水色の恋2 翌日朝食をとりながら友達が88箇所を全部回れないので徳島の1番札所、高知の24番札所、愛媛の51番札所、香川の88番札所の4箇所を後3日でまわるよ


水色の恋2


翌日朝食をとりながら友達が88箇所を全部回れないので徳島の1番札所、高知の24番札所、愛媛の51番札所、香川の88番札所の4箇所を後3日でまわるよ

と言ったの、健治は何か手抜き、おへんろ、だねと笑うと、友達は幸子と言って香川の旧家のお嬢様で以外と天然なの、


幸子が今日は高知の24番札所に行こうと言うので、なんで24番なのと聞くと、それは行ってからのお楽しみとわけを教えてくれません、昨日鳴門の渦潮、

一番札所も行ったからこれから高知へ移動し24番札所へお参りして、その後観光しましょうと言い出掛けたのです、


徳島駅からローカル線にのり甲浦と言う駅で降り、バスで室戸岬の24番札所、最御崎寺(ほつみさきじ)に着き、早速お参りをして茶店で緑茶をたのみ

一息ついたのです、幸子がここに来たのは弘法大師が一番悟りを開いた場所で、これから行く洞窟で修行していた時、空と海しか見えない事に気ずき、

空海と名乗るようになった由緒ある場所なのよ、だからここに来たのと話したのです、


そしてその洞窟に行くとなるほど中からは青い空と紺碧の海が見えすがすがしい気持ちがしたのです、幸子になぜ海が青く見えるか知っていると

聞くと、それは海だからよと天然の返事である、はははは、幸子らしい答えだね、違うよ、水は一番青い色を通しやすく、他の色は途中までしか

通さないから青く見えるのよと言うと、ふ~ん、意外とゆうこは物知りなんだねと感心していたのです、


前総理大臣の菅直人も女性のスキャンダルで問題になった時、四国巡礼に出て、ここに立ち寄り修行をしたんだってと言うので、菅直人も私達と

同じ、1番・24番・51番・88番と手抜きおへんろをしたのかしらと聞くと、手抜きではないよ、88箇所は人生が終焉に向うときにあらためて人生

の反省をこめてお参りすればいいのとふくれ顔をしたので、


ごめん、ごめん、しっかりしている幸子が時々天然になるから、ついからかいたくなるの、本当にごめんと謝ると、全然気にしてないよ、

それでは室戸岬の灯台でも見に行こう、すぐ近くだよ、そこには幕末の勤皇の志士、中岡慎太郎の銅像もあるんだよと言い灯台へ歩きだしたのです、


ところで中岡慎太郎て誰、有名な人と聞くと、あれ~、慎太郎をしらないの、彼は幕末、土佐の裕福な庄屋の生まれで倒幕に奔走した勤皇の志士

だよ、大政奉還後、坂本竜馬と酒を飲んでいたところを、刺客に襲われ龍馬と一緒に暗殺されたんだよ、と言ったので、そうか坂本龍馬も土佐の出身

だね、龍馬の銅像はないのと聞いたのです、


幸子はここにはないけど土佐の桂浜にあるよ、そこも行くから楽しみにしていてと答え、ゆうこも段々、れき女になって来たねと言うので、れき女

て、と聞くと、はははは歴史にはまった女の事で最近のはやり言葉だよと笑ったのです、そういえば、おへんろ、に行くのは年寄りばかりと思って

いたのに、意外と若い女ずれが多いのにびっくりしたのです、


遊歩道を歩き海岸へ降りて行くと何人かの釣り人が魚を釣っていたので、つりかごの中を見るとなにも入っていません、一人の若い男に何が釣れる

んですかと聞くと、タイだよ、もっとも今は潮目が悪いので全然あたりがないけどと答え、つりが好きなんですかと聞くので、少々やるんですよ

と言うと、それではこの竿を貸してあげますからやってみてはと言ったのです、


いえ次の所に行かなければと断ると、幸子がまだ時間あるからやってみなさいと言うので、ではお言葉にあまえて拝借しますと答え、竿を受け取り

餌をつけスナップを利かし竿を振ると、なかなかやりますね、素人でとてもそういう投げ方は、出来ないよ、と感心した顔で見ていたのです、


すぐに浮きがす~と沈み、ゆうこ引いているよと幸子が言うので、タイが遊んでいるのよ、もうひと引きと待っていると二度目に浮きが沈んだので

斜めに引くとぐぐぐ~とかかったのです、竿をたてリールを巻き、また竿をたてリールをまく事を繰り替えしていると、その男の人がたもを持ち

すご~いと海にいれすくうと30センチのタイが釣れたのです、


いやはやびっくりしました、名人ですねと言うので、いや~まぐれですよと笑うとそんな事はないよ、ぼくは朝早くから来ているけどあたりも

ないんだから、と頭をかいていました、ありがとう、そろそろ行かなくてはと言うと、このタイ是非持っていってくださいと言うので、


旅行の途中なのでと断ると、どこまで行くんですかと聞くので、桂浜に行って、それから高知に行き一泊しようと思っていると答えると、それでは

私も高知へ帰るので、桂浜へ案内して高知まで車で送りますよと言ったのです、幸子が是非おねがいしますと返事をし、彼の車に乗り桂浜に向った

のです、


車の中でこういう者ですと、名刺を渡すので見ると高松物産株式会社・高知営業所・営業一課・早川純一と書いてあります、出身は香川県、高松

なんですかと聞くと、いや岡山だよ、本社は大阪だけどと答えたのです、


学生さんだね、どこから来たのと聞くので大阪よと答えると、偶然だ~、僕も大阪から高知に転勤になったんだけど、来月から大阪の本社に戻る

事になっているんだよと言ったのです、僕の知っている高知の料理屋があるから、そこで君の釣ったタイをさばいて貰おうと言うのでホテルで

チェクインし彼の車で料理屋へ向ったのです、


しかしこの出会いがゆうこを大変な事に巻き込み、つらい思いをするとはこの時夢にも思っていなかったのです、


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