夢と現実、現実と理想、その差。多くの人が抱くであろう普遍的な感覚を取っ掛かりに、物語は大きなうねりを上げて展開していきます。
主人公とヒロインの百合絡みが大変良いです。友情とも恋慕ともつかない彼女たちのみに成立した関係性は大変見ごたえがあります。
そして物語中盤から最終局にいたるまでのヒロインの成長ぶりはもう、もう。読んでくれとしか。
面白かったです。

現実は退屈。夢は楽しい。だから現実世界で夢のようなことが起きて欲しくない。
そんな願いがある主人公の女の子が、現実で異変に巻き込まれる。そこからクラスであまり話したことのない女の子や、その子の姉。しまいには少し訳あり幼女……そんな一癖も二癖もあるような仲間ができていきます。
最初は嫌々戦っていた主人公も、だんだんとその異変を解決するクラスの女の子と仲良くなり、その異変を解決するために行動を起こすようになっていきます。そして2人は唯一無二の親友になっていく。その変化は必見です。
この作品の奥底には［愛］があると、私は思ってます。愛は世界を救う……とは言いませんが、大切な親友を救うためなら愛があればどんな困難も乗り切れる。と、私は考えてます。
とても面白い作品です！是非読んでみてください！

夢現つにお伽を旅したことがある。微睡みの中で小さな星を見つけたことがある。
そして世界は無色で味気なく何もかもが詰まらない。
それが現実。何も起こらない。それでいい。
現実はそうであるべきだ。
そうでなきゃ楽しみが無くなる。
だだっ広いたった1つの空虚な観測され続ける世界は退屈で、儚い無数の自分だけが見る世界が楽しみだった。
失われるまでは。
消えちゃうまでは。

そんなお話。夢から醒めたく無かった人が、夢から醒めるための不思議な戦いに巻き込まれてしまった、それだけのお話です。