水色の恋21 翌日お父さんがこれからどうしますかと聞くので、鳥越に会って裏献金の事を聞こうと思っていますがと答えると、私はどうしても彼が自分の、


水色の恋21


翌日お父さんがこれからどうしますかと聞くので、鳥越に会って裏献金の事を聞こうと思っていますがと答えると、私はどうしても彼が自分の、

息子をてにかけとは思われないのですと言うので、もちろんそうだとおもいます、いくらなんでも自分の子供を殺す親はいませんわ、


茂さんの事を黒幕に伝えたのは吉川だと思います、ひよっとしたら吉川のやっている事の闇の部分の多くは知らないかも知れませんが、

裏献金は鳥越が中心になってやったのだとおもいます、理事長抜きで莫大な献金ができるはずがありません、もっとも金の出所は伊予銀行の、

迂回融資金だと思いますけどと答えると、


そうだとするとあの裏献金の帳簿は高松物産のだれかが作ったもので、鳥越は裏帳簿の存在は知らないかも知れません、高松物産とのやり取り、

は全て吉川がとりおこなっているのでしょう、自分の息子に危険の及ぶ情報を漏らす事をするとは思いませんよ、鳥越に聞けば意外と早く、

裏の大物が解るのかも知れませんとお父さんが言ったのです、


香南信用金庫に電話すると忌引きで休んでいるとの事である、お父さんから鳥越の自宅の電話番号を聞き電話したのです、茂さんと一緒に、

亡くなった幸子の友達です、彼女が自殺したとはとても思えません、息子さんを亡くされたばかりで申し訳ありませんが、少しお話を伺い、

たいんですがお宅にお伺いしてもよろしいでしょうかと聞くと、


私もそう思っています、今日は一日いますので構いませんよとの返事である、幸子の両親に鳥越に会ってその後大阪に帰ります、また暇を、

見つけておじやましますと言うと、お母さんがゆうこさん決して危ない事はしないでください、貴方にもしもの事があればご両親に申し訳、

ありませんよと心配そうに手を握ったのです、


大丈夫ですよと握り返し幸子の家を後にしたのです、茂の家に行くと物音もしなくひっそりとしていました、玄関のよびりんを押すと、

インターホーンでどちら様ですかと女性の声がしたので、茂さんの知り合いのゆうこともうしますと答えると、じらくお待ちくださいと返事があり、


玄関のドアが開きお手伝いさんと思われる女性が応接間に案内したので待っていると、しばらくして眼光の鋭い男が入ってきてよくいらっしゃい、

ました、ゆうこを覚えていたらしく昨日は通夜に参列いただきありがとうございましたと頭をさげたのです、


イスに座ると先ほど茂と幸子さんは自殺ではないとおっしゃいましたがどうしてそう思うんですかと話を切り出したので、高松での茂と幸子の、

出来事それからUSBメモリの事を話したのです、


そのメモリには自殺ではないと思われるどんな情報が入っていたんですかと聞くので完全には解析していませんが、裏献金の帳簿だとおもわれます、

犯人はこれを奪おうと二人を殺害したのでしょう、とっさ的にだれかが拾ってくれるよう砂浜に落としたのだとおもいますと答えると、


そうですか茂は高松物産の監査で迂回融資を見つけそれが元で殺されたんですか、しかも幸子さんまで殺害するとは幸子さんのご両親になんと言って、

いいやらと先ほどの眼光の鋭さは消え悲しそうな顔になったのです、


迂回融資と裏献金は貴方と高松物産が共謀してやったことでしょうと言うと、とんでもない、それでは過去の事からさかのぼって話しますよと、

香南信用金庫と高松物産のかかわりを話始めたのです、


あれは四国のインフラ整備を国土交通省が打ち出した時分のことです、大物政治家と官僚に紹介してくれるよう社長には頼まれました、得意先です、

から依頼されれば自分のコネを使って紹介する事は度々ありますよ、


私がやったのはそれだけです、そのおかげかどうか解りませんがその後高松物産の子会社である高松建設が高速道路の受注を沢山受けた事は事実です、

不正があったのではないかと噂がたち検察が捜査にはいったのです、私も調べられましたが仲介しただけだと言う事がわかり、陳情は法律的に何の、

問題もありませんから無罪放免されたのです、


その後検察も不正はなかったと捜査は打ち切りになった事を知ったのです、私どもも高松建設には融資していますが、なんせ信用金庫ですから数千万、

がやっと融資できる額ですよ、とても裏献金できる額ではありません、高松物産にも同様ですと話たのです、


それならなぜお宅の吉川さんがこのUSBメモリの情報を1000万も出して私から買ったんですか、それは中身をしられてはまずい理由があるからでしょう、

吉川さんは愛媛からず~と私達を尾行していたのですよ、このUSBを奪う為としか思えませんとたたみかけると、


私は吉川に指示もしていないし、だいたいUSBメモリがあるなんて今貴方に言われて始めて知ったくらいですと憮然とした顔をしています、

チョット待って下さい、今吉川に聞いてみますと傍の電話をとりUSBメモリの事を聞いていたが、なんでそんな余計な事をするんだ、今すぐ、

自宅に来いと言うと電話を切った、


私の知らない事といえ吉川は香南信用金庫の理事です、彼の不始末は私の責任です申し訳ありませんと謝った、今来ますので彼が係わりがあるなら、

貴方の前で厳しく追求しますと言ったのです、


ゆうこはどうせ本当の事は吉川は喋らないだろう、ここまで内情を話したのだから二人が政治家とつるんでいるなら闇の中から大物が姿をあらわす、

に違いないと思い、二人がどんな芝居をするのか見届けようと思ったのです、


相手に手の内を見せるゆうこの大胆さに純一ははらはらさせられるのですが、ゆうこの思ったとおり巨大な闇の魔物が二人にせまろうとしていたのです、


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