TOPICS 2019.7~

2019年夏アニメはまれに見るライトノベル原作超豊作期

 ひょっこりと登場。前エッセイから半ば恒例となっている、ラノベ原作アニメの紹介記事シーズンとなりました。


 私個人としては『ぼくたちは勉強ができない』と『世話やきキツネの仙狐さん』にガチハマりしていたシーズンだったといえます。『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』や『フルーツバスケット』など、往年の名作も出てきましたね。


 特に思い入れがあったのは『ぼく勉』です。

 私自身が登場人物の古橋文乃(文系はトップだが理系が絶望的に苦手な天文少女)に非常に酷似した学業成績だったこともあって、私もこうやって苦手に向き合ってくれる人がほしかったなあ……という超個人的な感情移入もあったのかなと思います。


 いや、数学だけはマジでギャグみたいな点しか取れなかったんですよ。苦手が過ぎると何がわからないかすらわからないんです……(泣)


 秋には第2期が決まっているということで、非常に楽しみです。



 さて、今回のクールの話に移りましょう。

 かつてないほどライトノベル原作が豊富なシーズン、であるのはタイトルでもお示ししているところなのですが、その特徴はやはりなんといっても『小説家になろう』さん発の異世界ファンタジーが非常に多い、という点に尽きます。


 前クールも『賢者の孫』や、KADOKAWA系異世界ファンタジー総結集のスピンアウト『異世界かるてっと』などもありましたが、まだまだ異世界ファンタジー原作のアニメ化はとどまるところを知りません。

 以下、敬称略で作品と作者・出版社/出版レーベルを列挙します。



・『ありふれた職業で世界最強』

 (白米良・オーバーラップ/オーバラップ文庫)

・『異世界チート魔術師』(内田健・主婦の友社/ヒーロー文庫)

・『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』

 (CHIROLU・ホビージャパン/HJノベルス)

・『魔王様、リトライ!』(神埼黒音・双葉社/双葉社Mノベルズ)



 なろうさん出身作だけでこれだけあるのは率直にすごいとしか言いようがないですね。なろうさんではありませんが、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(通称『ダンまち』)の2期も入れれば、実にWeb発小説として5作品もアニメ化しているのです。1クールにつき1つや2つあるだけでもすごいのに。

 まだまだWeb発のムーブメントは止まらないですね。


 この中でわたしが特に注目しているのは『うちの娘の為ならば~』、通称『うちの娘。』です。

 実はかなり前の段階から登場人物のラティナという女の子キャラクターがちょっとしたあいさつなどをする動画をアップしたりと、昨今のバーチャルYouTuberブームを想起させるプロモーションをおこなってまして。

 それがまたかわいくて、私のフォロワーさんなんかにも人気だったりしてます。

 そういった放送前の地道な活動が本放送スタートとともにどれだけヒットに結びつき得るか、という点においても興味深いですね。


 

 さらに、これだけにとどまりません。

 Web出身ライトノベルのアニメもそれに負けないくらい多いのが、今期の際立った特徴なのです。



・『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』

 (花間燈・KADOKAWA/MFJ文庫)

・『コップクラフト』(賀東招二・小学館/ガガガ文庫)

・『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』

 (井中だちま・KADOKAWA/富士見ファンタジア文庫)

・『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』

 (三田誠/TYPE-MOON・KADOKAWA/角川文庫)


 

 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』は『レンタルマギカ』でも有名な三田誠氏が書くFateシリーズのスピンアウトです。正確にいえば『Fate』シリーズのスピンアウトである虚淵玄さんの『Fate/Zero』のスピンアウトですね。


 は原作ゲームメーカーのインディーズレーベルで出版されたものでしたっけ? 

 ちょっとそのあたりの経緯は詳しくないのですが……

 おそらくは当コラムの読者さまのほうがご存知ですね。

 

 もうすでに0話という形で放送がはじまってるみたいですね。未視聴なので、あとでちゃんと視聴して追いつこうと思います。



 『コップクラフト』の原作である賀東招二さんは『フルメタル・パニック!』や『甘城ブリリアントパーク』でも有名ですね。

 『通常攻撃~』、私が勝手に『お母さんラノベ』と呼んでる作品は、アニメイトさんとの奇抜なフェアが爆発的な『バズ』を呼び話題を集めた作品です。

 『可愛ければ~』も昨今のラブコメの盛り上がりを牽引している、というかコミックの『変女』という作品もそうなんですけど、女性キャラクターがなんかちょっと変態チックな作風がウケてると思うんですけどどうでしょうか!


 

 さらに電撃さんからは、『とある』シリーズのスピンアウトであるコミックスが原作のアニメが参戦します。


・『とある科学の一方通行』

 (鎌池和馬/山路新・KADOKAWA/電撃コミックスNEXT)

 

 原作でも屈指の人気キャラクターであるアクセロリ……もとい一方通行アクセラレータが主人公です。

 私が書店員していたギリギリのタイミングで1巻が出たのですが、入荷した瞬間に「こんなん絶対売れるやん……!」と確信したのでアニメ化も納得ですね。

 今期最注目作品のひとつであると思います。


 こちらも元はライトノベル原作、ということでこちらも合わせるとWeb小説原作作品と数の上で並ぶこととなります。これほど小説媒体原作の作品が立ち並ぶシーズンも大変珍しいです。

 書店でのライトノベル・新文芸の棚担当者の苦労がしのばれます(笑)

 正直、今からでも書店員に舞い戻ってアニメ化フェアの棚を作りたくなってしまうくらい。これらの作品が棚から一気に売れていくのをこの目で見たいです。



 ここからは非ライトノベル原作作品でおすすめを挙げていきたいと思います。


 まずはNHKさんで放送される『ヴィンランド・サガ』(幸村誠・講談社/アフタヌーンKC)ですね。ようやっとアニメ化ということで、期待しかありません。


 完結後に大きな話題となった『彼方のアストラ』(篠原健太・集英社/ジャンプコミックス)や、人類滅亡後からの文明再興を描き現在のジャンプ人気を牽引する『Dr.STONE』(稲垣理一郎/Boichi・集英社/ジャンプコミックス)。

 『手品先輩』(アズ・講談社/ヤンマガKC)、4期めとなる歌唱バトルアニメ『戦姫絶唱シンフォギアXV』など……このあたりはおそらくわたしが挙げなくとも多くの方がすでにチェックしていると思うんですよ。



 そこで『カクヨム』のユーザー、特にロボットものが好きな方々に、ぜひ次に挙げる作品名をぜひ覚えて帰っていただきたい。



 それが、『グランベルム』という作品です。



 今は注目されてる方が少ないように観測されるのですが……私の目に狂いがなければ、おそらくネット上でダークホースと言われるようになるはず。


 等身の低い、いわゆる「SDロボット」に、少女たちが搭乗しバトルを繰り広げるカッコカワイイ内容となりそうな作品です。


 ロボットアニメ自体は今なお数多く製作されてると思うんですけど、わかりますかみなさん、SDロボットですよ。今日び『ガンダム』以外でなかなかないでしょう。しかもそれでガチなバトルもの。絶対カクヨム勢が好きなやつなはずです。


 キャラクターの原案を担当なさったのは「あの」『Re:ゼロ』の大塚真一郎氏、シリーズ構成は『ラブライブ!』や『STEINS;GATE』など数々のヒットアニメを手がけた花田十輝氏……という、KADOKAWAライクな作品を追っていられる方なら「おっ? マジ?」と思われる布陣となっています。


 というわけで、『グランベルム』という作品が私の今期最注目作品です。

 ライトノベル原作やその他数々の作品と合わせてチェックしてみてください。



 以上、今期アニメについての更新でした。

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