水色の恋14 空海の遺言によるとこの摂津(大阪)・播磨(兵庫)・讃岐(高松)にて大地震が起り、その津波の高さは20メータを越え多くの人家が水没すると書きしるされているとの事であ
水色の恋14
空海の遺言によるとこの摂津(大阪)・播磨(兵庫)・讃岐(高松)にて大地震が起り、その津波の高さは20メータを越え多くの人家が水没すると書きしるされているとの事である、
この近辺は近畿から大阪・東海までに大きな活断層がありいつ大地震がおきてもおかしくないと言われているのです、
一般的に地震が少ないといわれていた近畿地方でも、多くの地震が過去には発生し、多くの被害をもたらしています、1596年(文禄5年)に近畿地方をおそった大地震は
マグニチュード7,5で伏見城の天主が大破して、500人が圧死したほか、奈良・大阪・神戸など広い範囲で被害が出た地震でした、
これは豊臣秀吉の時代の出来事で、秀吉は伏見城にいて危うく建物の下敷きになるところ加藤清正がかけつけ秀吉を救出したとされています、この時清正は朝鮮征伐で石田三成の
為、秀吉の勘気にふれ蟄居させられていたのですが、これにより秀吉の勘気がとけたのです、三成をひどく憎むこととなり、秀吉死後豊臣家が二つに割れ、この豊臣家の内紛
を徳川家康がうまく利用し天下を手中にいれる事になります、
遺言が本当だとして私たちはどうすれはばいいのですかと、ゆうこが西念にたずねると、箱を開けてから2日以内には起こると書いてあるとの事である、西念はこの寺の檀家の中に
高松市長がいますので連絡しますと言い席をたつた、暫くして一人の男を連れてもどり、こちらが高松の市長の福沢さんですと紹介した、
市長はゆうこの前にすわると空海さまの使いとはびっくりしました、さっそく緊急災害時の手配を行っています、準備をしておけば大勢の人が助かるでしょう、大阪、兵庫にも、
連絡しましたが、多分信じてはくれないでしょう、随分地震も来ていないですからね、貴方がたもここ2日の間はお寺など大きな建物にいるようにしてくださいと言った、
わかりましたと言うと寺を後にして、お通夜には早いですが幸子の家へ向かったのです、家につくとお通夜の準備に大忙しで、そばにいた人に話しをすると、奥の方から、
幸子のお母さんで出てきて、わざわざ弔問にきていただいてありがとうございますと奥へ招き入れたのです、
ここでお通夜をやるんですかと聞くと、いえ我が家の先祖代々のお寺がすぐそこですから、そこへ幸子は安置してあります、そこでお通夜・お葬式をやるんですよ、
ここではお通夜に出す精進料理をみなさんに手伝って作っています、田舎の事ですから大勢の人が弔問におとずれますので仕出しでは間に合わないんですと言い、
ここが幸子の部屋だったんですと、幸子の部屋へ招きいれ、形見になにか持っていってくださいと言い、今お茶を持ってきますねと部屋を出ていった、
見渡すと、幸子らしく綺麗に整頓してあります、机の上にはゆうことの海水浴・キャンプにいった時のおどけた写真がかざってあったのですが、茂との写真が一枚のない、
のに気がつき不思議な顔をしていると、
純一がどうしたのと聞くので、なんで恋人である茂さんの写真が一枚もないんだろうと言うと、それはお父さんが反対していたんであえて飾らなかったのではと言うので、
そうか~、そうだねお父さんに気を使っていたんだわ、気持ちの優しいとこが幸子にはあったからと、幸子を思い出し涙が出てくるのを止めることが出来なくなった
のです、
前の本棚へ目をやると真言密教と空海と言う本があったので、手にとって見ると、中にしおりが挟んであります、そのページを開くと四枚の写真が、それには何処かのお寺が、
茂と一緒に写っています、よく見ると4箇所はいずれもゆうこと幸子が今回まわる予定だったお寺です、幸子は高松出身だから茂と一緒に4箇所にいってもおかしくはない、
のだが、なんでこれだけがこの本の中に大事そうに挟まれていたんだろうと不思議におもっていると、
幸子のお母さんが、なにか形見になるものがありましたかと聞くので、ええ、この本をいただきたいのですがと言うと、いいですよ、と言い中に茂さんとの写真を入って
いたでしょう、よろしければそれも良いですよと答えたのです、
お母さんはこれに写真が入っていた事をご存知だったのですねと尋ねると、主人に遠慮して部屋には飾らなかったのでしょうと言うので、他にも茂さんと写った写真が、
あるんでかすと聞くと、後はみんな大阪の自分の部屋にあると思いますよと言うので、なぜこの4枚だけこの本に挟んだのでしょうと尋ねると、さあ私にも解りません、
それがどうかしたんですかと聞くのでいえチョット気になったものですからと答えると、
縁側がすずしいですよ、こちらにと庭のみえる縁側に案内したのです、ぜひ今日明日のお通夜・お葬式に出てください、今晩は此処に泊まってくださいと言うので、
お寺に泊めてもらえますかと尋ねるとお通夜ですから構いませんが寝ずの番は疲れますよと言うので、
実はと先ほどのいきさつを話し、ぜひとも皆さんもお寺か大きな建物に避難したほうが良いですと言うと、幸子の遺言かしら、それでは皆に連絡しますと席を立つたのです、
ゆうこも自分がお釈迦様の使いなんて信じていないのですが、すぐそばまで大災害がせまっていたのです、
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