水色の恋18 しばらくして尚子と定信が部屋に入ってきて焼香をし、このたびはご愁傷様でしたと幸子の両親へ挨拶すると、遠いところからわざわざおはこび下さりありがとう、


水色の恋18


しばらくして尚子と定信が部屋に入ってきて焼香をし、このたびはご愁傷様でしたと幸子の両親へ挨拶すると、遠いところからわざわざおはこび下さりありがとう、

ございましたと両親が返礼し、こちらへどうぞとゆうこ達のそばに案内したのです、


尚子と定信がゆうこの傍へすわると、精進落としです、さあと二人にお酌をしてあちらはどうでしたかと聞くと、名士の息子が亡くなったのですから、政財界から、

たくさんの人が弔問におとずれていましたょ、現内閣の国土交通大臣の下山さんもきていました、鳥越さんの顔の広さがうかがえますと定信が話した、


その後なにかわかりましたかと聞くので、茂るの通夜の席での吉川とのいきさつをかいつまんで話すと、ヤツパリゆうこさんの持っていたUSBメモリに何か秘密が、

ありそうですね、もちろんコピーはあるんでしょうと尚子が聞くのでええコピーはありますが数字だらけでサツパリわかりませんと答えたのです、


しかしコピーが取れるのがわかっているのに1000万も払うとはおかしいなあ、中身は吉川は見たんですかと定信がきくので、ええしばらく中身をチェックしていました、

と言うと、ヒョットしてその数字はダミーで他に表面には出てこない隠しフアイルがあって、吉川はそのUSBメモリ自体が欲しかったのではと話したのです、


そうかそういえばおかしいですね、純一さんどう思うと聞くと、そうかもしれない隠しフアイルを作る事は簡単にできるよと答えたので、なんでその事を早く、

言ってくれなかったのと怒ると、ごめん、ごめんあの数字がカギだと頭から思っていたので気がつんなかったよと謝ったのです、


でも吉川はあの数字に意味があるが絶対解析できないと思っているのかね知れませんと尚子が慰めるので、そうならいいんですがと答え、そちらの方はなにか解った、

んですかと聞くと、


定信が表立って調べる事は出来ないので、秘書に不良債権をもう一度調べさせたところ、高松支店関連で5億の融資が焦げ付いているのが解って、中身を今調査、

させているところです、他にもあるんですが、これが比較的大きな額でして最初に調査するよう命じてあります、1~2週間でわかるでしょうと話したのです、


ゆうこが時計を見るともう午前1時をまわっています、その時です、ゴーと不気味な音が聞こえ建物が左右に激しく揺れだし、段々大きくなり前のテーブルがひっくり、

かえり、料理が散乱したのです、はげしいゆれが続き随分長い時間に感じました、ゆうこは純一の手を握り締め気が遠くなってしまったのです、


ゆうこ、ゆうこと呼ぶ声が聞こえハッと目を開けると純一がもう大丈夫だよと顔をのぞきこんでいました、住職がみなさん怪我はありませんかと声をかけたのです、

幸いここは大広間で幸子の棺とテーブルくらいしかなく、幸子の棺は動かないないよう耐震ゴムがしいてあるらしく動いていませんでした、


それでも何人かはテーブルに当たって怪我している人がいて、緊急に住職が手当てしたのです、この建物は壊れることはありません、多分余震があると思います、

のでしばらく様子をみましょうと言ったのです、


しばらくして又ゴーと音がして先ほどよりは小さいですが、横揺れがし、その後も何回か余震があり、朝まで一睡も出来ませんでした、電気は全て消えており、

非常用のランタンが用意してあったらしく、住職が各テーブルに1個ずつ照らしたのです、


やはりお大師様の予言は当たりましたね、こちらに呼んでいただけなければ今の地震にまきこまれていましたわ、ゆうこさんありがとうと尚子が手を握るので。

いいえこれもお大師様のおかげです、今まで神、仏なんて信じていなかったんですが、これから信じますとゆうこは手を合わせたのです、


誰かが火事だ、火事だと騒ぎ窓から焦げ臭い匂いとけむりが入ってきたのです、純一と定信が隅にあった消火器をもって庭に出ると壁の付近が燃えています、

消火器液を噴射しするとすぐ火は消えたのです、住職がこのへんには火の気はないはずだが、ガス管も通っていないのにと不思議がっていたのです、


純一がまわりを見渡すと誰かが暗闇の坂を駆け下りてゆくのが見えたのです、部屋にもどり火は消しとめたからもう大丈夫だとゆうこに言い、だれかが火を、

つけたらしい、ヒョットすると吉川の手のものかも知れないと話すと、ヤッパリ私達の口封じをするつもりねと言うと、


実はさっきは言わなかったけれどあのUSBめもりはデットコピーと言う方法でソックリコピーしてあるので隠しフアイルがあっても全てコピーされているので、

解析は可能だよと小声で言うので、どうして言わなかったのと声をだそうとすると、誰も信用してはいけないよと目配せしたのです、


ええ~っ、尚子さん達も疑っているのと小声で聞くと、うん、あんまりにも偶然が重なっているので、誰が敵か味方かわからないしと言うので、私は味方だよ、

と手を握り、キスをしたのです、


ゆうこが考えた通り、吉川はあのUSBに他に秘密があり、それを感ずかれたおそれがあるので二人を事故にみせかけ抹殺しょうとしたのです、

二人の身につぎつぎと危険がせまっていきます、

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