第4話 クロウレア連合
ガルシア王国の首都『ノーラン』で、俺は国際会議を行っている。初めてのことで、すごく緊張している。
「本日は遠いところをありがとうございます。私はガルシア王国国王のラクセンと申します」
「私は暁皇国皇王の谷口です」
「俺はファルシウス王国国王、ラシードだ」
「シルバニア王国王子、ホルスです。父王は病床におり、代わりに参りました」
そう、今回は国交を結んだ国との会議だ。ガルシア王国は北、ファルシウス王国は南、シルバニア王国は東に位置している。西は海で未調査だ。
「今回の主な議題として、我々はクロウレア連合に暁皇国に参加していただきたく、会議を開きました」
今回は連合の加入についてだ。クロウレア連合とは大陸の南西部の小国家郡の経済連携協定だ。盟主はガルシア王国。加盟国は会議参加国のファルシウス王国、シルバニア王国に加え、リゲル王国とメニディア公国がある。
「クロウレア連合はどの国も後進国で、経済もままなりません。都市によっては飢えてしまいます。そこで、暁皇国様にもこちらの連合に参加し、共に発展していただきたく思います」
「なるほど。確かに互いの利益もあり強固な連合も組める。魅力的ですね、参加しましょう。ですが…………」
ラクセン王は嬉しそうにうなずく。確かに魅力的で、お互いに協力関係を築くこともできる。ただ、欠点があった。
「クロウレア連合の名目の1つに、国防に関することがありますが、現状はどうなっているんですか?」
「国防は各国それぞれが持つ軍隊で、自国領を防衛、他国の侵略の際は連合軍として各国軍が協力して侵略を阻止する。クロウレア連合の国防は各国軍が担うことになる」
「共同演習はされましたか?」
共同演習という言葉に皆が口を揃えて言う。「していない」と。かつてからある連合軍であれば普通は連携力を高めるためにもしておくべきだ。
「では、まず軍事演習をしましょう。いざというとき、連携できなければ何の役にも立ちませんから」
俺は立ち上がり、各国国王を見て言った。これから忙しくなりそうだ。
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