が重なった。そうと決まれば明日から早速勉強会だ!
「で、勉強会は誰の家でするの?」
「え?天太の言えじゃないの?」
馬鹿野郎、エイジお前そんなこと言ったら家の妹とまこちゃんの激闘が始まるのが目に見えてるだろうが。という視線をエイジに送るが全く気がついていない。
「僕は全然天太の家でいいよ、てか天太の家に行きたい。」
どうする?って、この状況で場所を違う場所に帰ることなんて俺にはできないか・・・
「はぁー、分かったよ俺の家で明日の放課後な。」
「「はーい」」
今度はまこちゃんとエイジの声が重なる。ほんとに明日はどうなるのやら・・・
――――――――――――――――――――
まこちゃんとエイジと別れ家に帰ってきた俺はいつもより少し早めの晩御飯の席に着いた。
「今日の学校はどうだったの?」
今日は母、妹、姉、全員いる。どうやって明日のこと言おうかな。
「あ、ああ、楽しかったよ!そう言えば友達ができたんだ!ハーフの奴でさイケメンなんだよ、まさに美少年って感じだね。武田エイジって言うんだけどさ優しくて良い奴だよ。」
「良かったわね!天太に友達かぁ、いつか挨拶しないとね!」
「うっ」
こと状況じゃ言えない・・・明日家に来るなんて、彼女も一緒に来るなんて。
まじでどうしよう・・・
「そ、そう言えば莉子ちゃんは受験生だろ?勉強の方はどうなんだ?」
よし、この感じで勉強の流れに持っていってそこから切り出そう。
「それなんだけどさ、お兄ちゃんみたいに恋人でも居れば一緒に勉強できて、捗るのにさ。」
この妹、さらっと爆弾落としやがった。母さんはまだ俺に彼女にいること知らないのに。
「天ちゃん彼女いるの!?」
ほら言わんこっちゃない・・・。てか、もういいかこの流れで言っちゃうか。落ち着いて当然ように切り出するんだ、そうすれば上手く行くはず。
「うん、いるよ。ほらいたでしょ中学卒業と同時にアメリカに行っちゃった宇佐美真琴ちゃん、まこちゃんだよ。それに明日勉強会で家に来るしね」
完璧だ我ながらに素晴らしい自然さだ、これなら普通に流してもらえそう・・・
「「「あん?」」」
ですよねー、流して貰えないですよね〜、でももう約束しちゃったしな。何とか許可を貰えるように頑張ろ。
「いいでしょ?友達も一緒に来るだよ、初めて友達だから遊びたいし、1週間後から中間テストなんだよ。」
「まぁ、そういうことならいいけど・・・家の天ちゃんに変なことしたらその真琴ってこは中間テストの前に中間デストロイになるかもしれなけどね。」
怖いよ!なんだよ中間デストロイって、想像しただけでも恐ろしいわ!でもまぁ、許可が貰えたから気にしないでおこう、それに勉強するだけだしね、それにエイジもいるし
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