水色の恋13 翌日沢山のご馳走をありがとうごさいましたとお礼を言うと、尚子が私もお兄さんと行きますので現地で落ち合いましょうと答え、


水色の恋13


翌日沢山のご馳走をありがとうごさいましたとお礼を言うと、尚子が私もお兄さんと行きますので現地で落ち合いましょうと答え、

ゆうこと純一は高松へ出発したのです、


そのころ吉川は高松についており、国道を監視していたのだが一向にゆうこと純一が現れないので、尾行されているのにきずき道を変えたのだと

考え、お通夜には姿をみせるはずなので帰りに後をつけ宿泊先をつきとめようと思ったのです、


ゆうこと純一は高速道路にのり瀬戸内海の景色を左にみながら高松へ走り、しばらくして高松のインターを降り88番札所にむかったのです、


お遍路の最後の札所大窪寺は願いが成就する寺として別名、結願寺とも呼ばれる、しかし、お遍路にはここが終わりの地でここが始まりの地と

いうものはないのです、遍路は元来、曼荼羅を示すもので、生涯永劫巡るものとされているのです、


境内の寶杖堂には結願した沢山の金剛杖が納められていて、これらの奉納品は春分の日と8月20日に催される柴灯護摩供で焚き上げられます。

もちろん、お杖は次回の遍路の為に持ち帰ってもよいことになっているのです、


境内にはいりおまいりをすませ参道の食堂にはいり、おながすいたここは何がおいしいのと純一に聞くと、もちろんさぬきうどんだよと答え

たので、うどんを二つと注文すると、店員さんがそれではおぼんを持ってすきなうどんを厨房に言ってください、トッピングはいろんな物

がありますので好きに選んでくださいとお盆を渡したので厨房のそばに行き暖かいのを注文しそこにあった海老とちくわを乗せたのです、


席に戻り箸をつけると、こりこりしていてこしがあり、とてもおいしいので、さすがさぬきの本場だねおいしいよと純一に言うとそうかな~、

ぼくは岡山の生まれだから少し味が薄いきがするよと言うので、そうかな大阪はこんな味だよ、それでは醤油をすこし入れてみたらと言い、

そばにあった醤油を純一のうどんにいれると、ん、これで丁度いいよとおいしいおいしいと食べ始めたのです、


食べおわり、おだんごも食べようと注文すると、え~まだ食べるのと純一が呆れ顔しています、一杯食べてゆうこがデブになったら嫌いに

なるのと、にらみつけると、そんな事ないよと純一がにが笑いをしています、


だんごがきたので一口食べると、どこにいたのかリスがちょこんとゆうこの座っている長いすのそばにとびのり目をくりくりさせています、

あれクーチヤンついて来たのと言い、よく見ると昨日のリスとはちがいます、


おだんごを差し出すと器用に串から抜き取りムシヤムシヤと食べ、食べ終わるとまたもやゆうこの手の平に乗り何かを置き、屋根に飛び乗り

森の中へ消えたのです、


見るとなにかのカギです、なんのカギだろうと純一にみせると、この大きさからみると小さな箱のカギみたいだね、なんだろうと不思議がって

います、とりあえずボケットにしまうと、あのリスも神様の使いだろうかと二人で顔を見合わせたのです、


まだ時間があるので周りを散策しようと二人で連れ立つて境内を歩いていると右奥が絶壁になつており洞窟があります、近づくと立て札

があり、弘法大師が最後に修行した祠であり、拝観は出来ると書いてあります、中にはいると遊歩道がつくられ洞窟の両脇には蛍光灯が

つけてあります、


10メータ進むと広い空間に出て奥に薬師如来が安置してあります、前に台座があり、そばの立て札には弘法大師修行の台座と書いてあります、

お参りして、来た道を引きかえそうとした時なにやら誰かに引きとめられた気がしたので、純一にどうして後ろから引っ張るのと後ろを振り向く

と、え~、何にもしていないよと怪訝な顔をしています、


そうか~気のせいかあ、だれかに引きとめられた気がしたのと答え、ふと右側を見ると小さな箱が岩の間に挟んであります、黒い鉄の箱で、

真ん中には小さなカギ穴があります、ひょっとしてと、先ほどリスが渡したカギを差し込むとぴったりです、右に回すとカチッと音がして

前蓋が開いたのです、中を見ると黒い真珠の数珠となにやら経典らしきものが入っています、


取り出すと立派な数珠と経典です、開いてみましたが難しい漢字でさっぱりわかりません、数珠と経典を元に戻し、ここのお坊さんに

知らせようと二人は小走りで洞穴をでたのです、


本堂に行き事情を話すと、すこし待ってくださいとそのお坊さんは本堂の奥へ急ぎ足で行き、程なく立派な袈裟をつけたお坊さんが出てきて

ここの住職の西念です、そのカギはどこで手に入れたんですかと聞くので、先ほどリスが渡したのですと答えると、びっくりした顔をして、

ともかく修行の洞窟へいきましょうと、洞窟へ向い、箱を開け数珠と経典を取り出し、本堂に引き返したのです、


本堂の一室に通され西念は、お茶と、お茶うけを持ってきなさいとそばのお坊さんにたのみ、経典を瞬きもせず読んでいます、読み終わると

まあ一服してくださいとお茶を進めたのです、いただきますとお茶を二人で飲むと西念はまじまじとゆうこの顔をみています、


あの~とゆうこが言うと、なんですかと返事したので、足を崩してもいいですか、座りなれていないもんですからと言うと、ニコニコ笑い

ながら、そうですね若い人には正座はきついですね、いいですよ、崩してくださいと言ったのです、


何が書いてあるんですかと尋ねると、じつはあの箱は空海様が後の世の為に書きしるした、大事な遺言が入っていると言われていたんですよ

この世に大変な事が起きる時、西の方から男女の連れ合いがカギをもってくるのでそれ以外は決して開けてはいけないと言う事でありカギも

見あたらないので今まで開けた事がないのです、


過去には何回か西の方から男女の連れ合いがカギをもつて来て時の住職があけた事があるが、その後カギも行方不明となったと記録されており

私は始めてですよ、あなたはどうも不思議な力を持っているみたいですねと言い、とても信じられない事を西念は話し始めたのです、




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