水色の恋9 しばらく歓談して、尚子がまだ時間がありますから、いいところに案内しますわ、支度をするので、それまでこの庭を二人で、


水色の恋9


しばらく歓談して、尚子がまだ時間がありますから、いいところに案内しますわ、支度をするので、それまでこの庭を二人で、


散歩していてくださいと言うので、二人で茶室をでて散策する事にしたのです、ゆうこは純一と話ながら庭園を歩いていると、


石灯籠がありそこの後ろの小さな木の枝から、ガサ、ガサ、と音がしたので、振り返るとあのリスがピョンと飛び跳ね、


ゆうこの肩に乗っかってきたのです、


しばらくして尚子が先ほどの着物姿とちがって、ジーパンにテイシャツ、姿であらわれ、それでは行きましょうかと声をかけたのです、


ゆうこの肩にリスが乗ってるのをみて、あらくうちゃんゆうこさんを気に入ったのと言うと、大きな目をクルクルまわし、ぴょんと飛び跳ね


こんどは尚子のかたに飛び乗ったのです、


応接まに戻ると、そこには小山田がリックサックを持ちここに弁当がはいっていますと、尚子に水筒といっしょに渡し、ありがとうと、


尚子が受け取り、肩に担ごうとしたので、純一が私がもちますと言うと、お願いしますとリックサックを渡したのです、


裏口の格子戸をあけると、そこから山の方に小道があり、尚子のあとをついて出ると、これから山道をいきます、少々登りはきついですが、


ついてきてくださいと言い歩きはじめたのです、


ひごろ山道なんか歩いてないので、なかなかきっくあっというまに汗をかき始めると、尚子がタオルを純一とゆうこに渡し、いい運動に


なりますよと笑っています、一時間くらい山を登りクタクタになると、もう少しですよと尚子が声をかけ少し登ると、ひらけた場所にでたのです、


さあ着きましたよと言ったのでホッカリして回りを見渡すと、瀬戸内海が目の前にひろがり、景色の素晴らしい場所だったのです、


左側は松山の町並みが一望でき、尚子があのまちの海の先が九州ですよ、真正面の海の向こうが下関、あそこあたりが平家と源氏が


戦った壇ノ浦、右がわの瀬戸内海の向こうが山口の宇部ですと説明したのです、


そばには山の木で作ったテーブルとイスが置いてあります、そこにリックサックをおろすと、さあお昼にしましょうとなかから竹の皮の


弁当をとりだし二人に渡したので、あけてみるとおにぎりがはいっています、さあたべましょうと、言うのでいただきますと食べると、


いい塩かげんです、なかなかおいしいので、こんな景色のいいところで食べるおにぎりは、また格別ですねと言うと、


尚子がだいぶ歩いておなかがすいたから、おいしく感じるんですよ、帰って温泉にはいると極楽ですよと、ニコニコ笑ったのです、


ところで明後日お葬式があると、ゆうこさんが言っていたけど親しいかたがなくなったんですか、わたしも知り合いがなくなって明後日香川まで、


お葬式に行かなくてはいけないのと言うので、一緒におへんろしていた友達が昨日なくなったので、わたしたちも香川までいくのですと答えると、


昨日とゆうともしかして桂浜でなくなった鳥越茂さんではと尚子が言うので、ええっ、私は一緒になくなった女性が友達なんです、


鳥越さんとは知合いなんですかと聞くと、愛媛にある伊予銀行は私のひいおじいさんが、創設者なの代々松平家の当主が、頭取をつとめているんです、


今は私の兄が頭取なんですが、3かげつ前に兄から香川信用金庫の理事長息子の、茂さんとのお見合い話を持ってきたの、私は嫌だと断ったんですけど、


大手都市銀の頭取からの話で、むげに断れないのでお見合いだけでもいいから会ってくれと頼まれ、しかたなくお見合いしたの、


皆が気を使って二人だけにしたので、思い切って実は好きな人がいるけど、兄の頼みで仕方なくお見合いをした事を打ち明けたら、茂さんも私と同じ


好きな人がいるけどお父さんの頼みで仕方なく来たと言ったの、茂さんがどっちから断ったほうがいいのと聞くので、茂さんから断ってと言ったの、


そして数日後、兄が私に先方から話しを出して断るとは、言語道断だと都市銀の頭取が憤慨しているのに、なだめるのに苦労したよ、でも尚子は乗り気


ではなかったから、丁度都合がよかったねと話し、さては誰か好きな男がいるんだろう、早く紹介しないと、次からつぎに見合いばなしがくるぞと言ったの、


二度しか会ってないけど、亡くなった事を兄から聞きびっくりしたんですよ、兄が先方の理事長の知り合いなので私も行く事にしたの、


ゆうこが私は二人が自殺したとはとても思えないのと言うと、尚子が私も自殺ではないと思っているの、実は先週高知にきていると茂るさんから、


連絡があり、丁度私も用事で高知にいたの、彼がこの前のお詫びに食事をご馳走すると言うので会ったんです、前の会った時と違って、


何か様子がおかしいので、食事をしながら、何かあったのと聞いたら、仕事で僕の手にはおえない事がおきて、まいったよと言うので、


わたしで良ければ聴いてあげると言うと、暫く考えて、いや尚子さんを巻き込む事になるといけないので、と口をにごしたの、


そんな事はないと食い下がると、うん、それでは話すよと、彼はその事情をはなしたんです、その内容を尚子は話始めたのです













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る