第4話「転校生」
「はい!皆、席についてー。」
と、先生が言ったのは朝の会のときだった。私たちは何かあるのか気になりながら席についた。
「今日からみんなの仲間になる子を紹介する。入ってくれ。」
と、先生が言った。みんながドアの方に注目した。もちろん私達も。転校生が入ってきた瞬間みんなが息をのんだ。綺麗な黒髪のロングヘアで誰もが見とれてしまうような美しい顔。
「今日からこのクラスに入る時雨夏樹です。よろしくお願いします。」
と言って彼女は頭を下げた。私は思わず凛と颯希の方をみてしまった。颯希は興味ないような顔でみていた。だけど、凛は夕焼けのように顔を赤くしてその子をみていた。その瞬間私は胸が殴られたような痛みが走った。
休み時間、私は凛たちとはなしていた。
「さっきの転校生可愛かったね。凛赤くなってたけどもしかしてひとめぼれしちゃった?」
私はふざけながらも聞いてみた。すると凛はさっきのように顔を赤くして
「そ、そんなわけねーだろ。なんでおれがっ!」
と言った。本人は否定したが私と颯希は確信した。凛は時雨さんが好きなんだ。
予鈴がなって席に戻ると時雨さんはなぜか私の隣の席に座っていて凛は後ろから時雨さんを見ていた。先生がきた。
「授業を始める前に、お願いがある。時雨は来たばかりで教室などの場所がわからない。そこでこのなかから先生が選んで学校案内を頼むことにした。夏坂!頼めるか?」
「はあ?なんで俺が。」
凛はそう言いながらも私には喜んでいるように見えた。結局学校案内は凛がすることになった。しかも学校案内は放課後に二人きりだ。私は心配でたまらなかった。
ビターチョコレート 桜田恋 @kaedesama1202
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