水色の恋34 夕方になり歓迎会の店に行き部屋にはいると、全所員が集まっていました、武本ですゆっくりやりましょうと、短い挨拶をし宴席に入ったのです、一次会が終わり、


水色の恋34


夕方になり歓迎会の店に行き部屋にはいると、全所員が集まっていました、武本ですゆっくりやりましょうと、短い挨拶をし宴席に入ったのです、一次会が終わり、

所長がもう一件行きましょうと言うのでいいですよと返事し、所長と営業の所員つれてスナックにいったのです、ママが出迎え席へ案内し、


所長が本社からこられた武本さんだよ、なんたって本社のエキスパートで立て直しにこられたんだ、これでママの店にも一杯来れるようになるかもしれない、

というと、まあ、嬉しい私に出来ることがありましたら、協力しますわ、遠慮なく言ってくださいといいカンパイしたのです、


テーブルを見ると小魚の酢の物と漬物が小さな皿に綺麗に盛り付けてあります、綺麗に盛り付けてありますねと感心すると、量が少しなので見た目をよくする為、

に山にある葉っぱ、今日は小さな紅葉とみかんの葉っぱを小さくして飾りつけてあるんですよ、紅葉は見た目を良くする為、みかんの葉っぱはいい香りがするので、

匂いを出す為です、でも食べられませんよと笑ったのです、


この葉っぱは何処からもつてくるんですかと聞くと、私の実家はここから車で2時間くらい山の方へいった、小さな山間の村なんです、一週間に一回実家に帰って、

お父さんに取ってきてもらうんです、それを持ってきて水につけておけば一週間くらいは新鮮のままもつんですよと話したのです、


買い物する店はあるんですかと聞くと、前までは小さなスーパーがあったんですが、やつている方がお亡くなりになって、跡継ぎもいないので締めてしまい、

村の人はまだ元気な人に頼んで町まで買い物にいってもらっているそうです、それもあって毎週買い物をして届けるんですよ、たくさんの買い物はしません、


みんな年寄りばかりで、年金も国民年金でたいしたお金はもらえないので質素なくらしです、でも毎日、畑や田んぼで働いていますので私なんかより、ず~と元気、

ですよと笑っていたのです、こんな話し面白くないですね、ごめんなさいと謝るので、


いや、おかげでいい事を思いつきましたよ、得意先を調べましたら、町のスーパー、ホテル、商店がほとんどでこれを全部合わしても、近くの京都に比べたら、

たいしたことはありません、どうしても近接の人数の多いところに進出しなければ黒字になるのは難しい、京都府の大きな町はほとんど京都支店の管轄です、

京都支店のテリトリーを犯すわけには行かないと宮津営業所の諸君は思っているのですねというと、


所長がそれはそうですよ、そんな事したらえらい事になりますと怪訝な顔をするので、それが間違いなんです、商品がバッテングしなければいいのです、

この宮津ではたいして需要がないが京都の町で需要のあるものを京都市内で裁けばいいわけです、


その商品は何ですかと所員が聞くので、指を刺しこの葉っぱです、京都にはホテル、割烹料理屋がたくさんあるはずです、そこでは必要なものですが、おそらく、

そのホテル、割烹料理店が独自に仕入れているとおもいます、板前は必要だと思っているので毎日注文しているはずです、朝取ったものと昨日取ったものては、

見た目もちがいますので毎日注文する必要があるわけです、


しかし仕入れ業者も毎日近郊の農家に仕入れにいけば、コストがかかり、料理のつまですから高い値段では販売できず、他のもの注文を貰うのでしかたなく、

納品しているのが現状でしょう、また昨日取ったものでは無理でしょうが、ママがやっているように水につけておくだけでも一週間は持つのですから、

一日くらいは今取ったように新鮮にしておく方法はあるはずです、


しかしそれをやってくれる会社をどうやって見つけるのですか、我々の得意先はわが社の扱い品ですから町に店を構えているのがほとんどです、武本が大きい、

ところはやってくれないでしょう、月の売上げの小さいところで、夫婦でやっているような小さな店です、


軽トラックくらい持っている店です、軽トラックにわが社の商品を載せ村まで朝行くのです、移動販売車というわけです、村では事前に農家の人に山で葉っぱを、

取って、綺麗に種類別に箱つめしてもらっておきます、移動販売車は帰りに京都の注文を受けた得意先に納品するわけです、


注文はFAX注文だけにします、前日の夜9時までにFAXを入れてもらいそれを村にながすのです、FAXくらい誰かの自宅にあるはずです、村ではその日にとる葉っぱを、

誰が取るかスケジールにてあらかじめ決めてもらい、不公平のないようにします、


月一回の回収は翌月納品時の現金払いか振込みにしてもらいます、やつてもらえる個人商店には葉っぱの利益は折半として毎月商品代と相殺すればいいわけです、

もし京都支店が気がついて、しのこのいえば、京都支店に卸した事にして営業所間利益として若干テリトリー代をはらえばいいわけで、彼らは葉っぱの流通機構を、

つくれないのでマージンを貰えば納得するはずです、


それから、京都を始めとし、大阪、神戸、全国の過疎した農家と町にこの仕組みを作っていけばいいわけです、全て宮津が全国のコントロールセンターとなるわけ、

です、だれも葉っぱなんてとバカにしてわが社の人間は手を出しませんよ、


しかも農家の人はただの葉っぱでお金がもうかるわけです、移動販売者の売上げもあがるでしょう、農家の人のやる気もぐ~んと上がりますよと話すしたのです、


ママが手を叩くと、所員も一斉に手を叩き、たった一日で赤字脱却の方法を考えつくとは恐れ入りました、しかも我々は気もしない、目の前の物に瞬間的に疑問、

を持ちその理由を聞き色んな要素を引き出すとは、武本さんは天才ですよと褒めちぎるので、


そうではないのですよ、シンプルイズベストと言うではないですか、みなさんは頭がいいから複雑な事を考えられるんですよ、私はめんどくさい事が嫌いだから、

楽をしょうとするのですと答えたのです、そして半年後には宮津営業所は黒字になったのですと武本が話したのです、


しかし本社の部長にとっては武本の成功は余計な事なのです、そして赤字の営業所の立て直しという名目で、地方の営業所を転々として、去年本社へ戻り、

監査室付となったのだよと経過を話したのです、


純一がすご~い、宮津営業所の売上げがいいのは聞いていましたがそんな裏話があったとは、私も営業にいましたからもっと聞かせてください、地方に家族で、

転勤するのは、子供さんの学校とか色々大変だったのでは無いですかと聞くと、いいやそうでもないよと答えたのです、


あんまり武ちゃんの話に夢中にならないで、少しは飲んでくれないと売り上げあがんないわとママが言うと、すいませんと鈴木と純一が一気飲みしたので、

武本とママ顔を見わあせ大笑いをしたのです、



















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