水色の恋8 純一は近道をしようと県道を行く事にしたのです、本来は国道を海岸線沿いに行くのですが結構遠回りになります、県道を行けば
水色の恋8
純一は近道をしようと県道を行く事にしたのです、本来は国道を海岸線沿いに行くのですが結構遠回りになります、県道を行けば
道は狭いですが小さなトンネルがいくっかあり意外と近道なのです、2番目のトンネルに入ると薄暗くスピードを落として進むと
なにかこうもりみたいな鳥が右横から飛んできてフロントガラスにぶつかったのです、
車を止め外に出てフロントガラスを見るとこおもりではなく大きなカエデの葉っぱだったのです、車にもどり、こおもり、かと思った
らカエデの葉っぱだったよとゆうこに話すと、何んか気持ちの悪い場所だね早く行こうと言い、車のクラッチをいれ走りはじめ、ふと
後ろに視線を感じ、振り返ると後部座席にいっのまにか和服を着た女性が座っているではありませんか、
ビックリして誰ですかと話しかけると、ごめんなさい、勝手に乗り込んで、バスを待っていたんですがなかなか来なくて私の家まで
乗せてくれませんかと言ったのです、見るとちや~んと足もあり幽霊ではなさそうです、家はどこですかと尋ねると、ここから車で
5分くらいですと答えたのです、
わかりましたと返事をしトンネルを抜けると後ろから、次に右の方へ行く道がありますからそちらに行ってくださいと言うので
右の山の方へ走り小高い丘を登り、下り坂を走ると川が流れており、その川のほとりに古めかしい立派な屋敷が建っていたのです
立派な門をくぐり中庭へ乗り入れるとここで結構です、助かりました、お礼にお茶でも差し上げますわ、こちらへどうぞと言う
ので、先を急ぎますからと断ると、そう言わないでまだ時間は早いですよと言うので、ゆうこを見るとこくりとうなずいたので
それでは少しだけお世話になりますと返事をし車を降りたのです、
彼女が入り口の扉の鉄のワッカでとびらを叩くと、扉がギギギ~と開き中から白髪の紳士がお嬢様お帰りなさいと言うと、こちら
の方にここまで送っていただいたの、お茶を差し上げますので、応接間に案内して頂戴とその紳士に頼み、奥に入っていったのです、
白髪の紳士がそれはありがとうございました、こちらへどうぞと応接間に案内したのです、それでは支度しますので、暫くおまち
くださいと奥に行き、純一とゆうこは応接間のイスにすわり回りを見渡すと、鎧兜や戦国時代の戦いを描いた屏風がところ狭し
と飾ってあり、なんとなく時代をスリップしたみたいな感じがしたのです、
しばらくして先ほどの女性がおまたせしました、こちらにどうぞと言うので廊下を歩いていくと目の前にすばらしい庭園が現れ
その素晴らしさに見とれていると、あの庭の真ん中にお茶をのむ場所があるんですよと案内したのです、
丁度庭園の真ん中が少し高くなっており吹き抜けの茶室になっています、中に入り回るとぐるりと隅々まで見渡す事ができる
作りになっています、随分立派なお屋敷ですねと話しかけると、江戸時代に作られたもので古いものですから、修繕が大変
なんですよとにこにこ笑っていたのです、
始めまして私は松平尚子と申しますと頭を下げたので、私は早川純一です、こちらは橘ゆうこさんですと挨拶し、先ほどの応接間
に飾ってあったみごとな鎧兜といい、松平とゆう名前といい随分昔からある名家なんですねと尋ねると、
私のご先祖様は三河の出で、今の愛知県の浜松なんですよ、徳川家康の親戚に当たり、幕府よりこの地を賜わり、伊予松山藩15万石
の城主だったのよ、温泉もでるのでここには別荘だったの、今は両親亡くなり28代になる私が住んでいるんですよと話したのです、
今お茶をたてますわと言って鉄瓶からお湯をくみお茶を立てて目の前に差出したのです、あの~、作法を知らないんですがと困った
顔をすると、作法はどうでもいいんですよ、好きなように飲んでくださいと言うので二人で適当にのむと、すごく美味しいので、
おいしいお茶ですねとゆうこが言うと
気にいってもらって嬉しいですわ、実は私があのトンネルにいたのは偶然ではないんですよ、先ほどの応接間の上にあった神棚
に4枚の四天王のお札があるのです、今朝その一枚の不動明王のお札がなくなっているのに気ずいたのです、
わが家の言い伝えにこの地域に住んでいるリスは神の使いで神棚のお札を渡した人は我が家に福をもたらす、また必ずあの場所で
立ち止まる言われているのです、あのトンネルの上は旧道でトンネル内で事故がおきた時の避難通路階段があり、そこで止まる
車をまっていると貴方たちが車を止めたので言い伝えは本当だったと、夢中で車に乗ったのです、
でもリスが貴方たちにお札を渡したかはわかりません、単なる言い伝えですからと話したのです、ゆうこはビックリして実は石手寺
でリスがこの紙切れを渡したのですと尚子にみせると、あらこれは間違いなく神棚にあったものだわ、
すると先ほどの紳士がお茶うけをお持ちしましたと茶室の外から話しかけたので、あら爺やこちらに座ってと招きいれ、こちらは
私の家の執事をしている小山田ですと紹介すると、小山田です私の家は代々松平家に使えているのですと挨拶したのです、
尚子が小山田に先ほどの話しをすると、間違いなくわが家に福をもたらす人に違いない、今日はお泊りいただかなくてはと言った
ので、いや先を急ぎますのでと純一が断ると、ゆうこが幸子のお葬式はまだ先だわ一泊くらいはいいでしょうと話し、わかりました
これも神様のお導きかもしれません、今晩ごやつかいになり、尚子さんに色々聞きたいこともありますのでと了承したのです、
ゆうこは偶然にしては出来すぎている何か人の力の及ばない事が起こっているのに違いない、しかし何の為に私たちを引きとめ
たのか、この屋敷にその謎を解くカギがあるのに違いないと思ったのです、
純一はここに留まれば良くない事が起きそうで早くここから立ち去りたいのですが、好奇心の強いゆうこが承知してしまったので
しかたなく留まる事にしたのです、
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