水色の恋32 純一が大阪本社へ戻り、監査室へ顔を出すと室長がイスを勧め、君には鳥越君の仕事を引き継いでもらうよ、高知営業所の監査報告書を鳥越君がほとんど、


水色の恋32


純一が大阪本社へ戻り、監査室へ顔を出すと室長がイスを勧め、君には鳥越君の仕事を引き継いでもらうよ、高知営業所の監査報告書を鳥越君がほとんど、

作成したらしいが、これをまとめてくれたまえ、ペンディング事項は高知営業所から高松建設への迂回融資だよ、


高松物産の利益から高松建設に過剰金を貸付るのは何の問題ないが、利益が出ていないのに、銀行からの借入金を他社に貸付るのはコンプライアンス違反と、

なる、なぜなら株主がそれぞれ違うので、高松物産の株主に不利益を与える事になるのだよと説明した、


高松物産は利益が出ているので、高松建設に貸付ても問題はない、しかし貸付たのが高知営業所の口座から高松建設の口座へ振り込まれている点だ、

経理部に説明を求めたら、緊急の貸付であった為、資金が間に合わず、高知営業所の口座に魚介類買い付けの資金が、あったのでそこから一時立替て、

貸付たという事なので監査室では一応問題ないと判断した、


その報告書を書いてテ添付して提出してくれたまえと言ったのです、わかりましたと返事し自分のディスクへもどり、鳥越の作った報告書を確認した、

のです、しかし高知営業所からの振込み金額が10億円となっているので、いくら買い付け金といっても大きすぎる、通常の大口支払いは手形のはずなので、


営業所の口座に現金がそんなにあるはずがない、なんかあやしいと思い、どこからその口座に入ったのか調べる事にしたのです、昼時になり、先輩の鈴木が、

おい早川、飯を食いに行こうと誘うのでついて行き近くの食堂に入ったのです、


ここはサバの塩焼きがうまいんだよと言うので、じあ僕もと言うと鈴木はサバ定食二つと注文したのです、鈴木が早川、鳥越は本当は自殺では無いんでは、

ないのと聞くので、どうしてですかと尋ねると、あいつとは友達付き合いしていたんで、ある程度知っているんだよ、確かに幸子さんの両親は結婚を反対、

していたらしいが、


営業所のある場所で待ち合わせして自殺するとは考えられない、どこか違う場所に二人で行って死ぬのならわかるが、しかも幸子さんは友達とおへんろ、

していたんだろう、何んかおかしいよと言ったのです、


そうなんですよ、僕は偶然自殺する前日の夜に鳥越さんとバッタリ会ったんですが、とうてい自殺するような雰囲気ではなかったのですと答えると、

ヤツパリ迂回融資がからんでいるのかと言うので、知っているんですかと尋ねると、知っているも何も俺が変な口座を見つけて鳥越が高知に行く前に、

教えたんだよ、余計な事だったのかも知れないなあ~とため息をついたのです、


どんな口座だったんですかと聞くと、通常、営業所の口座は取引の関係から地場の金融機関の口座ほとんどだが、高知営業所のみ都市銀の口座があり、

口座開設の稟議書はみあたらなかったんだよ、それで鳥越が高知に監査に行くと聞き、教えたのさ、


ひょっとしてその口座が迂回融資の口座で、それを突ついて事件に巻き込まれたのかも知れない、早川へんな事に首を突っ込むなよ、ろくな事にはならない、

ぞと言うので、不正を正すのが監査室の役目でしょうと言うと、


監査室は独立しているわけではない、所詮会社の組織の一部だよ、権力者の管轄にあるのさと笑ったのです、今日はお前の歓迎会をやるそうだから、それが、

終わったら二次会に行こう、その時続きを教えてやるよと鈴木は言ったのです、


夕方になり居酒屋で純一の歓迎会を監査室のメンバーがやってくれて、一次会が終わり、鈴木が北に知っている店があるから行こうと言うので、タクシー、

に乗り向かったのです、北の小さなスナックに入るとママがあら鈴木さん久しぶりと奥のボックスに案内したのです、


席に座り、彼は早川と言って鳥越の後任だよと紹介したのです、ママが純子です、宜しくと名刺を出したので、早川も名刺を出し、まだ高知営業所に名刺は、

なっていますが、鈴木先輩と同じ部署ですと挨拶したのです、


鳥越さんは本当に気の毒な事でした、何も死ななくてもいいのに、鈴木さんとはいつも一緒に来てくれたんですよ、たまに幸子さんも連れてくる事が、

あって、よく知っているの、他人事とは思えなくてと手を合わせたのです、


ママが話しがあるのなら私は席をはずしましょうかと言うので、いいんだよ、ママにも聞きたい事があるから座っていてと鈴木がいい、うちの会社には、

社長派と専務派の二つの派閥があるんだよ、もちろん俺達、平社員はあんまり関係ないんだが、


鳥越は香南信用金庫の跡取りで親父は名士だから二つの派閥に入るよう勧誘されていて、嫌がっていたんだよ、今回の融資は社長派がやったと思われる、

んだが、専務派はこれをスキャンダルにして社長退陣におい込もうとしているらしい、


しかし社長には政界の大物がついているらしく、決定的な証拠がない限り、なかなか専務も手をだせない、今回、もし鳥越がその証拠を掴んだとすれば、

社長派にとては命とりとなる、二つの派閥が鳥越の見つけた証拠をめぐって争ったなら、どちらかが手をくだしたのだろうと言ったのです、


昔ママはクラブに勤めていた時社長に、ひどい目にあわされたらしいんだよと言うんで、純一が何をされたんですかと聞くと、もう随分も前の事で、

高松物産が接待に使用していたクラブに勤めていた時のことなんだけど、今の社長が部長の時の事で、最初はいい人だったんだけど、


体の関係を迫られ、断ると豹変し、いろいろと意地悪されてつらい思いをしていたのに、店のオーナーから太い客だから我慢してくれといわれ、精神的に、

おかしくなりかけたの、


その時その部長の部下の課長が、部長に内緒でアフターに、連れて行ってくれて、申し訳ないと謝って、何とか純子を助けたい、僕の言う通りに動いて、

欲しいと言うのでどうするのと聞くと、懲らしめてやるのさ、正面から諌めても聞く人ではないから、作戦を考えたのさ、取引先の専務で部長の頭の、


上がらない人を店に連れていくので、凄く好きになった振りをして、もちろん芝居だよ、その専務はうちの部長は嫌いだから、芝居に乗ってくれるよ、

そうすればいくら何でも諦めるさと言うので、芝居をする事にしたの、


それはうまくいっのだけど、助けてくれた彼を不幸な目あわせる事になってと、目頭を押さえ話を続けたのです、








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