第2話 MtF 眞里子の場合

今日は、大晦日ですね。


今年一年、皆様はどの様な一年になりましたか?


私は、とても普通の一年でした(^-^;


でも、大晦日に因んだ印象的なエピソードがあるので聞いてもらえたら嬉しいです。


この度、18歳でかつ、保険適応で性的適合術を受けられるようになりましたね。


おめでとうございます。


私が手術を受けた時は、20歳にならなければ受けられませんでしたし、保険も使えませんでした。


ですから、私は早生まれだったので、成人式の時は、まだ男の子の状態で成人式を迎えなければなりませんでした。


振袖が、着たかった。


インターネットで、こっそりどんな着物なら似合うだろうと話あったりもしていたんです。


でも、実際は振袖を着ていけなかった訳なので、隠れてトイレで泣きました。


友達に、その当時、自分がトランスジェンダー とは伝えられていなかったので。


母は、そんな私の気持ちを知っていたんでしょう。


手術を終えた初めての大晦日、祖母と母に呼ばれた私は、死んだ父の部屋に向かいました。


父は、私の性別を理解しないまま、向こうに旅立ってしまっていたので、私は父の部屋になかなか入れずにいました。


そして、意を決して開けた時、桜が散りばめられた焦げ茶色の綺麗な振袖がそこには打ちかけられていました。


私は言葉を失いました。


そして、気がつけば涙を零していました。


母からは、赤じゃなくてごめんねと謝られましたが、私は振袖が着れることが嬉しくてたまりませんでした。


私は身長が高いので、祖母が時間をかけて裾伸ばしをしてくれて、無事に元旦を迎えられることが出来ました。


とても印象深い大晦日でした。


これからのMtFの方は成人式に振袖を着て行ける人も増えてくると思うので、振袖選びを楽しんでくださいね!


そして、来年が皆様にとって素敵な一年になりますように。

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