第3話ヒロイン登場!

一日目は自己紹介だけして帰ってきたようなもので特にクラスの他の生徒と絡むことは無かった。

でも、まぁあれだけ注目されれば明日からの登校はもはや命懸けと言っても過言ではないな、というか命懸けだな。


「天ちゃーん!ご飯出来たよー!」


リビングから母の声が俺を呼んでいる。明日からに不安はないと言ったら嘘になるけど、とりあえずはご飯ごはーん!


「はぁーい!」


リビングへ向かって今日の学校のこと、登校中の出来事などを話しながら夕食を食べ進める。あ、あの電車の中の出来事はもちろん話してないよ?


「よかったわ、天ちゃん学校に馴染めそうなのね。」


「まぁ、程々にはね。かなり注目されちゃったけど・・・」


「まぁ!それは天ちゃんがイケメンだからね!嬉しいわ!」


母さんのテンションは上げ上げだ、やはり人間は顔なのか・・・とは、考えない。だって俺は今イケメンだもーん!


「あれ?そう言えば萌菜さんと莉子ちゃんは?」


「ああ、あの二人ならもう少しで帰ってくると思うけど・・・」


二人を待ってから食べた方が良かったよな絶対。仕方ないな二人が帰ってくるまで部屋で待っとくか!


「母さん、俺は部屋に戻ってるわ。二人が帰ってきたら教えてね」


「分かったわ!もう風呂湧いてるから入りたかったら入っても良いからね。」


そんなこんなでリビングをあとにした俺は自室のベッドに戻るべく廊下を歩く。すると何故か自室のドアが空いている。


「ドア閉めきれて無かったのかな?」


いつも通りに何気なしに部屋に入ると・・・妹が俺のベッドにうつ伏せで寝転がっていた。


「おい、莉子ちゃん。何をしているのかな?」


「あ・・・お兄ちゃんただいま」


挨拶をして何事も無かったかのように部屋を出ていこうとする妹の手を掴む。


「ちょいちょーい、莉子ちゃん何やってたの?」


「え?匂いを嗅いでただけだけど?」


「「嗅いでただけだけど?」じゃないわ!ツッコミどころが多すぎるだろっ!そんなん、最近まで邪魔者扱いされてた兄の部屋で俺のことを嫌っていた妹がベッドで寝転がってたらビックリするわ。」


おぉっと、変な関西弁でてもーた。てゆうかもう普通に部屋に入ってきてる根性にビックリするだよね。


「まぁまぁお兄ちゃん、細かいことは気にしないのが一番なんだよ?てかこれからもちょくちょく来るから、止めても無駄だけどね?」


「はーい、まず、人の部屋に入って来て当然という口調をやめましょー。極論俺はいいんだけどさ、莉子ちゃんはこの前までゴミ扱いしてた奴のベッドに寝転んでしかも匂いを嗅いで大丈夫なのかい?」


「その・・・この前までは私が全部悪かったの。お兄ちゃんの気持ちも考えないで嫌な事ばっかり言って、でもさ今までずっとブサイクだと勘違いさせてたお兄ちゃんも悪いんだよ?だから私がすることくらい許してくれるよね?てかもうお兄ちゃんは私のものだよね?」


何この子怖い。これあれじゃん俗に言うヤンデレって奴だよね。俺、あんまりそっち系は好きじゃないんだけどな〜。


「はいはい、俺は誰のものでもないよ。強いていえば俺は俺のものだからね。反省はしてないみたいだけど・・・でも俺の気持ちを考えてくれただけで嬉しいから自由に部屋に入ることを許可しよう!喜びたまえ!」


「わぁーい」


許可した瞬間出ていきかけていた体を180度回転させて再度俺のベッドへと倒れ込む。


『すぅー、はぁー、すぅー、はぁー』


めっちゃ匂い嗅いでるやん。俺の妹ってこんなに肉食系なの?初耳なんだけど、まぁ1年くらい引きこもってたしね。・・・まぁ、いっか


―――――――――――――――――――――――――


「なぁ、そう言えば莉子ちゃんが帰ってきてるって事は萌菜さんも帰って来てるのか?」


「うん、かなり前にね。今は自分の部屋にいるんじゃ無いかな?」


仕方ない、妹を俺の部屋で一人にするのは流石に心配だが・・・とりあえず挨拶するだけでも行くか。


「なら、俺はちょっと顔見せてくるよ。」


「ふぁーい、行ってらっしゃい。すぅ、はぁ」


まだ匂い嗅いでるのかよ!と、心の中でツッコミながら

姉の部屋に行く。


『コンコン』


「入っていいわよー」


『ガチャ』


「あら?、天太くん、どうしたの?」


「いや、おかえりも言ってないし。少し話そうかなって・・・」


あくまで挨拶がメインであることを強調することによりそのためだけに来たと好感度を上げるのだぁ!

ゲスい野郎だって?うん、俺はゲスいと思うよ。


「そんな事なら全然いいわよ。挨拶来てくれてありがとね?」


「いやぁ全然!挨拶は基本だからね!それよりさ、学校で・・・」


―――――――――――――――――――――――――


ひと通り全部話し終えた所で適当に理由を付けて自室へ戻る。そこには妹が自分のベッドで熟睡しているの姿があった。


「いや、おい何寝てんだよ。起きてー!俺もう寝るからー!」


「ん?お兄ちゃんおかえり」


「かわいい・・・じゃなくて!俺もう寝るから自分の部屋に戻ってね?」


「ヤダ、ずっとここにいる。」


まずいぞ、このまま行ったら間違いなく妹と一緒に寝ることになる。てか絶対襲われる。


「ダメだ、お兄ちゃんの言う事聞いてくれないのか?」


必殺技、お兄ちゃんの特権だ!これこそイケメンの兄にのみ許された妹を従わせる最後の切り札だ。


「うぅ、それはずるいよお兄ちゃん。・・・分かった部屋に戻る。おやすみ」


無論、妹は俺に反論出来ない。つまりこの技は最強なのだぁ!なんだか一気に疲れたな・・・


「・・・寝るか」


俺の学校生活一日目が終わった。


―――――――――――――――――――――――――


「行ってきます」


昨日と同じく朝ごはんを食べて学校に行く、特に今日は電車を違うのに変えて行かなければいけないので少し早めに家を出る。


「イケメンになると学校も楽しいよね〜ふんふふん〜」


鼻歌を歌いながら駅の角を曲がると人と衝突してしまった。・・・女の子だ、しかも同じ制服。ベタベタなベタな展開だわこれ。ベタなやつは嫌いじゃないけどさ。

女の子はボーイッシュなショートヘアーで、黒髪、瞳は綺麗な茶色をしていた、何が言いたいかというと、かわいい。


「ごめんなさい、君大丈夫?」


「は、はい!僕の方こそ注意していればこんなことにはならなかったのに・・・ごめんなさい」


落ち込んでる・・・何とかせねば、てかボクっ娘キタコレ!

よし、ここは慎重に行くんだ天太!


「俺は全然大丈夫だよ?君は怪我とか無い?」


「はい!僕も怪我は無いです!すいませんでした!」


と、走り去ろうとするとする女の子。俺は咄嗟に女の子を呼び止めた。


「君!あのさ、名前教えてくれないかな?俺、七草天太って言うんだ。」


「僕、宇佐美真琴って言います。男の子みたいな喋り方ですけど立派な女の子です!ではさよなら!」


今度こそ走り去ってしまった。なんて言うか嵐みたいな子だったな。はぁー、朝から疲れてしまった。電車でちょっと寝てくか。


―――――――――――――――――――――――――


校門前


「やっと学校に着いた。慣れない登校はいつまで経ってもドキドキだな。うし!張り切ってくぞー」


2年の下駄箱に向かう、まだ覚えていない自分の下駄箱を探して靴を入れる。


「ん?なんだこれ」


俺の下駄箱には二日目にしてハートのシールが貼ってある1通の手紙が入っていた。

この手紙の差出人が誰かも知らずにウキウキ出来るのは社会に馴染めて居ない今のうちだけなんだろうな。

手紙をカバンに入れて廊下に向かって歩きだそうとする。


「あ」


「あ」


宇佐美真琴が目の前に立っていた。


「や、やぁ同じ学年だったんだね!宜しくね」


「そうですね、僕もシラナカッタデス。よろしくお願いします」


「知らなかった」の所だけ瞳の光が消えたがまぁ気にすることは無い。こんな美少女と同じ学年だったなんて幸運なことじゃあないか。


この女の子が後に天太の未来を大きく変えるとも知らずにこの頃の俺は喜んでいた。






<hr>

どうも悟壮也です。

さて、この作品は僕が初めて書く学園モノです。当初はヤンデレは発生させないつもりでしたがボクっ娘×ヤンデレという僕の書いてみたかったヒロインを登場させて見ましたー。ちなみにこの物語のメインヒロインは妹ではなく宇佐美真琴ちゃんです。僕自身がボクっ娘大好きなので、自分の描きたいように書いていきたいと思います。

でも、まだまだ未熟な僕なので読者さんのアドバイス、意見なども積極的に取り入れたいと思います、アドバイス、意見どしどし待ってまーす。

では以上、作者でした〜

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