水色の恋5 桂浜に着いたゆうこは砂浜に花束をたむけ深く瞑目したのです、立ち上がり坂本龍馬の銅像の方え歩いていくと、一人の老人が犬を散歩
水色の恋5
桂浜に着いたゆうこは砂浜に花束をたむけ深く瞑目したのです、立ち上がり坂本龍馬の銅像の方え歩いていくと、一人の老人が犬を散歩
しているのに出会ったので挨拶すると、昨日ここに上がったほとけさんの知り合いのかたかね、若いのになにも死ぬことはないのに、
私みたいなものが長く生きて、若い人が先に行く姿を見ると忍びないよと話しかけ、海に向って手をあわせたのです、
老人は昨日いつもの通り犬を散歩させていたら、砂浜に倒れている二人をみつけ119番したんだよ、二人の手と手が結んであったので、
警察は自殺ではないかと言っていたが、結んであつた紐は真田紐と言う紐で、現在では信州の上田でしか作っていない、
あんなものを何処で手にいれたんだろうと不思議がっていたのです、
ここに花束をそえるくらいだからよっぽど親しい人だったんだろう、気をおとさないでと言うと犬の方へ歩いていったのです、
連れてた犬が何かを見つけたらしく、激しくほえているのでゆうこも犬の方え歩いていくと、老人がマル、こつちへよこしなさいと手を出すと
くわえていた小さな人形がついた黒い棒みたいな物を離し、老人が何だこれはとゆうこに見せたのです、
それを見てゆうこは幸子が論文を書く為に持参していた、ノートパソコンのUSBメモリであり、付いていたミッキーの人形は幸子がだいじにしていたもので、
さちこの物に間違いないのです、しかし海水に漬かっていたと思われ人形が濡れていたので、中身を見る事が出来るかどうかはわかりません、
何かのてがかりになるかもと老人から受け取り坂本龍馬像に着くと、後ろにまわり小さな窪みに手をいれ紙切れを取り出したのです
このまえここに来たとき幸子が龍馬像の後ろに小さな穴があり、いつごろから知らないけど、ここに来た人が記念にメッセージを書き穴にいれて
行くと言い幸子もいれていたので、ひょっとして何か残しているかもと思ったのです、
何枚か入っていましたが新しいのは一枚だけで、広げてみると、001245188と数字が書いてあります、昨日来たときなにを幸子が書いたかは、
聴いていないのでわかりませんが、ともかく紙きれをポケットにしまい、バス乗り場へ行くと、駐車じょうにいた一台の車から男が降り、
こちらに歩いてきたので、よく見ると純一です、
どうしたのと声をかけると、ゆうこちゃん一人では危ないから僕もついて行くよ、幸いなつ休暇が後3日残っていたので休暇を取ってきたんだよ、
とにこにこ笑っています、一緒にいってくれるのはありがたいけど、ホテルの部屋は別々だよと言うと、信用ないんだなあ、わかったよと言い、
車にのり愛媛へ向けて出発したのです、
車の中で純一が高知から松山までは二時間半くらいかかるんだよ、今は道路が整備されてるからいいが、昔はシコク山脈を抜けていかなければならず、
大変な難所で峠をいくつも越えていったそうなんだよ、着くまでゆっくり寝てていいよと言ったので、それでは絶景な場所がいくつもあるんでしょう、
寝てるなんて勿体無いわ、それに純一さんが居眠りなんかして気がついたら、二人であの世に行っているなんて事にならないように、
良く見張っておくよと、顔をまじまじみると、まいつたなあそんなに信用ないのか、と言うので冗談だよ、本当は付き合ってくれて嬉しいよ、
と笑ったのです、
高速道路はトンネルだらけで、山また山で特別みる場所はありません、つまらない顔をしていると、海側を走っていくルートもあるけど、
きょう中には着かないよ、あと20分くらいで愛媛にでるよ、道後温泉までは1時間くらいだよ、この先に山あいの展望台があるから
そこでお昼にしようと高速をおり、山の中腹の駐車じょうに車を止め展望台に向ったのです、
ほらこの山の下が愛媛だよと純一が指差す方をみると、遠くに海が見え大きな町並みが広がっていたのです、そこのレストランでお昼にしょうと、
店に入るとおいしそうな匂いがしているので、ここの名物はなああにと聞くと愛媛は、じゃこ天、魚のすりみだけど
ここは山間だからなんだろう、お茶を出しに来た店員さんに聞くと、ししなべがおいしいですよと言うので、それをお願いします
と注文したのです、
ほどなく煮えてきたので昼からナベとは贅沢だねと箸をつけ、肉を食べるとこりこりしていて歯ごたえがあり、とてもおいしいので
ところでこの肉は鶏肉と聞くと、ししだからイノシシだよ、言ってみれば野生のブタだよと純一が言うので、初めてたべたわ
しこくにきてからずうと魚だったからヤツパ肉はおいしいねと言うと、純一がうん、実は僕も初めて食べたんだよ、これはおいしいと、
二人で夢中になつて食べたのです、
おなかも一杯になり、さあ行こうと車にのり松山へ向かい、1時間くらいで道後温泉へ着き、51番札所の近くの旅館を純一が予約していたらしく、
ふなや、と言う老舗の旅館に宿をとる事にしたのです、
女将さんらしき人が出てきて部屋へ案内しようとするので、純一がすいません、もうひと部屋お願いしたいんですがと言うと、あいにく
今日は満員でしてと、こまった顔をしているので、ゆうこがそれではひと部屋でけっこうですと答えると、
こちらへどうぞと女将さんが部屋へ案内したのです、
お食事は6時からです、一階の広間におりてきてください、まだ時間がありますからゆっくり温泉に漬かってください、
と言い部屋を出ていったのです、純一が同じ部屋でいいのと聞くので、満員だからしかたないよ、でもへんな事しないでね、
これでも腕っ節は強いのよと笑ったのです、
しかしこの二人を見張っている夫婦になりすました、男女のふたりずれがいる事をゆうこと純一は知りません、
ゆうこの持っているUSBメモリとメモを狙っているのです、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます