水色の恋41 冬美が時計をみて、あらもうこんな時間だわ、明日早いからもう帰りましょうと言ったのです、ゆうこが時計を見ると10時過ぎです、ママが先ほど下山から電話が、


水色の恋41


冬美が時計をみて、あらもうこんな時間だわ、明日早いからもう帰りましょうと言ったのです、ゆうこが時計を見ると10時過ぎです、ママが先ほど下山から電話が、

あって、私も同行する事になったの、よろしくねと言うので、冬美があらそうなの、じや~、明日空港でと席を立ち二人で店を出たのです、


中央通りにでると、冬美の迎えの車が待っていました、家に泊まらないと言うので、いえ、友達の家に泊まることになっていますので、ここで失礼しますと言って、

新橋駅に向かったのです、途中に関西風たこ焼きと書いた看板があり、まだ時間が早いのでお土産にたこ焼き2つ買って電車に乗ったのです、


渋谷の友達のマンションに着き、郵便受けから鍵を取り出し、7階の部屋に行き鍵を開けると、いらっしやいと奥から友達が出てきて、早かったわねと言うので、

明日金沢に行く事になったので早めに切り上げたの、たこ焼きを買ってきたから一緒に食べようと、たこ焼きをテーブルに置いたのです、


友達がお布団がしいてあるので、そちらに寝て頂戴と言い、いただきますとたこ焼きを食べながら金沢か、美味しいカニが食べられるね、いいなあと言ったのです、

テーブルを見ると、一冊の本が置いてあります、何の本と聞くと、芥川龍之介の短編集だよと言うので、あの文豪の作品なの、難しい内容でしょうと聞くと、


いいや、そうでもないよ、こんな面白い短編も書いているんだよ、と内容を話しはじめたのです、凄い悪人がいて、その悪人が道を歩いていると足のしたに、

一匹のクモがいた、踏みつぶそうとしたのだが、こんな物殺しても仕方ないと足をどけたのです、やがてその悪人は地獄に落ち、毎日、毎日、血の池地獄、


針山地獄と苦痛を与え続けられていたのです、血の池地獄でもがいていたある日その悪人の前にクモの糸が天空から降りてきたので、必死に捕まると以外、

に丈夫で登れそうなので、上へ上へと登っていったのです、もう少しで天空に手の届くところまで来たので、ホットして下を見ると、地獄の亡者」がたくさん、


糸にぶら下がっているではおりませんか、このままでは糸が切れると思い、めいっぱい下の亡者を蹴飛ばすとその力で極悪人の手元からぷっつりと糸が切れ、

地獄に真っ逆さまに落ちていったという内容だよと話したのです、


お釈迦様が現世の時一度だけクモを助けた事があるので、天空から糸をたらし助けてやろうとしたのだが、自分だけ助かろうとしたので糸を切ったのだよ、身に、

付いた悪は地獄に行っても治らないと言いたかったのかもと解説したのです、ふ~んと言いながら、あの下山の顔を思い出し、確かに悪人が顔だなあと思った、

のです、


シヤワーを浴びサツパリして布団に入り、お休みと電気を消すと、すぐ寝入ってしまつたのです、ハッと気が付くと何と雲の上にいたのです、そこには、

空に上る階段がありました、登っていくと広い空間に出て、みると花が咲き乱れた天国みたいな場所です、


大勢の人が楽しそうにしていたのです、ゆうこの前にお釈迦様があらわれ、こっちにと手招きしていますので、ついて行くと、曼荼羅に飾られた、金ぴかの、

部屋に通されイスにかけるように言ったのです、


ここが天国ですよと言うので、私は死んだのですかと聞くと、いいえ、いつも人に優しくしているゆうこさんを天国に招待したのよ、ゆつくりしていって、

疲れがとれたら現世に送り返すので、また現世で人に優しくしてねと手をにぎったのです、


毎日朝にはお釈迦様がみんなを集め説法をしています、説法が終わると、お釈迦様によばれ、ゆうこさん、明日からしばらく私の代わりにみんなにお話しして、

と言うので、私は難しい説法は知りませんと返事すると、


みんなが喜ぶ話しなら何の話でもいいんですよ、お願いと言うので、ゆうこはやる事にしたのです、次の日、みんなの前に立つと大勢の人が拍手をしたのです、

自分の経験した話を面白おかしく話しをしていると、大うけしてみんな大笑いをしています、


その内みんなが今日はどんな話しをするんだろう、お釈迦様よりず~と面白い、ず~とやつてくれればいいのにと思うようになっていったのです、これを見ていた、

お釈迦様がこれはまずい、このままいけば、みんな、お釈迦様を忘れてしまうかも知れないと思っていると、


電話がなり出ると、地獄の閻魔大王からである、話しによると、最近地獄にくる人が増えすぎて、血の池獄はぬるまゆになり、針山地獄は亡者が刺さり、

過ぎて、平気で登れる山となり悪人に苦痛を与えるどこか、楽しそうにしているまいったよ、何かいい方法ないかとの相談であった、


お釈迦様はそうだ、ゆうこに何かいい方法を考えさ私の使いとして地獄に派遣しようと思ったのです、さつそくゆうこを呼び、ゆうこが部屋に入ると、地獄の事、

を話し、何とか閻魔大王に力を貸してやつてと懇願したのです、


しかたないので承諾すると、お釈迦様の顔の入った印籠を渡し、右のドアを開けると階段ががあり下っていくと、地獄に行く事ができる、向こうに着いたら、

この印籠を赤鬼に見せれば閻魔大王の所に案内してくれると言ったのです、


階段を下りていくとドアがあり、ドアを開けると、赤鬼に怖い形相で睨んでいます、お釈迦様の印籠を見せると穏やかな顔になり、こちらへどうぞと閻魔大王、

に案内したのです、部屋に入ると閻魔大王はワインを飲んでいました、席を勧め、やあ、ゆうこさん、良く来てくれました、まあ、一杯飲んでください、


とワインを薦め、なかなか年代物のワインですよと言ったのです、飲むとこくがあって美味しいので美味しいというと、そうでしょう、このつまみのチーズも

おいしいよと言い、ワインを飲み終わると、それでは現場を見て頂戴と血の池地獄に案内したのです、


みると大勢の亡者が入っており、頭にタオルを載せ温泉気分です、次に針山地獄に案内されると、ここも大勢の亡者が刺さっており、その上をハイキングのよう、

に鼻歌を歌いながら亡者が登り、降りしています、赤鬼、青鬼は昼ねをしている始末です、


部屋に戻り、何かいい方方ないのと聞くので、ここに来た古い亡者の順に現世に送り返し適度の亡者にするのです、普通は現世に送り返す時は記憶を抹消します、

が悪い事をやった記憶は遺し、現世では殺した者は殺される者としますが、すぐ殺されてはまずいので、苦しみの挙句生き返るようにし、騙した者は騙される者、

として反対の人生を送るようにして送り返すのです、


地獄ではなく現世でも地獄の苦痛を与えるのです、次に生まれ変わる時は善人になる事でしょう、但し、これを続けるとみんな善人になり、地獄には人がこなく、

なり、天国が一杯となり、お釈迦様が困るかもと笑ったのです、


閻魔大王がなるほどいい方法だ、さつそくやる事にしょう、ゆうこさんありがとう助かったよ、それではゆうこさんはこのまま現世に戻ってください、

この建物の裏に船着場があるので、そこに泊まっている船にのりなさい、向こう岸が現世だよ、その印籠をみせれば渡し賃はいらないよと言ったのです、


船に乗ると眠くなりす~と寝てしまったのです、はっと気が付くと友達の家の布団に寝ていたのです、な~んだ夢が友達が芥川龍之介のクモの糸の話をしたから、

こんな夢をみたんだわ、でも天国に電話なんかあるわけないよとケラケラ笑うと、友達が起きてきてどうしたのと聞くので、いいや何でもと答えたのです、







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る