五話 無意味思考で現実逃避
朝からため息が止まらない。
世界は今日も……はもういい。諦めた。
私にため息をつかせる原因は幾つかある。
ひとつ。あの世界のこと。
私と実束はその間もやっぱりあの世界へ行っていたのだけれど、今の所全て最初怪物に追いかけ回された後に実束が助けに来るというパターンになっている。
めっちゃ疲れる。
まぁ、おかげでどうやら怪物は私を優先的に襲ってくるらしいことがわかったんだけど。身の危険は強まるばかり……何か対策を考えないとその内私がぶっ倒れそうだ。身体に疲れは無いんだけどさ……
ひとつ。実束のこと。
実束と行動を共にするようになって以降、なんというか、すごくスキンシップをしてくるのだ。
撫でられる……はまぁまだ良い気がするけど、突然抱きついてきたり抱きしめてきたり手を繋ぎたがったりどれもこれも人との交流が浅くて薄い私には刺激が強くてにハードルが高すぎる。心臓ばっくばくです。
それでいて真っ直ぐで他意が無さそうなのが恨めしい。なんかの主人公か貴様。
あとスキンシップもそうだけど、あの世界での暴走振りにもかなり困ってる。
突拍子もない事しても何故か被害がないのは良いんだけど、それにしたって危なっかしいことばかりする。おかげであの世界で実束に会うと、まず実束にしがみつかないとどっかに放り出されそうで落ち着かなくなってしまった。実束もそれを受け入れてるっぽいし何なんだろうこれ。
ひとつ。夢のこと。
やっぱり見れなくなってるのを再確認した。これが悩みとしては一番大きい。
一日の流れの中で夢を見ているべき時間の間、あの世界に飛ばされている感覚。夢を見る代わりにあの世界にいる、って感じだ。
唯一の心の拠り所が奪われたと言っても全く過言では無い。毎日毎日私がなんのために外界に出てると思ってる夢を楽しむためでしょうがこのままじゃ生きる意味が無くなるなどして死んでしまう言い換えるならば呼吸を封じられてるようなものなのだから早急にこの妙な状態をなんとかしなくてはならない……
…………とまぁ、他にも色々あるけど最たるものはこれらです。
この一週間、思い返せば色んなことが起こりすぎている。死にかけたのも既に一度や二度じゃない。
「…………あ」
ああ、でも、この人は一度や二度どころじゃなく何度も何度も死にかけたのかな…と、ふと思った。
イヤホンを外す。前から駆け寄ってくる人物はまぁ、枳実束。今の所この学校の生徒で私に駆け寄ってくる人なんかこの人しか居ないだろう。
しかしここは校門。学校へ向かう私の進行方向から駆け寄ってくるっていうのはどういう訳か。
「おはよー」
「…………」
手だけ軽く振る。
「心配になっちゃってさ。昨日、なんだか調子悪そうだったから」
と私が訊く前に理由を話し出した。つまり登校した後ヨーヨーの如く戻ってきたと。
まぁ、はい、それはわかりました。うん。
「……まだ調子悪い?」
「…………」
わざわざ訊かないでください察してください……と言っても無理な注文だよね知ってる。
こういう願望も叶うのが夢なのになぁ。
「……なんか疲れた」
「やっぱり……えと、なにか手伝えないかな」
「…………」
ほっといてください……が本音だけれども。そう言うとこの人なんか凹みそうだよなぁ……
ただえさえ心が参ってるのにそんな気分悪いことされるとたまったもんじゃない。
というわけで、実束が喜びそうなのを要求してみる。
「……なでて」
「えっ良い 「人前ではやめてください」 の!?あっはい……」
予想通りの台詞。釘刺しが間に合って良かった、そして実束ハンドが停止命令に従ってくれて良かった。まだ普通に他の生徒が学校へ入っていっているのだ。
……さて、これから見た目だけでも元気を出さないと。実束に弱った素振りを見せて不意に撫でられでもしたら最近危うい学校生活さえもが終わる。何かしらの話題になってしまうだろう。
唯一残った日常が学校での私の立ち位置だ。誰にも気にされず私も気にしない、そこに置物のように在るだけの存在。この立ち位置だけは死守したい。
つまりここで立ち往生してる場合じゃないということだ。いつもの日常に沿うならば私は学校に入って教室へ入って席に座って外を眺めるべきなんだ。
さぁ行こう。
「あっ、待って
………………少しの差異は許容しよう。
大丈夫、勝手について来てるだけだもん。私に影響無し。
影響あった。めっちゃあった。
この人わりかし有名人だった。有名人というか色んな人と仲が良い人だった。私との組み合わせはアレだ、大人気FPSと簡単個人製作な貧弱FPSがセットで店に売り出されてるようなものだ!
つまり「何あの謎の付属品」って視線!!
道、もとい通路行く人々は私たちを見てひそひそひそひそ。そりゃそうだ、有名人な実束に対し私は突如今学校内に出現したにも等しい知名度だ。奇異の目はほぼ全て私に向けられる。心が超痛い。
さすがに教室に入ればそんな視線は向けられないが、しかし私の存在を思い出されると今度は「何か宝石にベトベなんたらみたいなのがひっついてる」みたいな視線を向けられる。私ひっついてない宝石がヘドロに飛び込んできてるのですわかってわからないよねそうですよね超理不尽。
……と、頭の中でぐだぐだ言いつつ席に座る。実束は自分の席になんとか座らせた。
さぁ騒ぎ出すぞ。
私と実束がそれぞれの席に座ったのを見て、クラスメイトたちはひそひそと話し始める。毎度毎度思うんだけど、本当に聞こえてないって思ってるのかな。図解したらかなり滑稽な絵面になりそうなんだけど。
まぁ、私のやる事は変わらない。無視し続けるだけ。知らないふりして、気がつかないふりして、居ない者のように扱うだけ。それでその内興味を向けられなくなる。
だから問題は実束だ。あの人はそういう風にはいかないだろう。
視界の端にクラスメイトに囲まれる実束の姿があった。
ああ、「アレはやめたほうが良い」とか言われてる。私もそう思う。少なくとも学校内での接触は避けるべきだ。このまま続くと勝手にあらぬ噂を立てられて勝手に誰かに幻滅されたりするだろう。やめるなら今の内。
後でそこらを話しとこう、と思いつつ視線を窓に向けた。いつも通りの朝の行動。できるだけ視線も合わせないようにしよう。きっと一度視線が合ったの見ただけで何かと関連付けて噂を捏造するだろうから。
……さて、後で話すって言ったって私と実束が話す機会があるとすれば昼休みか下校中、それとあの世界だ。
まず、実束の事だし昼休みにこっちに来るだろう。
しかし、今まではこっそり教室を出ていっていたから特に興味も向けられなかったけど、今日は注目を集めてしまっている。移動するにしたって、クラスメイト以外の生徒に見つかったらそれだけで噂の種にされてしまうだろう。
昼休みは駄目。下校中が好ましいかな。
となると昼休みにこっちに来たらまずい。事前に来ないよう伝えられれば……でも直接話すのは駄目。離れた状態で言葉を伝えられれば良いのだけど……
そこで思い出した。
携帯端末に搭載された機能、メールの存在を。
机に向き直ってイヤホンを繋いだままの端末を取り出す。
まっさらだったアドレス帳に、つい昨日他人のアドレスが追加されたのだ。
無論実束のものだ。半ば押し切られる形で交換させられた。
使う機会なんか無いと思ってたけど、早速出番が来たようだ……新規メールを開き、文章を。
文章を。
文章を……
……なんて書こう。
「昼休み私に近づくな」?いやどうなんだそれは。実束凹みそうだし、最初のメールがそれって。
そうだ、何も近づくなと明記する必要は無い。私の所に来る理由を無くせば良い。その為の道は一つじゃ無いはず……その中で穏便に済みそうなものを選ぶんだ。
さぁどうしよう。実束になんて伝えれば接触を回避できるだろうか。
実束が私に接触しなくなる理由……
……汐里にやめろと言われたから。これは駄目。最終的にはそうしたいけど今は別の手段が望ましい。
……汐里が嫌いになったから。これはもっともっと駄目……だ。
……予定ができたから。中々良いけど私が実束の予定を作るのは無理。
……いや、待った。実束の予定を作るのは無理でも、私の予定を作るのはできるじゃないか。
そうか、私が実束と話せないというのを伝えれば良いんだ。そして昼休みの間適当に隠れてれば……
そうと決まれば打ち込み。
『昼休みは用事があるのでいません』
送信。これで良し。
………………。
………………………………。
……これで良いの?ほんとに?送っちゃったんだけど。
何でわざわざ実束に用事がある事を伝えるのか。昼休みに話すとか事前に決めてるわけでもないのに。
つまり、これは実束から見ると……私が話す気満々という意思表示に………
「………………」
伏せ。知らない。現実逃避。
そんなことより隠れ場所を考えましょう。トイレで良いや。
今はお昼時ランチタイム、食事をする時間。
ここは便所なトイレット、排泄をする場所。
正反対な時間と場所が喧嘩中だ。それを気にしてると人はとりあえず気持ち悪くなる。
まぁ私は何も食べないので平気です。便器も今はただの椅子。
時間も場所も気にしなかったら、ここはただのプライベートスペースになる。一時的に私の部屋。催せばそのまま排泄に移行できる便利機能付き。コンセントがあれば良いのにね。
ところでさっき喧嘩中とか考えてたけど、どちらかが居なくなったらそれはそれで困るよね。一緒にすると喧嘩する、だけど互いに互いが必要。ヒーローと悪役の関係みたい。
ふと気がついたけど時間と場所、空間が喧嘩するって何か変だと思ったらアレだ、時間は四次元的な話で空間は三次元的な話だからだ。
あれ、三次元が四次元に干渉するのは無理だけど、四次元が三次元に干渉するって出来ないのかな。私たちが明確に知覚できるのは三次元で……
「………………………」
……よし、そろそろやめようか。何がよしなのか。自分で考えといて意味がわからない思考。何の意味も無い思考。いつも通りだ。暇つぶしなんてそんなもの。
そんなこんなで、授業が終わった瞬間こっそり一人で抜け出してトイレの個室に侵入。
このまま40分くらい待機するのである。
前に机かなにかあれば伏せて眠れるのだけど、まぁ贅沢は言わない。この密閉感は嫌いじゃないしね。
さてさて、実束はメールに気がついてくれただろうか。
まさか私を探し回ったりとかは流石にないよね…。用事があるって伝えたはずだし、高望みが過ぎる。……望んでないから。
今思えば、実束が来るにしろ来ないにしろ私は引きこもる必要があったのかもしれない。実束のおっかけみたいな人に絡まれる可能性があるからだ。
そんなの居るわけないと思うだろうし私もそんな学園ものラノベみたいなの、って思いたいのだけど、実際さっきそれっぽい人を見かけてしまったのだ。
明らかに私に対する目線が違う人。敵意、殺意が込められた目。誰が見てもわかるくらい露骨にそんな目をしていた。怖い怖い。
嫉妬……それだけならまぁ良い。けど、多分アレは居心地の良い場所を奪われて怒ってる感じだ。
つまり実束の事を考えてないタイプ。自分の都合の良いように実束という人間を決めつけてる。似たような人見てきたからわかる……っていうか、そっくりだった。
どうして人ってこうも面白いほどはっきり幾つかのタイプで分類されちゃうんだろうね。
会ったことは無いけど私みたいな人もきっといるんだろうなぁ。
……まぁ、ともかく、おっかけみたいな人の話に戻るけど。
同じような人を見てきた以上、これから今まで通り実束と関わっているとどうなるかも想像がつく。
帰る途中でしっかり釘を刺して言っておかないと。わたしはともかく、実束にも迷惑がかかる……
……あ。
…………そもそも今日実束が一緒に帰るかもわからないじゃないか。実束の予定はわからない。
その場合は……最悪あの世界でか、それか……
あ、そうだ。今手に持っているこれ……これがあったじゃないか。
もし実束に予定があるなら、帰った後にでもメールを送れば良い。ああ、なんて便利なことか。話すの苦手な私にも優しい。文字ならそれなりに打てますよーっと…
「……………んー…?」
……何かが引っかかる。
私の深層心理的なのが何かを訴えている。何か重大なミスをしているぞ、って言ってる気がする。
メールで要件を伝える。とても便利。私に優しい。
メールで要件を伝える。とても便利。私に優しい。
メールで要件を……
「……………あ゛」
……………馬鹿か私。超馬鹿か。超絶馬鹿だ。
今日なんかミスが多いのは全部神様ってやつのせい。
嘘です私のせい。
「…………………」
いつにも増して鬱な気分、だけど学校の日程はいつも通りに過ぎていき今はもう放課後である。
実束の様子を見る前にさっさと教室を出て昇降口を出て正門を出て帰り道へ急行。
これがいつも通り。実束は勝手に後から追いついてくるのだ。
だから追いついてきたらそこで話す、こなかったら帰ってメール。これでいい。これでいいんです。急がば回れとか言うでしょ。
だから朝の時点でメールで伝えとけば良かったとか言わない。
「汐里汐里」
そら来た来た…………って早いな!?
気がつけばすぐ側に実束が駆け寄ってきていた。
「えっ」
「ほっとと。昼休み何があったの?」
「……送ったでしょ。用事」
着地するように私の隣に到達し歩幅を合わせてきた実束に悟られぬよう顔には出さないようにしているけれどめちゃくちゃびっくりした。校門出てから6秒くらいじゃなかった?
いつもは数分経つのに……誰かに見られてないかな……
後ろを向いてみたけど今は大丈夫そう。早く学校から離れたい。
「そっか、用事ね」
「………そ」「ねぇ汐里」
要件を話そうとしたら遮られた。……いや、私が声を出すのが遅いだけなんだけど。
「……なに」
先に会話の主導権を握ったのは実束。仕方ないから隙を見て奪い返そう。
「汐里さ、あっちの世界でいつも怪物に追いかけられてくたびれてるよね。最近疲れてるのもそのせいでしょ?」
「……まぁ、うん」
半分、それか4割くらいは正解である。
「それをどうにかできないかなって考えたの。だから、汐里さえよければ一つ試してみたい事があってさ」
「……?」
実験ってこと?
なんだろう。実束の事だしまた突拍子も無いことを言いそう……
「今日、うちに泊まってくれないかな?」
現在位置。
「……」
枳家。
「……」
玄関前。
「……えっ」
「ただいまー」
実束が普通に扉を開け……いや、え?
なにがあった?何をしたの?
ここに来るまでの経緯が思い出せない。私実束の発言から記憶が飛んでる気がする……いや待て、そんなことあるはずない。現実逃避的な事をしてるだけだ。思い出せる、思い出せるはず。
私は、そう、その、返事をした。実束の言葉に答えた。そう、確かそう、それで、
「どうぞー?」
思考が断ち切られた。くそう。
そして流れ的に行くしか無いようだ。あと多分何を言ったであれ私は泊まることを了承してしまったらしいことは確かだ。こうして私を連れてきているんだから。
「……ぉじゃまします」
とても精神的な狭苦しさを感じつつ玄関の中へ、つまりは自分のではない誰かの家の中へ。
やけくそである。こうなれば流されるだけ流されてやる。
何をするかはわからないが、ともかく泊まればいいんです泊まれば。ちゃちゃっと眠ればいい。
覚悟は決まった。決まったとも。多分決まった。
「…………どったの?立ち止まって」
「なんでもない」
だから、決まったんだって。そういうことにしようよ。そういうことにして。
ほら震えてないで固まってないで動いて。足。私の足。貧弱な足。歩くことくらいできるでしょ。
右足。一歩、そう。次左足。そうそうそうそうえらいえらいぞ私。ちゃんとできるじゃない。やればできるのです。
「……………どったの??」
「なんでもないから」
そして私はとうとう靴を脱ぐという偉業を成し遂げたのだった。
私にしてはとても頑張った。頑張ったでしょ。だからもう
「…………。もしかして、嫌だったり」
「そんなこともないから」
入室した。
家の事は自分の家しか知らないし興味も無いけど、リビングは比較的広めに感じた。
同時に知らない空気が私の全身に突き刺さる。入ってしまったからには逃げる訳にもいかないが、とにかく痛い。立っているのも変だから痛い、かといってソファに座るとか座るアイアンメイデン的な気配を感じる。
袋の鼠に四面楚歌、どうしようもない自分の異物感。
それでも入ってしまったからには逃げる訳にもいかない。
逃げる訳にはいかない。逃げる訳にはいかない。
せめて思考をループさせて痛みの進行をストップさせる。袋小路に入れば戻る事も進む事もないのだ。
しかし補足しておくと実束の家が嫌とかそういう話ではない。
誰のものであったとしても自分の物ではないのは変わらない。そこにあるのは自分の管理しているものかそうじゃないかだけだ。
誰のものかで変わるかはその次の段階になる。まず自分のものか否か、その次に誰のものか。それで私の心持ちも気分も変わる。
当然でしょう?
兎にも角にも私なりに頑張ってるんです。うざったらしいとか思わないでね。思ってもいいけど飲み込んでね。
「いらっしゃーい。さぁさソファにどうぞ」
そうしてぐるぐると思考を回す私に飛んでくる無慈悲な実束の声。
容赦なくソファメイデンにぶち込むつもりだこの人……という私の勝手な想像はともかくとして至極当然な流れだ。
そして私は何度目かの覚悟を決めなければならない。
「他人の」「家の」「ソファ」。
それぞれの要素の威力は加算ではなく乗算。言うまでもなく凄まじい威力になる。
だが私はそれに自ら座らなくてはならない。社会性なんて投げ捨てまくっている私だけれどもこういう場合は別だ。もう会わない赤の他人ならまだしも実束相手だ。無視する選択は消失している。
…………戻る事も止まる事もできない。なら、進むしかない。
元々そう決まっていた事だ。
一歩。一歩。私はソファへ歩みを進める。
見た目上はただ歩いているだけ。
だがしかし私の中では一歩一歩踏みしめる度に様々な想いが駆け巡っている。座った時の衝撃に耐えるため。座るための歩みを進めるため。
他人の家の床を歩くということ自体が既に私にとって多大な苦痛を伴うものなんだ。ごめんなさい、ごめんなさい、踏み入ってごめんなさい、汚してごめんなさい……謝ったって誰も許してはくれない。何せ別に許すも何も怒っちゃいないんだから。
謝罪はマイナスの評価をゼロに戻そうとするものであって、マイナスになっていなかったら絶対値的には何も変化がない。変化がなければ安心できない。プラスされたという事実が欲しいだけなんだ………
…………。
……大分話が逸れたけど、そんな何も生み出さない思考のお陰でいつのまにか私はソファの前に立っていた。
いち、に、さん。それを意識して回れ右。ソファを背にして、後は座るだけ。
…座るだけ。座るだけったら座るだけ。
もう逃げられないなら座ればいいのに、とか他人事のように思うけどこれは自分の事だよわかってる?わかってないね。
でもだって最後まで諦めないのも時には必要であって、
「どん」
「あっ?」
押された?実束に?
バランス、取れない。じゃあ後ろに倒れるしかない。
でも倒れない。なんで?
ソファ。
「ぴっ」
ぼふん。
「遠慮しなくていいんだよ。くつろいでてねー」
—————————。
「じゃ、ちょっとそこで待ってて。お姉ちゃん呼んでくるから」
———————————。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます