水色の恋17 それからジャングルさまよい、8月15日の終戦になり全員アメリカ軍に降伏したのです、それで全て終わったわけではありません、ほとんどの、


水色の恋17


それからジャングルさまよい、8月15日の終戦になり全員アメリカ軍に降伏したのです、それで全て終わったわけではありません、ほとんどの、

将校が戦争犯罪人として軍事裁判にかけられたのです、


私と鳥越は原住民虐殺容疑で告発され、この容疑での告発はほとんど死刑になるのです、もちろん私たちは身に覚えがなく否定しましたが、

言い分はみとめてもらえずも死を覚悟したのです、しかし判決のギリギリになって食料を分けあたえた村長が証人になってくれて無罪になった、

のです、


分け与えた食料は私達がアメリカ軍から強奪したものなので、自分達も罪になると思いなかなか言い出せなかったそうですが、勇気をもって証人、

になってくれたのです、あの時殺害していればこうしてここにいる事はなかったわけです、


暫くは抑留されましたが昭和21年6月に日本へ帰ってくることができたのです、鳥越とは同郷との事もあって戦後親しいつきあいをしていました、

彼は事業に才覚があり信用金庫を立ち上げ、戦後の復興の波にのり順調な人生を送っていたのです、


石油ショック等の辛さをのりきり世はバブル時代に突入し未曾有の景気に沸きかえりました、しかし幸せは長続きしません、政府の金融引き締め。

政策によりあっとゆうまにバブルは崩壊、一転して、不動産・株価が下落しインフレからデフレとなり長い不景気が続く事になります、


信用金庫も不良債権が増大し厳しい経営を迫られる事となり、貸しはがしに走る事となったのです、私のいとこの会社もこの影響で資金繰りに、

いきずまり、借りていた資金の利子の返済にも困るようになり、鳥越の信用金庫からの融資も停止され、私に何とか融資を再開するように鳥越に、

頼んでくれるよう相談があり、


鳥越に頼んだのだが、個人の信用金庫ではない、いくら親友の頼みといえど、膨大な負債をかかえている所へ融資すれば共倒れとなり、債権者に

迷惑をかけるので出来ないと断られたのです、私の財産を処分して何とかしょうとも考えましたがそんな物ではとても足りず途方にくれたのです、


しばらくして、いきずまった、いとこはあの世に旅立ってしまったのです、すこししか出来なかったのですが残された奥さんと子供達が何とか、

生活できるようにし今日までやってきたのです、茂君は好青年で申し分なかったのだが、彼はいずれ鳥越の信用金庫をつぐ事になり、


その信用金庫の為に、いとこがなくなっているので結婚をみとめるわけにはいかなかったんですよと話した、それではもう随分鳥越さんとは、

会っていないんですねと聞くと、


いや2ヶ月まえにどうしても会ってほしいと連絡があり、迷いましたが妻には内緒で会う事にしたのです、誰かに見られてはまずいと思い、

離れた大阪で会う事にし、大阪の北新地の彼のいきつけの店に行ったのです、用事は茂君と幸子の事でした、


彼は茂は跡継ぎにはしない、後を継げば政治家との繋がり等、裏の汚い事にも手をそめなくてはならない、とても茂には出来ないだろう、

後は親戚の吉川にやってもらう事にするので結婚を認めて欲しいとの話しであった、


しかし結婚となると鳥越家との親戚付き合いはしなければならない、死んだいとこの妻と子供達は決して許さないだろう、昔なら二人とも縁、

を切れば問題ないかもしれないが現代ではそうもいかないだろうと言うと、


二人だけの結婚式を挙げ、しばらく生活していればその内ほとぼりもさめるかもしれない、表面は反対していてもいいんだよ、おまえは、

あの一件で表立って、俺に会うわけにはいかないだろう、しかし今でもお前は命の恩人と思っている、お前がいなかったらフイリピンの、

ジャングルで朽ち果ているよ、


幸子は私が反対しても茂君とは別れないよ、好きにやらせるしかないと思っている事を話すと、そうかありがとう、今日ははとことん飲みあかそう、

もちろん俺の事をぼろくそにけなしてもいいよ、


助けてもらったからではなく昔からお前に言われると何か腹たたないから不思議だよ、その言葉を聞いて少しは気が晴れたおもいがしたのです、

しかしまさかこんな事になるとは、二人は現世では一緒になれない定めだったのですかねと目頭をおさえ、ゆうこは慰めることばもありません、







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